【見どころ】4階級制覇を狙う井岡 相手はKO率75%の強打者
6月19日(水)千葉・幕張メッセ
<WBO世界スーパーフライ級王座決定戦>
井岡一翔(Reason大貴)vsアストン・パリクテ(フィリピン)
ミニマム級、ライトフライ級、フライ級の元世界王者、井岡一翔(Reason)が日本人男子初の4階級制覇に挑む。相手のアストン・パリクテ(フィリピン)は75パーセントのKO率を誇る大柄な強打者。経験値とテクニックで勝る井岡はパリクテを封じることができるか。
井岡は7戦目でWBC世界ミニマム級王座、11戦目でWBA世界ライトフライ級王座、18戦目でWBA世界フライ級王座を獲得。これは15年4月当時の最速3階級制覇記録だった。10年のキャリアで25戦23勝(13KO)2敗の戦績を収めているが、そのうち15試合は世界戦だ(13勝8KO2敗)。腰を沈めた構えで相手との間合いを計り、左ジャブから左ボディブロー、右ストレートなどで攻め込むスタイルを確立している。高度なスキルに加え巧みなペース配分をするなど頭脳的な戦いぶりにも定評がある。昨年12月、ドニー・ニエテス(フィリピン)との王座決定戦で僅少差の12回判定負けを喫しており、これが再起戦でもある。
対するパリクテは井岡よりも8センチ大きい173センチの長身スラッガーで、相手の正面から積極的にワンツーを打ち込んでくる。距離が詰まるとアッパーや左のボディブローもある。昨年9月にはWBO世界スーパーフライ級王座決定戦でニエテスと対戦して三者三様の12回引き分けという結果に終わったが、今年1月にはWBO4位のホセ・マルチネス(メキシコ)を2回KOで屠って再挑戦のチャンスをつかんだ。
攻撃型のパリクテが圧力をかけ、井岡がサイドに動きながら出入りする展開が予想される。パンチ力ではパリクテが勝るが、スピードや細かなテクニック、試合運びでは井岡が上回っていると思われる。井岡はその利点を生かし、動きながら相手に的を絞らせずに迎撃したい。特にボディ攻めは有効であろう。パリクテの強打には注意が必要だが、井岡が慎重かつ計画的に戦えば4階級制覇が見えてくるはずだ。(原功)
井岡=1989年3月24日、大阪府出身の30歳。Reason大貴ジム所属。右ボクサーファイター型。戦績:25戦23勝(13KO)2敗。
パリクテ=1991年1月25日、フィリピン出身の28歳。右ボクサーファイター型。戦績:28戦25勝(21KO)2敗1分。