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この人に会いたい!~office Hanyuda 羽生田新悟代表

2020.05.26 03:00

波乱万丈の人生を乗り越えて
ガーデンデザイナーの道を切り拓く


20年以上のガーデンデザイナー歴と、40回以上のコンテスト受賞歴あるofficeHanyuda(千葉県四街道市)の羽生田新悟代表をインタビュー。波乱万丈の人生を乗り越えてガーデンデザイナーに転身を遂げた羽生田さんに、ガーデンデザインにかける思いを聞いた。若手営業へのメッセージも参考にしてもらいたい。


▲office Hanyuda(千葉県四街道市)羽生田新悟代表

昭和46年生まれの48歳。陸上自衛隊、プロキックボクサーを経て数々の職を経験。花屋への転身後、造園職人になるも交通事故で瀕死の重傷を負う。車椅子の生活の中でもう1度奮起することを決意し、造園業界で生き続けるために、独学で勉強。ガーデンデザイナーに転身を遂げる。昨年はオンリーワンクラブのデザインコンテスト・アウトドアリビング部門で部門最高賞の優秀賞を受賞。通算11年、連続受賞&受賞数の日本一を守っている。



デザインコンテストの受賞歴は40回以上
営業兼デザイナーとして20年以上活躍

ガーデンのデザインコンテストで40回以上の受賞歴を持ち、波乱万丈の人生とデザイナーとしてのスピリットを伝える講演活動でも注目されているのが、一昨年の末にガーデン&エクステリアのデザイン会社を立ち上げたoffice Hanyudaの羽生田新悟代表だ。

花屋での勤務、造園職人を経て、ガーデン施工会社の営業兼デザイナーに。20年以上、現場の最前線でガーデン・エクステリアの営業・デザインに携わってきた。2018年の12月末に独立。駅から程近い家賃3万5千円のアパートに事務所を借りて新たなスタートを切った。

羽生田さんは、波乱万丈な人生経験の持ち主だ。幼少期は重い気管支喘息を患い、特別支援学校で生活を送る。中学生になると一家離散という辛く悲しい出来事があり、病気を克服するも高校を中退。荒れた生活を送るようになってしまった。フォークリフト作業員やマーガリン工場での勤務、ホストやネットワークビジネスの仕事もした。「このままじゃいけない。自分を変えたい。そんな思いから自衛隊に入隊し任務を全うしたのですが、任期が過ぎると、また何か物足りなさを感じる日々を送るようになりました。」

人生に迷っていた時に出会ったのが1枚の植物絵画。カトレアの花に感動を覚え独学で絵の勉強をするようになった。「植物の世界で一生生きていきたいと思うようになりました」ところが、花屋勤務や造園職人として働くも、今度は労災事故に遭い、半身不随すれすれの後遺障害を受け、人生に絶望感を味わう事になる。

ただそこで人生を諦めず、もう一度奮起する事を決意した羽生田さん。ガーデン業界で生き残るために独学で勉強し、営業とデザインの仕事でその能力を開花させるようになった。今では、これまで何かある度に努力し這い上がってきた人生経験や、ガーデンデザインの業務を通じて培った仕事への向き合い方を後続の若手たちに伝えるべく、講演活動にも力を入れている。


▲オフィスのインテリアは木とメタルを組み合わせたアメリカンスタイルに。「独立したら自分の好きなテイストで事務所を作ろうと思っていました。その方が仕事も楽しくなり、頑張れます」現在は、複数の企業様からBtoBで請けている仕事と、古くからの知り合いからの仕事がメーンだという。オフィスや広告宣伝費にもなるべくお金をかけず、小さくスタートを切ったというが、初年度は6000万円を売り上げ好調な滑り出しを見せる。



家族たちのあるショックな一言で「生活できる庭」「暮らせる庭」に目覚める

羽生田さんがガーデンデザイナーとして大切にしているのは、ビジュアルの美しさだけでなく「生活出来る庭」「暮らせる庭」をデザインする事だ。

デザインの意味を捉え直すきっかけになったのは、奥さんや2人の娘達の言葉だった。羽生田さんは13年前の会社員時代に自宅を新築した。庭にはパーゴラを設置し、植物も沢山植え、子供達が遊べるように砂場を作ったり、ウッドデッキを置いたりもした。ただ、砂場はすぐに飽きられてしまい、ウッドデッキは広さが中途半端で椅子も置けなかった。年数が経つにつれ、使われない庭になってしまっていった。

「一番ショックだったのは、私が家族に”今年の梅は綺麗だったね”と話しかけたら”梅なんて咲いていたの?”と返事が返ってきた事です。いつの間にか、庭にも出ず、眺めもされない。関心をもたれない庭を作ってしまったのです。」

3年前に、絶対に家族が使えるものを作ろうという思いで庭をリフォームした。滞在時間を長くし、リビングに戻れなくなるような工夫を随所に出来る限り行った。座れる場所を沢山設け、リクライニングソファに座った時に、樹木や風で揺れる草花が眺められ、ほっと寛げる空間作りを行った。

「今では娘達も部屋におらず、庭やサンルームで過ごしている事が多くなりました。会話が生まれ笑顔が増える。私はこの実体験を通じて得た感動をお客様にも伝えていきたいと思っているのです」

▲リフォームした自宅のガーデン。今では2人の娘さん達のお気に入りの場所に。「家の中だけの暮らしを50とすると、庭やサンルームを活用出来、生活空間が増えた豊かな暮らしは100。外部空間を活用する可能性や魅力を伝えていきたいと考えています」