RE シャッコー レビュー
2020.05.26 09:40
今回のレビューは、1/100スケール リボーンワンハンドレッド より、
“RE シャッコー” です。
ザンスカール帝国軍・・通称ベスパの試作型モビルスーツ、
“ZMT-S12G シャッコー” が、
REとしては初のプレバン限定完全新規型キットとして発売されました。
MG、HGUCに続いて、とうとうREでもプレバンで完全新規型が発売されるようになってしまった・・
まぁ、時代の流れですかね。
もう最近はあまり拒絶反応も出なくなりました。
むしろ受注生産だから、注文すれば確実に手に入れられるという点では一般販売よりよいですからね。
というのは、一般販売だからとタカを括ってたらHGオリジンガンダムを買い逃してしまった者の弁です。再販まだかなぁ・・(悲)
話を戻します。
作品としての人気があまりないのか、キット化の機械があまり巡ってこない印象のあるVガン登場機。
それでも、さすがに主役機のガンダムはMG(Ver.Ka)とHGUCで、2番手のガンイージ系もほぼプレバンですがREで一通り発売。
とくに、ここ最近はHGUCでセカンドV発売、先のガンイージ系もプレバンでバリエーションを多数発売と、地味に盛り上がりを見せています。
ならば、そろそろ相手側のザンスカール系の登場もあるだろう・・と思われていたところに、まさかのシャッコーですよ。
あとあとの展開や知名度(そもそもザンスカール系MSの知名度なんてどれも似たようなもんだろ、という気もしますが)を考えれば、ゾロやゾロアットあたりが妥当かと思っていたところに、シャッコー。
意外なチョイスでした。
ただ、シャッコーは主人公、ウッソが最初に乗ったMSですし、そういう意味ではVガンにおける象徴的なMSの1つではあります。
しかし、アニメ放送当時に非発売された1/144シリーズ、HG1/100シリーズではともに未発売。
その後も当然のようにリメイクされることもなく、アニメ放送から実に27年の時を経て今回が初のキット化となります。
ザンスカール系の1/100スケールキットでは、先にいったHG1/100スケールのゾリディア以来、2つめ。
それでは、レビューしていきます。
キットはパチ組みに最低限の墨入れ、一部塗装と付属シールでの仕上げです。
まずパッケージと組み立て説明書。
今回、プレバンにしては珍しくパッケージ、説明書ともにカラーになっています。
ただし、機体解説などはありません。
では、中身に移ります。
比較的シンプルな曲線で構成されたボディに特徴的なネコ目(あるいはキツネ目?)。
ビームシールドから派生したビームローターを左腕に装備し、その左腕を掲げるような格好でを飛行する・・
F91に登場したクロスボーン系のMSもそれまでにないデザインで驚きましたが、また違った方向で衝撃を与えてくれたのがザンスカール系のMS。
物語が後半に進むにつれ、より奇抜なデザイン、非ミックを搭載した新型機が続々登場しましたが、それらの礎として、この試作機シャッコーの存在があったはずで、しかしそこに子供であるウッソに奪われ、しかも人並み以上に運用されていたことが関係していたらしいというのは皮肉な話でもあります。
なんというか、因果は巡るものなんだな。ガンダムらしい設定ですね。
RE化にあたり、プロポーションはある程度調整されていますが、とくに尖ったアレンジはされていません。
パネルラインなどのディティールの追加もほとんどなく、アニメ設定画の雰囲気から極端に変わっているということはないです。
設定画の時点でなかなか格好よかったですが、いくぶん小顔脚長になったぶん、さらに格好よくなりました。まぁ、あくまで主観ですが。
ほぼ全身オレンジのカラーリングは、特殊部隊イエロージャケットが試験を担当したからでしょうか? おかげで色分けもほぼ完璧です。
バックパックと一体になっている背面や、スカートアーマーのない股関節周りなど、意識的にこれまでの標準的なMSのデザインとの差別化が図られているように思います。
触角のような2本のアンテナに、独特なデザインのツインアイ(センサー)を備えた頭部も印象的。
目(センサー)の開閉はパーツの差し換え再現されています。
閉じた状態のスリット部分と開いている状態の全面をガンダムマーカーEX ロイヤルメタレッドで塗りました。
あと、アンテナ先端の赤はシールがあるんですが、ここもマーカーで塗っています。でも、下地が透けねますね。もっとしっかり塗らないとな。
ちなみに、ザンスカール帝国軍の通称、“ベスパ” はスズメバチに由来するといわれています(もっとも、スペルは違うようですが)。
このシャッコーの頭部デザインはカラーとも相まってまさにスズメバチっぽいんですが、どっちが先に決まったんでしょうかね?
というか、この顔が最近の仮面ライダーの顔に見えて仕方ない(笑)。
また、機体構造としてとくに異質なのが足首。
これは、ほかのザンスカール系MSでもあまり見られない構造なんですが、いわゆる足首は脛に固定されている状態で可動せず、踵のみが可動。
その踵に爪先にあたるパーツが接続されており、それがまた可動するという・・
非常に珍しいというか、なんでわざわざこんなことになっているのかさっぱりわかりません。
当然柔軟性には乏しく、少なくともキットとしては接地性もあまりよろしくありません。
あくまで試作機として、ビームローターによる大気圏内での飛行を主たる移動手段と考え、歩行機能はあまり重視されなかったとか、そういうことかもしれない。
正式採用機のリグ・シャッコーは普通の足首だったはずだしなぁ。
武装
試作型ビームライフル
専用装備ではなく、機体と同じく試験運用されていた試作品です。
劇中ではけっこう早い段階で失われ、以降はゾロ用のライフルやのちにVガンダムヘキサも使用するガトリングガンなどを装備していたもよう。
銃身中央の照準器(センサー部分はシール)の展開が再現されているほか、サブグリップが左右にスイングします。
保持には右銃持ち手を使用。左の持ち手は付属しません。
なお、ハンドパーツは親指が可動式でそれ以外の4指を交換するという、一昔前のMGの定番仕様。
これまでのREでは基本挟み込み式で、用途に応じてまるまる交換するタイプ(ガンイージでもそう)がほとんどだったと記憶してるんですが、なんでまたこのタイプに回帰したのか・・
実際、銃持ち手はグリップとのクリアランスがギチギチで、グリップ側に固定用のピンなどもないため、指パーツが非常に外れやすくかなりストレスです。