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美しさのまとい方 めまい

2020.05.25 08:23

めまいの症状は、多くの人が経験する身近な不調である。重大な病気ではないからと軽視しがちであるが、繰り返すめまいはとても不快で、日常生活に支障が出てしまうこともある。中には病気が隠れているケースもあるので、症状がつらい人は積極的に対処することが大切である。


【疾患の概念】

自分は動いていないのに、周りの景色が揺れ動いたり、目の前がぐるぐると回ったり、体がふわふわと動いているように感じたりする。こうした異常な感覚を「めまい」という。

めまいは、耳の三半規管や脳など、身体の平衡をコントロールする器官に不調が起こることが主な原因といわれている。中には脳血管疾患、高血圧などの病気が隠れていることもある。


一般にめまいのタイプは、大きく分けて以下のように分類される。

♦周囲や天井が回ったり、揺れたりする感じの回転性のめまい(耳の不調)

♦気が遠くなったり、意識がなくなるような感じ、奈落に落ちていくような感じのめまい(貧血、加齢)

♦歩行時の平衡障害、ふらつく、あるいはよろめく感じのめまい(貧血、加齢)

♦漠然としたふらつき感、体がふわふわする感じ、倒れそうになる(脳の不調)



【東洋医学からみためまい】

東洋医学ではめまいの特徴と合わせて、身体に現れるさまざまな症状を診断し、その根本となる原因を見極めて対処していく。めまいを引き起こす主な原因は、虚弱体質、水分代謝低下、血行不良、ストレスなどがある。


①虚弱体質タイプ(くらっとするめまい)

主な症状・・・立ちくらみ、慢性的なめまい、息切れ、疲労感、食欲不振、動悸、睡眠障害、生理不順、更年期症状、冷え症


くらっとする立ちくらみのようなめまいは、特に高齢者に多く、病気の消耗や貧血の人などにもみられる。このタイプは気(エネルギー)と血(栄養)が不足していることが原因である。気(エネルギー)と血(栄養)が全身に十分行き渡っていないため、脳や耳の栄養不足、全身の虚弱などを招き、めまいを発症する。加齢によるめまいは、めまいが治っても積極的にケアを続けていくことが大切である。


♦補気補血作用(エネルギーと栄養を補う)の食材・食薬

大豆、納豆、黒豆、黒ごま、レバー、鮭、鯛、マグロ、人参、ほうれん草、山芋、桑の実、クコの実、くるみ、ナツメ、黒砂糖、杜仲茶、赤ワイン



②ストレスタイプ(ふわふわするめまい)

主な症状・・・ふらつき、耳鳴り、顔面紅潮、熱感、イライラ、怒りっぽい、口の渇き、口の苦み、尿が黄色い、便秘気味


このタイプはイライラや睡眠不足、緊張が持続などで、体内に熱がこもってしまうことが原因で発症する。体内に熱がこもる状態では、気(エネルギー)と栄養(血)の流れが停滞し、血圧の変動、自律神経の乱れを招いてめまいを生じる。


♦清熱作用(体内にこもった熱をさます)の食材・食薬

小麦、はとむぎ、そば、あさり、しじみ、セロリ、チンゲン菜、クレソン、トマト、レモン、スモモ、菊花、緑茶、羅布麻茶、柿の葉茶、ハブ茶、酢



③水分代謝低下タイプ(ぐるぐる回るめまい)

主な症状・・・回転性のめまい、吐き気、耳の閉塞感、痰が多い、胸の不快感、食欲不振、軟便、肥満気味、たるみ


ぐるぐると回るような回転性のめまいは、内耳にある三半規管の障害から起こることが多い。三半規管の内部はリンパ液で満たされているため、東洋医学では、体内に余分な水液が溜まると、その状態に影響が出てめまいを生じる。


♦利水作用(滞った水液の巡りをよくする)の食材・食薬

ハトムギ、春雨、鴨肉、クラゲ、フカヒレ、ワカメ、大根、冬瓜、きゅうり、緑豆、もやし、梨、ビワ、ブドウ、陳皮、杏仁



④血行不良タイプ(ふわふわするめまい)

主な症状・・・繰り返すめまい、頭痛、胸痛、顔色が暗黒、シミ、手足のしびれ


慢性的な高血圧や脳血管疾患、長期にわたるストレスなどを抱えていると、血行障害を招きやすくなる。血行不良が起こると脳にも十分な血(栄養)が巡らなくなるため、めまいを発症する。このタイプはめまいを繰り返しているため、積極的な対応が有効である。


♦理血作用(滞った血液の巡りをよくする)の食材・食薬

小豆、ヒジキ、赤貝、サバ、イワシ、かつお節、タマネギ、にら、獅子唐辛子、らっきょう、桃、サンザシ、ベニバナ、サフラン、ハイビスカス、焼酎



※食薬・・・食材でありながら、生薬として効能をもっているもの




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