Value & Criteria
こんにちは。
こころの健康支援室 そらいろのmirineです。
5月14日に39府県で緊急事態宣言が解除されました。
残る8都道府県も、今日をめどに解除の可否を判断するとされています。
外出自粛や休業、休校、在宅勤務への切り替えといった努力に下支えされて、日々の新規感染者の人数は抑えられてきたようですが、宣言解除によって多くの人が動き出せば、新型コロナウイルスも人々の間を伝染り渡るでしょう。
それでも、検査を実施した数以上に新規感染者「数」が増えることはありません。
診断がつかなければ、新規感染者としてカウントしようがないからです。
国内に診断されない感染者がどれだけいるのか、検査数が多ければ統計的に推定することもできますが、検査数が少なければ正確には推定することもできません。
研究等で統計的手法を用いたことがある方なら、なるべく正確に全体(母集団)の傾向を推測するためには、できる限り多くのデータが必要であることはよくご存知のことと思います。
緊急事態宣言が解除されていない東京でも、ここ数日で多くの商業施設や飲食店が限定的とはいえ営業を再開しました。
STAY HOMEのキャンペーン中だったゴールデンウィークと比べて、各地で人出も増えています。
命を守ることを優先したいのであれば、これまで以上にどう行動するかを自分でよく考えて判断するしかないのかもしれません。
何を大切に思い、どんな行動を選ぶのか。
人はいつも、あらゆる条件を意識的にも無意識的にも天秤にかけながら、さまざまな物事を選択し、行動しています。
しかし、あまりに考慮しなければならない条件が多いと、たとえその時は考えに考えて決断したことでも、これでよかったのかと後悔したり、選んだ後も迷い続けてしまうことにもなりかねません。
そして、決断が必要な「時」というのは、急に訪れることも少なくないのです。
日々重ねる大小さまざまな決断をどう選ぶか。
日頃から自分の中での大切なもの、優先順位を明確にしておくと、何かを決断する際に大きな助けになります。
今、この状況で、自分は何を大切にし、何を優先したいのか、一度しっかりと考えてみるのもいいかもしれません。
NLPのValue & Criteriaという技法は、今の自分の価値基準を明確にするのにとても役立ちます。
まず、ふせん等に自分にとって大切だと思うもの、必要不可欠だと思うもの、人生の中にあってほしいと思うもの等、自分にとって「価値あるもの(value)」を一枚に一つずつ書き出していきます。
思いつくだけ、できれば十個以上書き出してみてください。
ひと通り出しつくしたなと感じられたら、書いたものをチェックしてみましょう。
大切なものをより正確に表す表現や、追加しておきたいもの等を思いついたら、修正や追加をしておきます。
書き出した「価値あるもの」たちが定まったら、今度はそれらの優先順位(criteria)を決めていきましょう。
ふせんやカード等に一つずつ書き出している場合は、より自分にとっての重要度の高い順に並び替えてみてください。
できる限り同率の順位を作らずに、各順位に一つ「価値あるもの」を当てはめていきます。
これだけは不動と思えるものも、試しに順位を入れ替えてみたりしながら、今の自分に最もしっくりくる順位を探してみましょう。
自分では何を大切に思っているか、いつもしっかりと分かっていると疑いなく思っていても、あらためて一つずつ書き出して順位をつけてみると、いろいろなことに気づかれると思います。
自分の中で順位も高く大切だと思っていたものでも、実際日々の行動としてはそれほど大切にしていなかったかもしれません。
あらためて順位を考えてみたら、一番大切だと思っていたものが一番ではなかったということもあるかもしれません。
実は自分でも意外なものを必要だと感じていたことに気づかれるかもしれません。
昔はとても大切だったものが、今はそれほど重要ではなくなっていたことに気づくこともあるかもしれません。
いずれにせよ、自分にとって大切なものとその順位を明確にすることは、日々のさまざまな選択、決断の際に大きな助けになります。
国、自治体、会社、学校といった属する集団の方針と、自分の大切にしたいものが残念ながらずれてしまった時、長いものに巻かれる選択をすることは、自分の大切なものを犠牲にすることになります。
とはいえ、自分の大切なものをいつも優先順位の第一位にかかげて選択し続けることも、社会の中では難しいことも少なくありません。
どんな時にどんな選択をするのか。
その選択肢を広げ、自分の人生を主体的に生きるためにも、自分にとって大切なものが何なのかを、しっかりと把握しておきたいですね。
かしこ