いかるが風景奥の院・安堵7
2020.05.20 04:06
極楽寺・廣島大佛の寺―
飽波(あくなみ)郷名所旧蹟
東安堵の「極楽寺」は、聖徳太子創建と伝える縁の寺で〝大御堂〟と呼ばれたと云う。寺家六坊を擁したが、貞享4(1687)年には東之坊を残すだけとなったと記録される。現在は真言宗国分寺派。
本尊は、北門右手本堂安置の藤原期国指定重要文化財〝木造阿弥陀如来坐像〟。四天王像も迫力がある。また脇侍の木造聖観音菩薩立像(一木造り貞観期・高さ85.6㎝)と同菩薩立像(藤原期・高さ86.4㎝・共に町指定文化財)も優品。
近年話題となっているのが、左手納骨堂に偶然にも安置された佛が〝廣島大佛〟と異名をとる〝阿弥陀如来坐像〟である。廣島原爆投下後に廣島市で原爆犠牲者の為に祀られ、100萬人の信仰を集めていたがいつしか行方不明になった佛と判明した。以後それを祈念して若き田中全義住職が、8月5・6日に平和祈念式典を開催し、町あげて〝広島大佛あんど祈りのつどい〟(実行委員会主催・夢あかり安燈会)が催され、今(平成30)年で8回を向かえた。
また、安和1(968)年書写の『大般若経六百巻』を有する事でも知られる名刹である。
【freelance鵤書林241 いっこうK7記】