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私が好きなシーン(自萌え

2020.05.15 12:00

こんばんは、谷崎です。

ただいまとあるところで躓き中→自作を読み返しております(お

そこを終えないとR18書けないので頑張ります(ちょ


さて、先日は仲秋邸での自萌え・追憶好きなシーンを語りましたが、今夜はリハ・先生のステージ・打ち上げに至るまでの間の好きなシーンをば。

どうぞお付き合いくださいますようお願いいたします。


➀サディストとマゾヒスト

 苦痛を与え続けるものと、受け入れるもの。
 道徳的には間違っているとしか思えないが、その行為が自分に向けられる愛情を確かめるためのものがSMになるのかもしれない。ふとそう思ったのは、稜から聞いた言葉のせいだった。
『愛し方や愛され方がどうしようもなく下手な生き物なのかもね』
 もしもそうだとしたら。
 自分自身に苦痛を与えてまで追い詰めないと、愛されていることを確かめることができないとしたら。
 サディストやマゾヒストは、なんて……。
 そこまで思い至ったとき、渡海はやりきれない気持ちになった。

仲秋邸での稜と渡海の会話は当初のプランにはありませんでした。

西条さんと打ち合わせをしているときに、二人が向き合うシーンを書こうかということになり・・・。

渡海が持つ予定の信条を予め西条さんに伝えていたこともあり、それに繋がるような会話になりました。また、瑛二とは違う稜の苦悩が表れているシーン。西条さんから原稿を見せていただいたとき、泣きそうになりました。

そして、そこから光からレクチャーのネタが降ってきました。いろんな情報が一気に押し寄せた渡海にとって、光は遥香とともにメンターとなります。


➁レオンと瑛二

 瑛二がレオンに向けた笑みには、得意げなものが混じっている。
 それに触発されたのか、レオンが着ていた黒革のジャケットを脱ぎ始めた。
「じゃあ、縄で遊ぶか」
「いいね。誰、縛る?」
 瑛二がレオンに応えるようににやりと笑う。

縄で遊ぶ。その言葉で通じてしまう二人。レオンも仲秋先生同様、まさかの頻度となってしまったことは言うまでもありません。そして、渡海の気づきに与える影響もまた強し。


➂きゃっきゃうふふ

 瑛二の体を縛る縄をじっくり眺めていると、レオンがすっと立ち上がり瑛二の前に膝をついた。
「気分は?」
 レオンが瑛二に尋ねた直後だった。
「これって、つまりBL……」
 突拍子もないことを言い出したのはメリーナだった。
 彼女に視線をやると、レオンと瑛二を見つめる目が、宝物を見つけたようにキラキラ輝いている。
 隣にいるケヴィンを思わず見ると、苦笑していた。 すると遥香がどこから持ってきたのかカメラを構えだす。
「レオンさん、瑛二さんの顎に手を掛けて顔を近づけてください」
「は?」
 目を大きくさせて声を漏らしたのはレオンだ。
「ルカ……。お前なあ……」
 瑛二はというと、縛られたまま呆れた顔をしているが、遥香に向ける目は鋭かった。
 しかし、遥香は動じることなく、楽しそうにシャッターを切っていた。

これは書いてる途中に「降りてきた」シーンです。縛られる瑛二、マジ貴重!


➃緊縛のもうひとつの面

 結局、渡海が案じたようなことは何一つないまま、仲秋はメリーナの縄を解いた。内心で安堵しながら二人の様子を窺っていると、縄が体から取り払われていくうちに、彼女は泣き始めた。
 グスグスと鼻をすする音がと縄が擦れ合う音が響く中、渡海はどうしたものか思案する。誰一人として動いていないからだった。
「こういうこともたまにある。メリーナ、思い切り泣け。ほら胸なら貸してやる」
 皆が見つめるなか、仲秋は背を向けたまま泣いているメリーナを抱き寄せた。すると彼女は、師の胸に顔を埋め子供のように泣きじゃくる。
『先生、ありがとう。すごく……満たされました』  

縄セラピー、と言うものの存在を教えてくれたのは、イヴのめざめを書く前にお話を伺った緊縛師さん。縄酔いとは異なるものだそうです。

緊縛というとエロティックとかハードという印象を受けますが、わたしはそっちではないものを書きたかった。エロティックやハードなものはたくさんの作家さんが書いてますからね。

どうしてメリーナが泣いたのか、その理由はのちのちレオンから語られるのですが、今日そこを書き終えたばかりというね・・・。


➄遥香の信条「解放させる」に込められたもの

 問いかけると、遥香は頷いた。
「世間一般的にはアブノーマルなものであっても、そこに至る理由がちゃんとあります。でも、他人は分からない。結果として、自分がやってるものに否定的になったり、苦しむことになる。そういったものから、少しの間だけでも、縛っている間だけでも解放されてほしいってわたしは思ってます」

アビスでレオン達が縄で遊んでいる間、渡海は遥香に尋ねます。

それは癖を持たない彼女の信条、それを見つけるまでのことを知りたかったから。

女王のレッスンを読んでいたわたしは、とても懐かしい気持ちで読んでました。と同時に、あの作品を読んだ数年後、こうやってコラボできることになるとはと感慨深かった。

18日から再開する乳蜜ではレオンの信条が登場します。レオンも癖はありません。ですが、彼は縄で妻を縛っている間に「こういうふうに縛りたい」と思うようになります。そしてそれが、渡海の気づきの突破口になるんですよー(大いなるネタバレ


➅ルイ、意地を見せる

「う……っ!」
  ルイは顔をしかめさせた。
 仲秋は汗みずくの顔を険しくさせて、半ば強引に自身に向けさせたルイを見下ろしている。
 乱れ髪の合間に見えた彼女の表情は、変わらず苦しげだった。呼吸を乱しながら、師に応じるようにまっすぐ目線を向けている。
 その目には険しさこそないけれど、はっきりとした意思があるように見えた。しかし、その意思がなんなのか分からず、渡海は怪訝な顔をする。

ルイが意地を見せた瞬間です。この辺りのルイの心境はいずれ蛇にて・・・。


➆ 喜助の牛タン

 カウンターとステージの間に置かれたソファに腰掛け、渡海は結衣子とルイを眺めていた。見れば見るほど見目も雰囲気も異なっているのに、どうして二人の面影が重なることが多いのだろう。
 向かい合う二人を見比べながら眺めていると、突然結衣子の表情が明るくなった。
「喜助さん! うれしい、大好き! 稜くんお米炊きましょう!」
 嬉しそうにはしゃぐと、結衣子はカウンターにいる稜に振り返った。すると稜は、カウンターの上に料理が盛られている皿を置くと、呆れた顔を結衣子に向ける。
「うそでしょ……」
 しかし、結衣子は夫を尻目に、ルイから手渡されたと思われる紙袋を持ったまま子供のように駄々をこね始めた。
「タレよ、白米よ、お鍋でいいから炊きましょうよう!」
 妻からねだられてしまった稜に同情していると、結衣子がこちらを向いて声を張り上げた。
「牛タンとタレで白米食べたい人ー」
 結衣子が勢いよく手を上げると、仲秋を囲んでいたレオンたちが次々と手を上げた。
 仲秋も相好を崩しながら手を上げている。フロアにいる瑛二も遥香も嬉しそうな顔で手を上げているし、いつの間に来たのかメリーナの隣に腰掛けていたルイもニコニコしながら手を上げていた。こうなると、自分だけ手を挙げない訳にはいかず、渡海は内心で稜に申し訳なく思いながら手をそっと上げる。
 すると、女王様は満足げな顔をした。
「抗えないわよね、濃厚で官能的なツユとつややかな白いボディには」
「……ここさ、フェティッシュバーなんだよ、米とかさあ」
「あるもん」
「あるけどね、研ぐけどね」
 一歩も引かない結衣子に根負けしたのか、稜は差し出された紙袋を受け取ると、米を炊く準備に取りかかったようだった。

喜助の牛タン、大好きです(わたしが

今はコロナ騒動で食べに行くことができませんが、実は夫氏の給料が出た翌日、買い物ついでにこっそり食べに行っています(突然の暴露

ルイが持ってくる手土産でうかんだのは、ずんだ・笹かま・そして牛タン。東京にも喜助のお店がありまして、限られた店舗ではありますが焼いたものをテイクアウトできるんです。それを康孝と一緒に買いに行った、という体。

結衣子と稜の会話も良き。


⑧ルイと仲秋の会話

「じゃあ、結婚したあとは康孝くんの仕事を手伝うのか」
 意識を仲秋に向けると、ルイと話し込んでいるようだった。
「ええ。彼が今手がけているクライアントが、わたしとマサキの後援者だったので。じゃあ一緒にって」
「そうかそうか。しかし、まあ、面白いもんだな。まさかそういう繋がりもあったとは」
「わたしも驚きました。フランクフルトで、彼とまた顔を合わせるなんて思っていなかったし……」
「まさに運命だな。家で馴れそめを聞いたときは、随分きざったらしいことを言うと思ったが、その話を聞くとそうとしか思えん」
 話を聞いていると、康孝はルイとともに仲秋のもとを訪れたらしい。そういえば、舞台が終わったあと、日を改めて挨拶に行くといっていたのを渡海は思い出した。
「彼は運命って言ってますが、トントン拍子にこうなった訳じゃありません。わたしとしては、雨降って地固まるっていう言葉の方が合ってる気がします」
「お前、随分と現実的だねえ。ふつうだったら女の方が浮き足立っているもんだろうが」
「あら、浮かれてますよ。幸せすぎて地に足が着いていないから、彼に毎晩足を掴んで貰ってます」
「それはつまり、マッサージさせてるってことじゃないか」
 仲秋が呆れたように言うと、ルイはころころと声を上げて笑いだす。
「彼、マッサージが得意なんです」
「はいはい。ごちそうさん」
 仲秋が呆れたような声で返事をすると、また二人は笑い合った。

どうしてルイは康孝の側にいることを決めたのか。に繋がる大事なセリフが出ているんですよ(うひひ

その理由は、乳蜜の最後間際に登場します。そしてそれはまだ蛇には書いていません。

西条さん曰く「ルイは与えられて育った人間。結衣子とは真逆」なんですが、彼女は割とシビアだったり・・・。

西条さんにはルイの相手である康孝のことも全部教えました。それで産まれた結衣子と康孝のシーンはもう・・・もう・・・。明日語らせていただきますw


➈トウトイ

「あああああああ!」
 素っ頓狂な声がした方へ視線を向けると、遥香の隣でメリーナがしゃがみ込んでいた。
 何があったと思いながら様子を見ていると、カウンターで話し込んでいる瑛二とレオンを眺めながら、遥香と一緒に目を輝かせている。
「おい、メリーナはどうしちまったんだ?」
 手製のミニバーガーに手を伸ばすケヴィンに聞くと、苦笑を向けられた。
「レオンとエイジが揃うと、「トウトイ」ものになるみたいだよ。俺には、理解できないけれど」
「確かに。さっぱり意味が分からない」
「だけど、メリーナとルカが喜んでるから、まあ、いいかなって」

メリーナは腐女子ですw それを夫であるケヴィンは受け入れている。

そういった伴侶を選んだ方が絶対いい。その理想を描かせていただきました!


⑩遥香と歩が重なるとき

「……敵わないなぁ……」
 弱々しい声がした方へ目をやると、遥香が寂しげな笑みを浮かべている。彼女はスツールに座ったまま、バックルームを見つめていた。
「ルカ、さん?」
 気遣いながら呼び掛けるが返事はない。
 締め切られたカーテンを見つめる瞳は涙で濡れていた。
「……年月とか癖とか。わたしは絶対敵わない……」
 深いため息のあとに漏れた声は小さかった。
 頼りなげにしている遥香を一人にしておけず、渡海は彼女の隣にあるスツールにそっと腰を下ろす。
「わかっていたけど……。それでもわたしは決めたんです。彼の傍にいることを。そして、それは稜くんも一緒。でも、あのふたりのあいだには、絶対にほかの人にはわからない繋がりがある」

このシーンは書いててつらかったですね。きっと西条さんもしんどかったと思う。

遥香が瑛二にむける感情は愛ではないか、と思います。そして瑛二も遥香を愛している。でも、結衣子という存在が瑛二のなかにあり続けるし、遥香はそれから目をそらせない。彼女も結衣子を一人の人間として愛しているから(レズではない

瑛二・結衣子の繋がりは深いし固い。そこに稜があらわれて、遥香があらわれて、と女王シリーズは人間関係がなかなか複雑です。

初めて女王を読んだとき、もしも遥香→瑛二への恋愛感情が文字として存在したら、TLとしてもいけるんじゃないかとわたしは思いました。でも、遥香から瑛二に向けるものって憧れとか尊敬とかそういった愛が強い。読み返していくうちに遥香の恋愛感情が目立っていたら、この四人は四人として存在しないんじゃないかと思えるようになりました・・・。

でも、瑛二と遥香は「ふたり」となり、愛も変化します。決して誰にも言えないだろう言葉を耳にした渡海は、彼女に歩が重なって見える。渡海の中にもルイがずっとあり続けているからです。

実は今回のコラボでわたしは「答え合わせ」をしたかったんですが、もう一つ。

瑛二と遥香のその後を見たい、と西条さんにお伝えしました。個人的には瑛二と遥香が「ふたり」になった姿を見たかったからです。

渡海は作中である決断をしますが、瑛二は・・・。

まあ、遥香の不安を払拭させるだけ愛していることを示しているとは思いますけどねw


と、自作でも10越えたよ・・・。

そして読み返しているうちに、躓いていたところが解消するようなものを見つけたので、これからカキカキしますw


励ましのコメントやこれまでの感想など、お待ちしております♡

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谷崎文音拝