無料でWebオペラ『ロメオとジュリエット』『魔笛』『蝶々夫人』『ウェルテル』|新国立劇場
【芸能報道】 令和二年五月二十九日より新国立劇場/日本芸術文化振興会は、「巣ごもりシアター」にマクミラン振付によるドラマティック・バレエの傑作『ロメオとジュリエット(写真上)』、アンコール配信『魔笛』、日本を舞台とした新国立劇場随一の人気作『蝶々夫人』、仏オペラの珠玉の名作『ウェルテル』が週替わりで無料配信する。
新国では四月十日よりオペラ・バレエ公演の計七作品を各週配信している。
五月最終週からの配信(六月五日まで)は 、バレエ『ロメオとジュリエット』。言わずと知れたウィリアム・シェイクスピア(甲子)の名作を英国が生んだ稀代の名振付家ケネス・マクミラン(己巳)がバレエ化した本作は、人間の永遠のテーマをドラマティックな振付で表現した新国バレエ団のレパートリきっての人気演目。
続く十二日までは、第一弾で配信したヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(丙子)の『魔笛』 をアンコール。正に“音の宝石箱”とも言える本作品は、耳なじみの良いメロディと幻想的なストーリから、世界中の多くの子ども達のオペラデビュー演目として親しまれている。アート界の巨匠ウィリアム・ケントリッジ(乙未)が映像を駆使して演出した本プロダクションは「世界中で最も哲学的」とオペラ芸術監督の大野和士も太鼓判を押している。
十九日までの配信作品 『蝶々夫人』は、イタリアの名作曲家であるジャコモ・プッチーニ(戊午)による日本を舞台にした作品。新国でも幾度も上演を重ねてきた。栗山民也(癸巳)が演出の本プロダクションは “決定版”とも言えるシンプルながらも美しいもので、毎年東京と関西で開催している「高校生のための鑑賞教室」でも度々取り上げている。
通常よりカメラを増やして撮影した今回の映像は、台湾・台中国立歌劇院にて去る一月に上映され、 好評を博した。
最終週の二十六日までは、世界各地の名歌劇場の舞台で名声を博すテノールのサイミール・ピルグと、その深い知性と感性溢れる精緻な歌唱で世界を席捲する名メゾソプラノの藤村実穂子が出演した ジュール・マスネ(壬寅)の作曲『ウェルテル』 を配信。ニコラ・ジョエル(癸巳)による演出は、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(己巳)原作の作品世界を美しく重厚に再現し、作中人物の心の機微や苦悩を丁寧に描き出したプロダクションだ。
尚、二十六日までの配信を以て「巣ごもりシアター」は終了する。
写真:文化庁