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安田記念 紹介記事

2020.06.06 11:10

 この記事は、明日6/7(日)に行われる、GⅠ・安田記念を初心者向けに説明をする記事です。①安田記念ってどんなレース?②どんな馬が出走するの?の2章に分けて解説していきます。

それではさっそく①安田記念ってどんなレース?から参りましょう。



 ①安田記念ってどんなレース?

 

 安田記念は東京競馬場・芝1600mで行われるGⅠレースです。安田記念のレース名は、安田伊左衛門という方の功績をたたえて名付けられました。安田伊左衛門は、明治・大正・昭和を駆け抜けた軍人・政治家でありながら、競馬にも深くかかわり、先週第87回が開催された日本ダービーの創設に関与したり、JRAの初代理事長に任命されたりと「日本競馬の父」と呼ばれました。

 

 ちなみに○○記念という名前のGⅠとしては有馬記念が著名ですが、この有馬とは有馬頼寧のことで、こちらはJRAの第2代理事長で、競馬の大衆化に寄与した人物です。野球のオールスターゲームに範を取って(有馬氏は東京セネタースという球団のオーナーでもありました。東京セネタースは現在の北海道日本ハムファイターズの源流にあたるチームです。)1956年にファン投票で出走馬を決定する「中山グランプリ」というレースを実施しました。ところがその19日後に有馬氏が急逝し、1957年からは有馬氏の功績をたたえて有馬記念とレース名が改称され、現在でも「年末の風物詩」として絶大な人気を博しています。

 

 こうして競馬が今も続いていることを思うとこの両名には感謝してもしきれないものがありますね。

 

 さて、安田記念ですが、「春のマイル王決定戦」とよく呼ばれます。マイルとは1600mのことで、競馬の中心距離の一つです。特に最近ではスタミナよりスピードに特化した馬が種牡馬としても成功する傾向もあり、マイル戦の重要度も増しています。

 

 今年もGⅠ馬10頭が集結する大注目のレースになっていますが、中でも注目はアーモンドアイですね。前走のGⅠ・ヴィクトリアマイルで歴代最多に並ぶGⅠ7勝を達成し、今回勝てばディープインパクトやキタサンブラックなどを抜いて、新記録となるGⅠ8勝となります。

 一方で安田記念は過去10年で5回、7-9番人気の馬が勝利するなど伏兵の台頭が目立つ1戦でもあります。

 

 アーモンドアイがGⅠ8勝を達成することができるのか、はたまた他の強豪が待ったをかけるのか注目です。



 ②どんな馬が出走するの?

 

 それでは今回出走する馬たちを紹介します。今回は有力馬2頭、アーモンドアイとインディチャンプをまず紹介します。次に簡潔に他のGⅠ馬8頭を紹介し、最後に残りの4頭を紹介します。詳しくはJRAのHP等でご確認ください。

 

 では、有力馬2頭から参りましょう。


 4枠5番 アーモンドアイ

 

 ☆戦績:12戦9勝。内GⅠ7勝。

 

 現役最強馬と言ったら多くの人がこの馬を思い浮かべるだろう。3歳時に牝馬3冠+ジャパンカップ、4歳時にドバイターフ、天皇賞(秋)、そして5歳になり前走ヴィクトリアマイルを制し、歴代最多タイのGⅠ7勝目を飾った。そのヴィクトリアマイルの最後はほぼ流したままで2着馬に4馬身差をつける圧勝だった。

 今回はメンバーも強化されるが、この馬の力を出し切れれば新記録となるGⅠ8勝目はおのずと見えてくる。

 

 ☆ここに注目!

 

 ○レーススタイルは「先行」or「差し」。前走では好スタートから4番手につけ直線楽々と抜けだした。理想はそのような「先行」だが、ある程度後ろになっても自身の持つ末脚を発揮できれば十分差し切れるだけの力は持っているだろう。


 ○騎手はC・ルメール。ここ3年は年間最多勝騎手に輝いている。アーモンドアイとのコンビではGⅠ7勝を挙げている。この馬には「特別な存在」と語るほど惚れ込んでいる。頼れるパートナーを信じ、能力を全開にさせたい。


 ○不安点は、まず昨年の安田記念で3着に負けていること。ただこれはスタート直後に不利を受け後方からのレースとなり、直線でも進路をふさがれてのもの。それでも負けてなお強しのレースを見せたが、一方で競馬に絶対はないことを改めて感じた。ちなみにアーモンドアイが負けた2つのGⅠは安田記念と有馬記念で、人名+記念と名の付くGⅠレースとはどうも相性がよくないのかもしれない。

 また、前走ヴィクトリアマイルから中2週でのレースとなることも不安ではある。この馬は1戦1戦能力を出し切る真面目な馬だけに、これまではある程度間隔をあけて次のレースを使ってきた。前走のヴィクトリアマイルがいくら楽なレースだったと言っても、やはりレースにはレースの負荷があり、暑い季節にもなってきているので、コンディションの面で見えない乱れがあっても不思議ではない。

 そうはいっても能力は抜けていて、無事に走ればGⅠ8勝は見えてくるだろう。


 4枠6番 インディチャンプ

 

 ☆戦績:15戦8勝。主な勝鞍はGⅠ・安田記念、GⅠ・マイルチャンピオンシップ。

 

 昨年の安田記念でアーモンドアイを破ってGⅠ初制覇を飾った。その後、「秋のマイル王決定戦」GⅠ・マイルCSも制しマイル王の座を確固たるものとした。

 前走のGⅡ・マイラーズCも貫録の勝利で意気揚々。昨年の覇者が今年も満を持して安田記念に参戦、堂々とチャンプ防衛を果たせるか。

 

 ☆ここに注目!


 ○レーススタイルは「先行」or「差し」。最近はある程度「先行」してそのポジションから差し馬のような鋭い末脚を発揮するレースを身につけてきている。


 ○昨年の安田記念は当時7連勝中、内GⅠ5連勝中のアーモンドアイを撃破した。アーモンドアイに不利があった一方でこの馬はスタートを決めて好位から鋭い脚を見せた。会心のレースだったといえるだろう。その後もGⅠを勝っているだけに地力は本物で今年も大物食いを目論む。


 ○騎手は福永祐一。先週のGⅠ・日本ダービーをコントレイルと制した。昨年の安田記念でこの馬を勝利に導いたのもこの騎手だった。


 残りのGⅠ馬8頭の紹介は以下の通りです。

 

 1枠1番 ダノンプレミアム

 2017年朝日杯FS勝ち馬。昨年はGⅠ・天皇賞(秋)でアーモンドアイの2着、GⅠ・マイルCSでインディチャンプの2着と惜しいレースが続いているがここで久しぶりのGⅠ制覇を挙げたい。

 

 3枠3番 ノームコア

 2019年ヴィクトリアマイル勝ち馬。昨年のヴィクトリアマイルでは1:30.5のコースレコードを記録。東京マイルは3戦2勝3着1回と得意の舞台でどこまで。

 

 5枠7番 ペルシアンナイト

 2017年マイルCS勝ち馬。2018年マイルCS2着、2019年マイルCS3着と「秋のマイル王決定戦」は得意。「春のマイル王決定戦」でも力を見せたい。雨は歓迎。

 

 5枠8番 ケイアイノ—テック

 2018年NHKマイル勝ち馬。NHKマイル以来約2年間勝利から遠ざかっているが、同じ東京マイルGⅠの勝ち馬としてかつての輝きを取り戻せるか。

 

 6枠9番 アドマイヤマーズ

 2018年朝日杯FS、2019年NHKマイル、香港マイル勝ち馬。GⅠ3勝はアーモンドアイに次いで現役で2位タイ。マイルGⅠ3戦3勝の生粋のマイラーが春のマイル王へ邁進する。

 

 6枠10番 ミスターメロディ

 2019年高松宮記念覇者。1200mのGⅠ馬だが2018年のNHKマイルでも4着と差のない競馬は見せていた。久々のマイル戦でアッと驚く激走を見せたい。雨は歓迎。

 

 7枠11番 グランアレグリア

 2019年桜花賞馬。前走1200mのGⅠ・高松宮記念でも僅差の2着に入った。スピードは現役馬屈指で新世代の女王へ駆けあがる。

 

 7枠12番 セイウンコウセイ

 2017年高松宮記念勝ち馬。1200mのGⅠ勝ち馬で、1600mのレースは約4年半ぶりの出走となるが、果敢な先行策でしぶといレースを見せたい。

 

 最後に、GⅠ馬ではないが力のある4頭を紹介します。

 

 2枠2番 ダノンキングリー

 重賞3勝、GⅠ・日本ダービー2着があり前走GⅠ・大阪杯3着と能力はここでも上位。悲願のGⅠ初制覇を果たせるか。ケガから復帰した戸崎騎手にも注目だ。

 

 3枠4番 クルーガー

 ベテラン8歳馬。前走でGⅢ・ダービー卿CTを制覇と能力は健在。古豪の意地を見せられるか。

 

 8枠13番 ヴァンドギャルド

 重賞勝利はまだないが2歳時から素質を見せてきた。前走GⅡ・マイラーズCで3着と力はつけてきた。2000年生まれ、弱冠20歳の岩田望来騎手が大波乱を起こすか。

 

 8枠14番 ダノンスマッシュ

 重賞5勝。内4勝は1200mでのものだが前走は1400mのGⅡ・京王杯SCを制した。距離延長や大外枠は課題だが前目に位置を取って粘りこみたい。

 

 現時点(前日20時)の単勝オッズは

 1番人気 アーモンドアイ 1.4倍

 2番人気 インディチャンプ 7.5倍

 3番人気 グランアレグリア 10.7倍

 4番人気 ダノンキングリー 11.6倍

 5番人気 ダノンプレミアム 12.7倍

 6番人気 アドマイヤマーズ 14.1倍

 ……

 と続いています。

 

 どの馬が勝つのか目が離せません!

 それでは明日の安田記念をお楽しみに!最後までご覧いただきましてありがとうございました。