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たまくさ

とくし丸くんがやって来た

2020.05.22 13:27

近所の農協食料品のお店が店じまいし、

その代わりにこの春から移動スーパー「とくし丸」くんが、

週2回、まわって来てくれるようになった。

要請あれば、各家庭の前に行きます、というスタンス。

              

軽トラの荷台を冷蔵設備をつけた陳列棚にして、

コンパクトにいろんな食材を積んでまわっている。

お惣菜も牛乳も肉も野菜もお菓子も。

この地域もご多分に漏れず、の年寄り地域。

なかなか便利かも。

             

この地域でこのサービスが始まったばかりで珍しいからか、

うちの前に来る時間は14時50分、ヒデオとーちゃん、「ソノ時間」をソワソワ待っていた。

14時50分という設定がなんか日本人ぽいんだけど、

約束の14時50分を3分ばかり過ぎたころに、

「来ない」

「どうしたんだ」

「電話するかな」

と、とーちゃん、「オレハ待テマセン」の年寄り砲を発砲しようとしたので、

ガッチリ止めに入る。

              

15時をすこうし回った頃に家の前に到着。

近所の親戚親子も来て様子伺いのお買い物。

しばし、わいわい。

平和な風景だった。

          

この空気感はなんだか懐かしい。

とくし丸くん、

ちょこっとしたものを何でも売っていた、昔は田舎にひとつあったなぁという

お店の感じに、ちょっと似た匂いがある。

          

うちの近くの何でも屋さんは酒屋さんだった。

今のコンビニより全然品揃えもないながら、ノートもアイスも洗剤も売っていて、

ごめんくださーいって言うと、奥からおじいさん(とか、おばあさん)が出てきて

そろばんはじいての、レジ。

ちびまるこちゃんの世界そのものだった。

今はもうお店を閉めてしまった。

             

コンビニが台頭し、そういうお店がなくなっていった。

便利なんだけど

なんだけど、なんだけど、なんだけど。

・・・・・・

という感覚が、うっすら横たわっていていたんだな。

            

とくし丸くん、

お店の人と買い物するひとの距離が近いのが似ているんだ。

物理的な距離というよりは心理的な。

お天気の話なんかして、ちょっと雑談もあっての、

ほんとになんでもない(意味なくてもいい)会話が、いいんだ、こういうとき。

重くなく、でもゆるいつながり感もあって。

        

平和な風景だと思ったのはそういう事だったんだな。

雨の日も雪の日もあると思うけど、とくし丸くん、頑張って~