HG ザク・デザートタイプ レビュー
2020.06.05 09:30
今回のレビューは、1/144スケール ハイグレード ガンダムジ・オリジン より、
“HG ザク・デザートタイプ” です。
“機動戦士ガンダム ジ・オリジン MSD” より、
地上戦に特化したザクの局地戦バリエーションの1つ、
“MS-06D ザク・デザートタイプ” が
プレミアムバンダイ限定品としてHGで登場しました。
まだまだ続くオリジンのザクバリエーション・・ということで、待望のザク・デザートタイプの登場です。
相方(?)のザクキャノンについては、普通のザクにキャノン砲を付けただけのザク・ハーフキャノンが一般販売、その後プレバンで脚部以外の外装を変更したものがテストタイプとして発売、それからようやく本物(?)が来たかと思ったら緑色! と肩透かしを食らい続けている感じですが、こちらはどういうわけかなんのクッションも挟まずにすんなり来ましたね。
まぁ、あくまでMSD版なので、細部が本家MSVのデザインとは異なるのかもしれませんが、僕程度のものが見るぶんには十分な再現度だと思います。
それでは、さくっとレビューしていきます。
キットはパチ組に最低限の墨入れ、付属マーキングシールでの仕上げです。
腕部フレームなどに引き続きオリジン版ザクのパーツが使われていますが、脚部は防塵用のシーリングが施された膝関節や脛の内部フレームが新規。もちろん外装はすべて新規造形になっています。
頭部は、2本のロッドアンテナを備えた仕様もあったと記憶していますが、今回は通常のブレードアンテナタイプのみ。
ただ、新規ランナーには各所にスイッチが入っているため、今後なんらかの仕様変更アイテムは来るものと思われます。
プロポーションは安心のオリジン版ザクのバランスですが、ボリュームアップしたスパイクアーマーや、やや広くなった胸部コクピとハッチのおかげで原型機よりも数段マッシブな印象を受けます。
特徴的なバックパックや脛裏のスラスターなども細かいパーツ分割で立体的に再現。
色分けも、もともと色数の多い機体ではありませんが、リアアーマーのダクトまで分割されていたりとほぼ完璧。足りないとすると頭部バルカン砲周りくらいだと思います。
前腕など、ここは一体成型でもいいんじゃない? というような箇所もありますが、そのへんは原型機も同じでしたね。ごく細かい形状や配色の違いにも対応できる設計です。
つまり少なくともカラバリはある・・と。
今回・・というかオリジン系ではいつもなんですが、機体番号(?)やラインマーキングを中心にシールを貼っています。
頭部アンテナは、先にも言ったようにブレードタイプのみ。
こめかみの部分にはバルカン砲が増設されています。
モノアイはシール(これもマーキングシールと同じテトロンシールで、2種から選択式です)再現。
モノアイパーツも新規になっており、ちょっとわかりにくいですがレーンのディティールが追加されています。
さらに、首を左右に振ることで連動してモノアイも動きます。
ただこのギミック、MG的で面白いんですが、目線が顔の向きで固定されるというのがどうも・・
顔は右を向いてても、目線は左ということもありますしね。
付属武装
120ミリマシンガン
いわゆるザクマシンガンの改良型で、型式はM-120AS。
口径が120㎜なのは同じですが、地上戦を想定して銃身が全体に短くなっています。
銃口がラッパのように先端に向かって広がっているのが特徴なんですが、パッケージ写真および公式画像、そして説明書すら取り付け向きを間違えています。
そもそも逆向きにははまらないので、作る側は気付けるんですが・・バンダイにしては珍しい間違いです。
サブグリップと後部のストックが可動。マガジンも取り外し可能で、サイドアーマーなどのハードポイントにマウントすることもできます。ただ、予備のマガジンは付属しません。
保持には右銃持ち手を使用。グリップにはダボがあり、拳側のスリットに差し込むことでしっかりと固定できます。
ラッツリバー式3連ミサイルポッド
左前腕の増加装甲の上から装備する中型のミサイルポッド。
ミサイルを取り外したりはできません。
ポッドだけ取り外すことも可能ですが、取り付けには必ず増加装甲を介する必要があります。
右の前腕にもやはり増加装甲とセットで取り付け可能。その際は前腕の標準装甲の一部を取り外さなければなりません。
標準装甲のパーツは左右とも付属するので、両腕ともに増加装甲なしにもできます。
ラッツリバー式P-3 2連装ミサイルポッド
腰部サイドアーマーにマウントする小型のミサイルポッド。
可動式のグリップがあり、それを握って使用します。汎用持ち手で握れます。
ザクキャノンが装備するビッグガンを、うんと小さくしたような武装ですね。
こちらもミサイルの分離などはできす。
付属するのは一つきりですが、パーツの向きを変えることで左右どちらにも装着可能です。
SA-712 クラッカーポッド
対MS用手榴弾、クラッカーとそれの収納ケースで、腰部サイドアーマーにマウント。
蓋の開閉が可能で、内部のクラッカーも2つで一体成型ながら取り外すことが可能。
こちらは2つ付属するので、左右の腰に取り付けられます。
ヒートホーク
ハンドパーツなどと同じランナーに含まれる、オリジン版ザクシリーズすべてに共通で付属する格闘武装。
使用状態と未使用状態の2種が付属し、未使用状態のものは腰部サイドアーマーやリアアーマーのハードポイントにマウント可能です。
使用状態の保持には左右の汎用持ち手を使用。とくに固定用のピンなどはありませんが、そうそうすっぽ抜けるようなことはありません。
ハンドパーツはほかに左の平手が付属します。
しかし、そろそろ左銃持ち手と右平手を標準で付属するようにしてもらいたいものです・・
比較画像
同じHGジ・オリジンより、おそらく同時運用もされただろう、ザク・ハーフキャノン、ザクキャノン・テストタイプと。
本来ならテスト機じゃないザクキャノンと並べたかったんですが、そっちはまだ緑色のものしか出てないので、こちらと。
そろそろサンドカラーの本家も出してくれていいのよ?
デザートタイプ含めて同じ色かと思いきや、けっこう色は違うんですね。
しかし、こうしてジオン側は地上戦用機が充実してきているのに、連邦側のジムシリーズは宇宙用の機体ばかりというのがなぁ・・
普通のジムキャノンとか、アクアジムとか出ないのかな。
以下、画像
久しぶりのオリジン版ザクのキットですが、相変わらずよく動きます。
可動域については、同じオリジン版のジム系フレームには適いませんが、そのぶん細かいところにまで気が遣われている印象です。
モノアイの連動可動もそうですし、胸部ブロックの可動や、股関節のスイングとサイドアーマーのスライドによる脚部付けの可動域の拡大、足首フレームと踵の連動などなど、MG的な密度のある構造はジム系にはない要素です。
ただ、フレア状に広がる脛装甲の形状と大きめの靴というデザインの都合もあって、接地性はあまりよくありません。これは一年戦争期のジオン製MSの多くについて回る宿命のようなものですね。
股間に取り付けるアクションベース対応のジョイントパーツの仕様は基型からそのままですが、サイドアーマーやリアアーマーにあるハードポイントが汎用のディスプレイスタンドに使えるので、僕はもうだいたいそっちを使ってますね。
まぁ、地上戦用機であまり使うことはないけど。