上小丸川漁業協同組合(KID Aの挑戦)
以来、令和の現在にいたるまで私たちアングラーがこの河川で継続して釣りを楽しむことが出来ているのは、代々この川と向き合ってこられた漁協の方々のお陰であることは間違いありません。
そして、縁は異なもの味なものと言いますが、私たちがとある若者と知り合ったのは、岩槻教授が開催してくれた宴席がきっかけでした。
20代半ばにして漁協の運営に携わる彼は、小さい頃からヤマメのことが好きでたまらず、高校卒業後は神奈川の北里大学海洋生命科学部に進学し、本格的にヤマメや、それを取り巻く生態系の研究に没頭します。
また、大学卒業後は地元に戻り、家業を継ぎながら地元のヤマメの研究を一生懸命行う内に、とうとうこの漁協の理事に就任します。
ちなみに漁協が設立以降、彼が最年少理事とのこと。
ところが、彼自身は釣り自体がそこまで好きなわけじゃないと語ります。
あくまで、ヤマメが大好きで、ヤマメをはぐくむ大自然が大好きなのだそうです。
そして、何より望んでいることは、漁協での活動を通じて地元が元気になってくれること。
過疎化、高齢化が進むこの地域をどうにかしたいという想いもエネルギーの源なのです。
もうすでに漁協の理事会で決定したそうなので書かせていただきますが、ここでは一つの新しい取り組みがなされようとしています。
それは、トラウトに関するキャッチアンドリリース区間の設置。
平成10年〜15年くらいまではここにあったらしいのですが、これ以降久しく途絶えていたものが近々再開されるようです。
これも彼の1つの夢。
「ニジマスも入れる?やっぱり大物がいた方が釣り人は喜ぶでしょ。」
「カワウ対策が大変なんですよ…。」
「あの有名な○○さんを呼んでさ、セミナーとかここで開催したいよね。」
「将来的にはどんなフィールドにしたい?」
「キャッチアンドリリースが徹底されて増殖を放流に頼らないで済むような川ですね。」
等々、話しは尽きません。
県内外から夜討ち朝駆けでアングラーがワクワクしながら訪れて、大事な休日に美しい思い出を刻むことが出来るフィールドになるように。
私たちアングラーがメモリアルな1匹が釣れた時にお気に入りのタックルを並べて写真を撮るように、彼らは彼らの地元に賑やかだけど品のある光景を作ろうとしています。
どうぞキャッチアンドリリース区間がオープンした際には、また普段のシーズンも、ここを訪れていただきたいと思います。
そして、成熟したアングラーの方ならば、彼らの努力に想いを馳せて、少しだけでも地域振興にご協力をいただけると嬉しいです。
最後に、彼の名前は長友智紀(ナガトモ トモキ)さんといいます。
今はまだ無名の''KID A''に過ぎない彼が、いつかこのフィールドの顔に、またこの地域を支える1人になれるように。
私たちもアングラー目線でこれからお手伝いをしてまいります。
<主な上小丸川エリア>
※通常、このサイトでは詳細な河川名やポイントについては一切お伝えしませんが、漁協活動のサポートについては、地域振興の観点から随時お知らせいたします。
(文・写真 KUMOJI)