匂いの記憶
2020.05.15 09:05
厚くかかった雲
そこから漏れる光
隠れ隠れ見える淡い水色の空
キカイから聴こえる声
リズムを刻む指先
歌うことを忘れたとんがり帽子
世界が終わったのが
昨日のことのように感じる
昨日は春の匂いがしたのに
救えなかった友を
心配する弱い僕
恐る恐る覗く弱い灰色の顔
本の上を走る影
響くパイプオルガンの低音
電線に重なる十字架に祈りを
髪を短く切った君は
大切なものを失い捨てた
嫌なことを思い出すために
イヤホンを手に取る