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陽紀byErikaSaito

植物の命の色「草木染」について

2020.05.20 05:46

染織作家 志村ふくみさんの書籍

「一色一生」より引用して考察も交えながら

草木染や染織のおもしろさについて皆さんと共有していけたらなと思います。

木の命が色になって満ちていく。


色はただの色ではなく木の精といえる。


色の背後にひとすじの道がかよっていて、そこから何かがにおいたってくるのです。


植物から染まる色は、植物の命が色を通して映し出しているのではないかと思う。


植物自身が身をもって語っている。


こちらにそれを受け止めて生かす素地がなければ色は命を失う。


こちらの心が澄んで、植物の命と、自分の命が合わさったとき、ほんの少し扉があくのではないかと思う。


こちらにその用意がなく、植物の色を染めようとしても、扉はかたく閉ざされたままでしょう。

例えば桜染の場合

9月の台風のころに折れた桜の木を煮出して染めてもにおいたつことは無い。

しかし3月の桜は、花を咲かせるために樹全体に命を宿している。

一年中桜はその時期が来ることを待ちながらじっと貯めていたのです。

つまり、機を逸すれば色はでないのです。

たとえ色は出ても、精ではないのです。

花とともに精気は飛び散ってしまい、鮮やかな真紅や紫、黄金色の花も、花そのものでは染まりません。

桜の場合、幹で染めた色は桜色で、花弁で染めた色は薄緑となります。

つまり自然の周期をあらかじめ伝える暗示にとんだ色のように思われます。

ノヴァーリスは次のように語っています


すべての見えるものは、見えないものにさわっている


聞こえるものはきこえないものにさわっている


感じられるものは感じられないものにさわっている


考えられるものは、考えられないものにさわっているだろう


本当のものは、見えるものの奥にあって、モノや形にとどめておくことのできない領域のもの、


海や空の青さもまたそういう聖域のものなのでしょう。


この地球上に最も広大な領域を占める青を緑を直接染め出すことができないとしたら、


自然のどこに、その染め出すことのできるものが潜んでいるのでしょう。

以上が志村ふくみさん著「一色一生」からの引用でした。


このような体験をしているといつも植物が私たちに語りかけ、生き方を諭してくれるように思うのです。

私自身悩み、迷いなど、壁にぶちあたる連続です。

しかし草木染や、畑で植物を栽培し観察しているといつも前向きな答えや道しるべをしめしてくれます。

逆を言えば悩み苦しい時は、このような時間をおろそかにしていたり、気持ちだけが焦っていることが多いです。

「機を逸すれば色は出ない」ということからは厳しさも教えられる気持ちで気が引き締まります。

毎日を大切に生きて綺麗な花を咲かせられるよう頑張ろうって思わされます。


不安な時代こそ、植物や自然法則、宇宙から知恵を学び、魂が喜ぶ生活が必要だなと気づかされます。

心を穏やかに生きる知恵をいつももらっています。


みなさまはどのように感じましたでしょうか?


青と緑を染める「藍染」について次の文章で語っていきたいと思います。

最後まで見ていただいてありがとうございます。

今後も草木染から学ぶ地球や宇宙の神秘を皆様と共有できたらと思います。

また次回もお楽しみに。


陽紀では天と地を結ぶ洋服作りに取り組んでいます。天は宇宙法則であり私たちの中にあると考えています。つまり自分自身と深くつながることを意味しています。

実際の草木染めの様子は以下の動画でご紹介しています。