Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

井の中のなんとか

顔料ってなんぞや

2020.05.14 12:43



つらつら素人考えを書き残したくなったので書きます。


予め言っておきますと、私自身初めて顔料の存在を認識してから一年くらいのぺーぺーなのでまだ良くわかってないことが多いです。


なので明らかに間違ったことを言っていたらご指摘下さいませ……。




偶に水彩絵描きさん達が口にする


『顔料』

『ピグメント』

『Pなんちゃら数字』



「フォロイーさんがまた何かよく分からないこと言ってるなぁ( ´-` )」


と思わず聞いて頂けるならちょっとお時間頂きたいのですが、これは絵の具の材料、ざっくり言うと色の粉のことです。


ピグメント=顔料

Pなんとか数字はその種類。全体をC.I.Name(カラーインデックス名)と言います。


表記のないメーカーさんもありますが大体は絵の具のパッケージやパンフレットに記載があります。



ここ。


こういうの。



画像はホルベイン旧パッケージ。

現パッケージは照明が反射して字が読みづらかったので…絵の具の種類が替わっているのは気にしないで下さい。


おそらく要らないざっくり解説



この他にもPで始まらない顔料が幾つかありますがそれはまたいつか書かない気がします。



で、それって覚えないといけないの? 


という話ですが、覚えないと駄目とかは一切ありません。


いや……覚え始めると面白いよ……色被りのがっかり感なくなるよ……という飽くまで個人的な思考。


炎・水・草の力関係はゲームに触れてなくても何となく分かるけど、エスパーがかくとうに強いとかも知ってたほうが良いみたいなレベルのお話です。分かりづらいですね。



ただ、ひとつ押さえておいたほうがいいかも知れないものにPW系顔料があります。


使用顔料を見ているとやたらに出てくるPW6


こちらは画像にもありますがピグメント・ホワイト、白系の顔料のこと。


絵の具の赤と白を混ぜてもオペラピンクのような蛍光ピンクが作れないように、PW系顔料表記のある絵の具はある程度まろやかな、多かれ少なかれ不透明なものになります。


もちろん、入っている絵の具を避けろという意味ではありません。

飽くまで想像の範囲内に収めるため、


カラーチャートを見て彩度の高い色かと思ったら実際は想像より落ち着いたマイルドな色合いだった〜


という事態にならないように、これだけはちょっと覚えておくと良いかも知れません。


因みに白系と言ってもPW20は雲母、マイカといい、ゴールドやシルバーなどのきらきら絵の具に使われています。かわいいですね。




ここまで大分書き進めておいて今更ですが、文字ばかりでもつまらないと思いますのひとつ顔料当てゲーム?を。


コピック遣いさんのお話によく、色番号を見ただけで何となくどんな色合いか分かるというお話がありますが、顔料もそうです。


以下に色画像とピグメントナンバーの羅列があります。どれがどの色合いかざっくり組み合わせてみてください。


顔料の振れ幅だったりモニターの違いで見え方も変わるかと思いますので、余り厳密に考えないで頂けると助かります。




↓答え合わせ↓




で?っていう。


だからなんだという感想はとても正しいです。


もしも面白ーい!と思った方は沼へようこそ。ようこそ!(大声)


私見入りまくりですが、始めたてほど色被りは少ないほうが良いでしょうと思いますのでご参考までに。



顔料を覚えてどういったところで役に立つかと言えば、例えば画像にもありますPB60


多くのメーカーさんではインダンスレンブルーという色名で出されていますが、みんな大好き初心者の味方ホルベインさんではロイヤルブルーという名前の絵の具で使われていますし、シュミンケさんのホラダムではデルフトブルーという名前の絵の具で使われています。

(この辺りは実は微妙な色味の比較が楽しいところです…)



他にも、Winsor&Newtonプロフェッショナルウォーターカラーではメーカーさんの名前がついているウィンザーバイオレットという色名の絵の具が有りますが、この絵の具に使われている顔料PV23は他メーカーさんではディオキサジンバイオレットという色名であることが多いです。



このインダンスレンブルーディオキサジンバイオレットという名称はPB60PV23のカラーインデックスネーム(顔料名)なので自然と絵の具の色名にも使われるわけなのですが、こういったメーカーさん毎に名前が違う絵の具もちょっとした前知識があることでどんな色味か想像することができたり。


大なり小なり色差はあれど、材料が限定されるわけですからある程度の傾向は決まって来ます。


顔料の中でも個性的でメーカー差の少ないナンバーを覚えているとちょっとだけ色選びが楽になるかも知れません。




そしてここまでずっと色被りを避けることを主に書きましたが、改めて。

同顔料=必ずしも同じ色合い、という訳ではありません。


後ほどご紹介しますがPB15は水色系か深い青の二極にざっくり分けられますし、PG50はクイズ画像のターコイズ系とはまた別に黄色みの強い緑系絵の具も有ります。



限定し難いかもと思って画像に入れられなかったのですが、例えばPV19などは微妙な色差ながら違いが分かりやすいです。楽しいですね(?)



また絵の具沼の方の中には敢えて同じ顔料・違うメーカーさんの絵の具の塗り心地や色合いの微細な差を比較して楽しむ方もいらっしゃいます。

同じやんけと思うのもまた発見。


同じ色かなぁと思いながら購入するのと、違う色を期待して購入するのだと色味を見たときの印象が違うかと思います。


逆に顔料さえ違えば色味が似ていたとしてもコレクター心が満たされるので私は好きです。




自分の偏見たっぷりですがクイズにあった顔料について。


  • PY3

ここに関しては取り敢えず赤みの無いベーシックな黄色、と思って適当に選んでしまいましたすみません…どちらかというと混合顔料絵の具によく使われている印象。


ベーシックと言いつつレモンイエロー寄りかもしれません。黄色系の判別力がしんでいるのですみません。



☆単一顔料、混合顔料とは

 使用顔料がひとつの絵の具を「単一(たんいつ)顔料絵の具」

 複数使用されている絵の具は「混合顔料絵の具」と言われています。

 認識が雑な私は複数顔料とか複合顔料とかよく言い間違えます。



  • PY42

イエローオーカーの色。

どこに行っても大抵はイエローオーカーやってる。


茶色に黄色を足して白でやや不透明にしたような色を素で持ってきてくれます。


ホルベインさんの12色セットに入っているのでお持ちの方も多いかと思いますが、実際木製の何かしらや髪色などに使えて一本あると便利に思います(主観です)。


染色性はあまり無かった気がしますが下塗りにも良さそうな色合い。



  • PY129

オリーブグリーンとグリーンゴールドの間のような色味をしたグリニッシュイエローは複数の顔料を掛け合わせて作るメーカーさんも多いのですが、単一顔料で作られている場合はこちらが主。


特濃から薄塗りまでの色幅がとても楽しい色合いです。


お手頃なところでクサカベさんに単一顔料絵の具があります。推す。



  • PR81

蛍光顔料を使わない単一オペラといえばおそらくこれ。


PR122のオペラもありますが、PR122のほうがPV19のように色味の振れ幅が大きい、実際試し塗りしないと分からないかなぁな印象です。



  • PR101


ピンクブラウンぽかったり、もっと紫味が強かったり、バーントシェンナ(画像上)のようにガッツリ明るい赤み茶色だったりと振れ幅は広いので色名に頼ります(頼るとメーカー差は少ない気がします)。


セヌリエさんのキャプトモータム(画像下)はフォロイーさんの受け売りですがココアのような色合いがかわいい。



  • PR254

ピロールレッド、または表記揺れでパイロールレッド


とにかく真っ赤。朱色でもない、紅でもない赤色を欲している方が探している色はこちらではないかと。



  • PV23

大体話してしまいました。ザ・紫。

ジオキサジンバイオレットとも。



  • PV16

割と最近お目にかかりました。モーブ、赤み紫。



誤解無きよう念の為書いておきますが筆者は紫も好きです。余りにも詳しくないだけです…。



  • PB15

水色〜青と振れ幅があります。


水色系はマンガニーズブルーの代用になることも多いようです。


青はウルトラマリン系とまた違うベーシックな青。


白と混ぜて水色になったり黒と混ぜてインディゴになったりと混色に忙しい顔料です。



それと偶に15:315:6などの表記もお見かけするかと思います。



あれなんですか?


私も知りたいです。



追記:


なんだこれとか言っていたら、こちらを読んで下さった方が詳しいHPとともに教えて下さいました…




:のあとの数字は改良レベル(?)のような記号だそうです。数字が大きいほど改良過程が多いとか。


そう言えばPV19にもβとかγとか見たことある! あれか!! 


改変種を分かりやすくカラーインデックス名にしたものということらしいです。

私でも分かる言語で話して頂けてめちゃめちゃ有難い…。


余談ですが:3て癒やされますね:3



  • PB16

深めのターコイズと言えばいいのでしょうか、緑みのある美しい青。


ホルベインさんで言うところのマリンブルーです。検索するとたちまち欲しくなるお色。



  • PB29


不動のウルトラマリン。

ウルトラマリンはどこに行ってもウルトラマリンなので安心安定のウルトラマリン。


ライトディープの2色展開しているメーカーさんも多いかと思いますがそこはお好みで。

既成の色合いより明るい色を作るのが苦手な私はライト派です。



更に余談ですが筆者はかなりのウルトラマリン色弱者。


色の差が余り分からない私みたいな方は一本あればいいかなと思います…逆を返すと一本はあったほうが目が潤うかと思います。



  • PB60


こちらも既に大分話してしまいましたが、インダンスロンブルーだったりインダンスレンブルーだったりデルフトブルーだったり。


ただホルベインさんのロイヤルブルーはちょっと誤解を与えかねないネーミングかなとか。



Twitterでもつぶやいたのですが、ターナーさん海外色のインダンスレンブルーがインジゴのようなペインズグレーのようなニュートラルチントのようなやたら暗めな色合い、かつ分離気味で面白い色味でした。

個体差という可能性はあり得るのでしょうか……。



  • PG7


フタロシアニン グリーン。黄色み控えめな青味緑。


ビリジャン、ビリジアンというとPG18(PG7より黄色みの強い、やや不透明な緑)の顔料名なのですが、ホルベインさんを始めちょこちょこビリジャンの名前で出ているので人によってイメージが異なる場合も。



    ビリジャン}( ´-` )

( ゚д゚){どっちの!?


ともかく色合いは爽やかベーシック緑。コミック向きな色合いなので風景画には向かないらしいです。らしい。




  • PG50

こちらも大分話してしまいましたが、PG50でコバルトターコイズという名前の絵の具は大体上になります。

上手に撮れなかっただけでもうほんの少し緑みが強いやも。

画像下はターナーさん海外色のコバルトグリーン


コバルトターコイズの話になってしまうのですが、コバルトターコイズ系と言えばPB28PG50の二択だと思って良いかと。


PB15の水色でコレジャナイと思った方はひとまずPG50PB28ターコイズと名のつく絵の具をどうぞ。

PB36でもPG36でもないやつですよ!


因みにセヌリエPG50ターコイズグリーンLUKASPB28コバルトターコイズではLUKASのほうが緑みが強いです。わけがわからないですね。



  • PBk9

アイボリブラック。温かみのある黒です。


PBk系は余り詳しくないのですがこれよりもっと黒い寒色系の黒がお好みの方で、ざらざらなテクスチャが苦手でなければホルベインさんのピーチブラックが真っ黒寄りな黒で私は好きです。



  • PBk11

推し顔料のひとつ。



急に出てきてなんだこれ



って思われたらすみません。


色というよりざらざらした広がり方が特徴的なので、是非実際使って実際目にしてほしい代物。


一番手に入りやすそうなものでW&Nさんのマースブラック、コスパで言えば笹部洋画材料店で購入できるターナー海外色のマースブラックに使用されています。


使いやすさとかは知りません。惜しげもなく推す。



  • PBk31

黒系顔料でありながら絵墨のような深くて渋い緑。


ホルベインさんのシャドーグリーンがお手に取りやすいかと。





表に入れ切れなかったメーカー差の少ないものでPO系、PO73はピンクオレンジのかわいい独特な色合いでおすすめです。


国内ではセヌリエミジェロラウニー、ちょっと頑張ってダニエルスミス等で単一があります。


色名が様々なので顔料名を覚えておくといいかも知れません。



他にも、


  • PR209

デジタル再現が難しくてクイズからは省きましたがメーカー差は少ないです。キナグリドンレッドチェリーレッドなど。


赤にピンクみとオレンジみを足したような瑞々しいさくらんぼカラー。

単一:ホルベイン、ターナー等



  • PR233

主にポッターズピンク(表記揺れ:ポーターズピンク)に使われます。


びっくりしてしまったのですが画像枚数規制で画像が載せられません。迂闊。


ココアのミルク増し増し、赤み増し増しかわいい陶器カラーなので気になる方は調べてみて下さい。

単一:W&N、ホラダム等





まだまだご紹介しきれないですが画像の上限いっぱいになってしまったことですし、ひとまずこんなところでしょうか。



長いですね。



読んで下さった方お疲れ様でした。


自分の趣味で単一顔料に偏ったお話になってしまって申し訳ないですが、もし何か少しでもお役に立てましたら幸いです。



最後に。

物によりおそろしく画質が悪かったり塗り方に統一性が有りませんが、こちらの画像は拾い画像ではなく全て手持ちの色見本を撮影したものになります。悲しい性格が出てしまった。