金沢と餅・生菓子
2020.05.16 11:30
金沢は藩政の頃より、菓子どころとして全国に知られていますが、菓子にまつわる風習も豊かで、人生と四季の折々に喜びや悲しみを重ねるごとに菓子をいただいてきました。行事にまつわる菓子といえば生菓子や餅であり、金沢に住む人にとって、餅・生菓子は生活に溶け込んだ存在と言えましょう。
なかざき生菓子店では、市民の暮らしの中で、昔からの伝統を受け継ぎつつ、人生や四季の節目ごとの菓子を製造しております。
*金沢生菓子専門店会ホームページより抜粋
五色生菓子
金沢の祝い事に欠かせぬものが五色生菓子です。
五色生菓子は、加賀藩二代藩主前田利長公が、後に三代藩主となる利常公の嫁として徳川秀忠公の息女を迎えた時、藩の御用菓子屋吉蔵に命じて作らせたものです。吉蔵は特に容器にも吟味して五種の菓子器を以てお納められた処、大変喜ばれたそうです。
この五色生菓子は五種一組となっており、それぞれに小豆餡が入り、武家町人の隔てなく広く祝儀用として使われ現在に至っております。特に婚礼の折りにはなくてはならないお菓子です。
五色生菓子は日月山海里を形どり大自然の恩恵に感謝の意を表わしています。
氷室まんじゅう
金沢では毎年七月一日に氷室万頭を食べる風習があります。五代藩主綱紀公の頃、氷室に貯蔵した天然の氷雪を氷室の朔日に江戸の将軍に献上していました。それにちなんで作られたのが氷室万頭で、暑い夏を迎え、夏越しの体力を養い萬(よろず)の頭に出世するという縁起を祝い、無病息災を願って氷室の朔日(今の七月一日)に食する習わしは、今も市民に親しまれています。