さようなら あかまつ
本日6月6日、西本梅小学校のシンボル「あかまつ」を伐採、
および伐採の前にお別れの式典を開催いたしました。
昭和34年の移転開校の際、教員が移植したと見られるこのあかまつ。
60年以上もこの学校の子どもたち、教職員、そして地域の人々を見守ってきました。
昨年、松食い虫が原因で、残念ながら枯れてしまい、
そのままでは周りに病気がうつってしまうため、この度伐採するはこびとなりました。
今回の式典は、コロナウィルス感染拡大に配慮して
残念ではありますが、
必要最低限の告知のみとさせていただきましたが、
地域の方々が数名、あかまつの最後を見にかけつけてくださりました。
西本梅地域振興会が司会進行のもと、式典はすすみ、
長年、この西本梅小学校にお務めだった岡本先生、谷先生が
小学校の歴史や思い出とともにあかまつへの思いを語ってくださいました。
木造校舎だったころ、
学校の坂道を登って、玄関の横にあかまつはありました。
朝登校してくる子どもたちの元気な声で、あかまつも目覚めたことでしょう。
学校のマラソン大会では、学校の登り坂がまさに心臓やぶり。
最後の生徒が息絶え絶え登ってきたのを、
あかまつは優しく微笑んでくれていたでしょう。
あかまつが一番の晴れ舞台になるのは、入学式や卒業式の時、
緊張した式の後は、みんなであかまつの前に椅子を並べ記念写真。
その写真にはしっかり枝ぶりの良い立派なあかまつの姿が今でもたくさん残されています。
「思い出といわれても、ただあかまつはそこにたっているだけで、そこにあるのが当たり前でした。でも、西本梅小学校のシンボルでした。」
(谷先生の言葉より)
2015年西本梅小学校が廃校になった今でも愛され、
旧校舎で設立した西本梅地域活性化センターの愛称は、公募で「あかまつの丘 西本梅」と名付けられています。
あかまつの伐採は残念ですが、この愛称とともに人々のこころの中に生き続けてくれることでしょう。
そして、本日は悲しいことだけではありませんでした。
朝式典の開催前、枯れたあかまつのすみに生きる小さな「あかまつの芽」を見つけました。
その芽は立派な緑の葉をもち、たくましく生きていました。
伐採の悲しさばかりでなく、参加された皆さまに、少しばかりの励ましと喜びを与えてくれた このあかまつ2世。
今後大事に管理、育てていけたらと思います。
式典後、地域振興会の副会長と地域の有志によりあかまつは丁寧に伐採されました。
伐採されたあかまつは、看板等の木材として活用していけたらと思います。