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国債発行は借金ではなく政府の貨幣発行に過ぎない、三橋貴明 所長は補正案に百兆円を欲す

2020.05.18 03:05

【財政報道】 令和二年五月十四日に経世論研究所・三橋貴明(己酉)所長が、YTにて動画『国債発行は政府貨幣発行 財務省が死んでも認めたくない真実』を公開した。尺は二十三分。報道現在のチャンネル登録者数は二十.五万人(報道現在)。三橋所長は、経済評論家で中小企業診断士。


二百三十六回目となる今回は、「新規の国債発行=政府の貨幣発行」である点を強調。第一次補正予算の二十三兆円に、追加で百兆円を欲した。


「とりあえず普通の事をやろうよ。普通に政府が国債発行して、それで日銀当座預金を調達して、皆さんの手元に支出して、それで需要不足埋めて、恐慌を克服して、医療サービスを充実させて、疫病に勝ちましょう。」と政府の基本的な政策を伝え、新規の国債発行を訴える。



<PBの赤字は問題なし>

 普通の政府の政策ができない理由を三橋所長は、新規の国債発行自体が「政府の借金を増やす」という国民の悪いイメージに引き摺られている為とした。実際は「新規の国債発行=政府の貨幣発行」なので、国民が誤解してる点を話した。政府の貨幣発行は、毎年のPB(基礎的財政収支、企業会計におけるフリー キャッシュ フロー)の赤字分となる。


動画内では第二次安倍政権以降、緊縮財政であった事実を「政府の貨幣発行額」の推移(棒グラフ、上図)で証明した。


今回の緊急事態宣言による経済損失(四月・五月)がGDP・四十五兆円と試算(第一生命経済研究所・熊野英生 首席エコノミスト)されており、消費増税分や五輪需要等も加味し、三橋所長はGDP・百十兆円(二十㌫)も減少すると予測。よって第一次補正予算に加え、百兆円の国債を求める。



国民からの圧力が必要

 インフレの懸念についても、総需要が激減した分への穴埋め(デフレ ギャップ)が国債なので、問題なしとした。国債の引き受け先も問題はなく、四月に日銀(総裁:黒田東彦)が、国債買い入れの上限を八十兆円/年から上限撤廃(無制限)に変えた。三橋所長は国債を「借金でも何でもない。」と言い切った。併せて、この上限撤廃によって国債の希少性は高まり、国債の金利は上昇し得ないと断じた。報道現在で全国債の内、日銀の保有割合は未だ五割未満。


また、財務省(大臣:麻生太郎)の官僚に対する政治家の理論武装と国民からの圧力も欲した。「一番最初の段階で(恐慌を)止めないと、どこまでもGDPが減っていく。その累計たるや、とてつもない金額になるから、今、百兆円の追加予算を決めないといけない。」と語気を強めた。野党で百兆円の国債発行(貨幣発行)を望んでいるのは、れいわ新選組(代表:山本太郎)のみ。


そして「まともな経済政策をやっていたら、とっくにGDP一千兆円超えて、今でも大国だった。」と平成時代の失政を突いた。全ては主権者の国民の失敗である。安倍政権はGDP六百兆円を目指している段階だ。


三橋所長は、昭和二十二年の『財政法』第四条・第五条と平成十一年の『財務省設置法』第三条の改訂を訴えている。


  1. 財政法 第四条;国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
  2. 財政法 第五条;すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。
  3. 財務省設置法 第三条; 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な 管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保並びに造幣事業及び印刷事業の健全な運営を図ることを任務とする。


太字が問題箇所。特に財務省のPB黒字化は三を法的根拠としている。だが財政健全化は既に達成済み。


画像:日本の中央政府の貨幣発行残高(兆円)