【助走】ポール降ろしをマスターする方法 ”5ステップ”
世界的に新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっており、皆さんの日常がかなり変化してしまっていると思います。
安全に楽しく棒高跳ができる日が1日でも早く訪れることを願っています。
それまでどうかお体に気を付けて、人に優しくお過ごしください。
Boutaka Channelでも楽しいことをたくさん企画中です。お楽しみに!
【Pole Drop】
さて、今回は助走のなかでも“ポールの降ろし”の練習方法をご紹介します。
1年ほど前まで私は、「体の前でポールを持つ」とか「左手は高い位置で保持する」といったことを考えながらポール保持を行っていました。
そして1年前、2週間アメリカにて世界トップの棒高跳に触れた際、助走の技術について1番の衝撃を受けました。
Key wordは「Pole Drop」
つまり、ポールは持たずに落とすものです。
世界のトップ選手を見ると、どの選手もポールが倒れはじめて突込みを行うまで、ポールがスムーズに降りてくるのがわかります!
【ポール降ろしの練習法】
ポール降ろしの練習方法は5段階あります。
① 歩きながら突込み動作
・短めのポールで低い握りを持ちます
・歩きながらポールを動かします
・4歩で踏切姿勢まで持っていきます
≪ポイント≫
*開始位置(踏切4歩前)で、ポールの角度が45度
*開始時に両手ができるだけ体の近くになるように保持する
(上の手は体の横もしくは後ろにしましょう。)
*歩きながらポールを動かし、踏切姿勢まで”動きを止めない”で行う
*歩いている時も、両手が身体の近く、ポールとの距離が近くなるように意識する
(自然と下の手は少し下に下がり、上の手側の肘は少し上がっていると思います。)
*踏切足が接地するまでに手が出きって、大きな姿勢になる
動きを止めないのが難しい(笑)
私もコーチから”Don’t freeze! Move!” と何度言われたか(笑)
それまでの習慣で「2歩前には頭の横」で動きを止めるような動きになっていました。
② 片手ドロップ
・全助走時より1ftほど短いポールを準備
・ポールを上の手のみで保持し、90度まで立てる
・下の手は握らず走り始める
・スピードに乗ったところから、6歩かけてポールを落とし踏切を行う
≪ポイント≫
*ポールは踏切前の6歩で落とす
*一気に落とします
*ポールの先が目線の高さに来たところ(踏切3歩前)で突っ込み動作を開始する
*踏み切った時に上半身が前に突っ込んでしまったり、上の手が身体の前に出てしまったりしないように心がける
*動きが止まらないことや踏切時に大きな姿勢をとることが重要
Boutaka Channelでよく話題になる踏切後のポールスピードは、ポールドロップからも影響を受けます。ポール降ろしと踏み切りのタイミングが最初はなかなか合わないでしょう。
何度も繰り返して、ポールと体の動きをフィットさせていきましょう。
③ ゴーストハンド
「② 片手ドロップ」の進化系です。ここでは踏切時に下の手でポールをつかみます。
・②と動きは同じ
≪ポイント≫
*踏切姿勢を大きくする
*踏切の一瞬前に手を出し切る
チェックポイントは同じですが、左手をつかんでも大きな姿勢をとるようにしましょう。
④ 持ち替えドロップ
「③ ゴーストハンド」の進化系です。ここでは突っ込み時に下の手でポールをつかみ、上の手を離しましょう。
・基本の動きは②と同じ
・突っ込み時に下の手にポールを持ちかえる
≪ポイント≫
*下の手を真上に向けて動かすこと
*脇が開いた大きな姿勢を強調しよう!
⑤ 狭いグリップ幅
・基本の動きは②と同じ
・グリップの幅(グリップ1~2つ分)を狭くして行う
グリップ幅を狭くすることで、両手で保持してもポールを支える動きにならないようになります。
・慣れてきたら、目を閉じて行う
≪ポイント≫
*ポールを支えないこと
*加速とポールが降りる動きを合わせること
ここまでで紹介した5段階でのポールドロップの練習がスムーズに行えるようになったら、普段のグリップでポール走をしてみましょう。
この時に、これまで同様にポールが自然と降りる動きに体の動きを合わせましょう。
どうしても普段のグリップに戻して、ポール走をすると、ポールを握ってしまい、ポールが倒れる動きをコントロールしてしまう人がいます。
上肢の無駄な力を抜いて、リラックスして行いましょう。
ポールを保持する時に自然と生まれる力みを失くし、スムーズに助走を行えるようになることでパワフルな踏切が行えるようになります。
また、疾走動作が崩れることなく、助走に余裕が生まれ、助走スピードを高くすることにもつながります。
助走の姿勢が悪い人、力んでしまう人、踏切手前で減速してしまう人は、特に意識して取り組んでみてください!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
次回もお楽しみにお待ちください。
(writer:榎)