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オンラインセミナーの欠点

2020.05.26 22:47

オンラインでセミナーをやると、講師は、必ず気づくことがあります。

それは、対話における音の問題です。


動きの指導をした後に、参加者の先生が、他の先生が行っている動きを観察しながら指導するというのをやってもらいました。最初に私が、やり方の説明をしますが、それを聞いていたはずなのに、人に説明することは、かなり難しいというのを理解してもらいました。しかも、言葉だけなので、言葉の意味がもの凄く重要になってきます。

やってもらうことは、単純なことなのですが、伝える側は、もの凄く難しいと感じる訳です。


方法論だけを教えるなら、オンラインでも十分です。なぜなら講師が一方的に話しをするからです。これは、一対多であっても、ほぼ一対一の関係になります。しかし、参加者一人一人に投げかけて、その反応を伺うというのは、オンラインでは相当ハードルが高いというのがわかります。入ってくる音や画角の限界から、相手の反応が著しく制限されるからです。


きっとゴーグルをかけて3Dで表示されて、音声が多方向から入り、レイテンシー(音声遅延)がないような環境を全ての人に構築できる環境でないとオンラインでは、リアルのようにはいきません。

5Gの環境がととのえば、それができる環境が整います。あとは、デバイス(入出力の機器)の問題だけになります。

その問題さえ解決できれば、かなりリアルな内容に近づくかもわかりません。

日本の技術者も、かなりそれを研究しているので、今後の発展を待ちたいと思います。そうなるとメガネをかけるだけでバーチャルな現実が再現できるでしょうね。


このことを思うと、鍼灸学校の生理の先生を思い出します。黒板一杯に文字を書いて、本を読んでいるかのように一方的に話しをしていました。生徒は黒板の文字を書き写すのに必死です。

これなら、本読んだらええやん。授業に何の魅力もないなぁ~って思っていました。ある程度のレベルに達している人は、それでも良いのかもわかりませんが、はじめて生理学を学ぶ生徒にとっては、何のことかサッパリわかりません。


オンラインでの授業は、機器の能力から、それと同じような現象が起こりやすく、興味のない人に教えるのは不向きだとも思えたりします。逆に一対一や一対二ぐらいの少人数で行うには、オンラインでもかなり教えられますし、実感もしてもらえます。リアルな時より実感するのではないかと思える程です。感覚が不自由になることが、逆に能力を発展させるような気もします。これは、ホントに面白い現象だなと思います。だから普段あまり発言しないような方が、思わぬことを発言してくれるので質疑応答は、リアルより意見を聞きやすいという現象が起こります。


また、PCの画面では全体の人の顔が、25人までなら見えますが、スマホを使って参加している方は、数人しか表示されませんので全体像が見えません。つまり人によって入力情報における違いがあるということです。これが意外に厄介な問題です。

オンラインで授業をされている学校の先生は、本当に大変だろうなと思います。学校の授業なら、誰かが寝ながら聞いているとすぐにわかりますが、オンラインだと、それがわかりづらいので、自分の話しが面白いのか面白くないのかが直ぐにわかりません。


人に物を伝えるのは一方通行ではなく、多方向からの情報があってこそ成り立っているし、僅かな物音や表情の変化、その場の雰囲気が想像以上に重要だと言うことがよくわかります。普通なら要らないと思えるようなものです。しかし、それがあってこそ人と人との交流が生まれる場となるのだと思いました。これは新しい発見です。


一方的な話しであれば、YouTubeに動画をあげてもらって、後から好きな時に見た方がよくわかります。だから、ワザワザ、リアルタイムのオンラインにしてセミナーをする必要もないでしょう。

オンラインセミナーは、一方通行にならないようにしていく工夫が絶対に必要だと強く思います。