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(社)全日本空道連盟 大道塾静岡西道場

虚空遍歴

2020.06.08 14:18

 僕はあまり読み達者ではなく、

とくに時代小説については門外漢、と恥じ入っている。

 それでも「泣けるお話——映画や小説や音楽を教えてください」と言われたら、

真っ先にあげるのが、山本周五郎「虚空遍歴」である。

 江戸中に端唄の名手として知られる青年が、

もっと人を感動させる浄瑠璃を作りたいと考えて修行するものの、

失敗に次ぐ失敗をする。

 それを間近でみているひとりの女性が、報告するという体の

物語だったと思う。

 夜中に読んでいて、嗚咽を押し殺していたものの、

当時同居していた弟が目を覚まし

「ばあさんが死んじゃったのかと思った」というほど、

わんわん泣いてしまっていたことを思い出す。

 今日も道場にくる空道家たちは、

みないろいろな希望を、抱いて生活しており

すべてがかなったらいいと思って、

僕も全力で、応援しているつもりである。少なくとも、道場においては。

 日々たくさんの障害があると思う。

 でも、≪純粋でありたい≫という、ある種の狂気をはらみつつ

なにかを続けていけば。