眠れない夜に
2020.06.08 14:42
ブックカバーチャレンジ 3冊目
「絵のない絵本」
アンデルセン 著 大畑末吉 訳
寝つけない真夜中に読みたくなる。
「孤独な絵描きの青年が、ある夕方
ふと悲しい気持ちになって
窓から外を見上げる。」
ふと悲しい気持ちになる、
そんな時間も大切。
青年を慰めるため、
月は優しく語りかけ、
世界中で見てきたことを
毎晩話し聞かせてくれる。
私のお気に入りは、第十六夜。
気高い魂とは裏腹に
醜く生まれついた天才道化師と、
彼が愛する美少女と、
その恋人の物語。
切なさと笑いは表裏一体でも、
拍手喝采する観客は
芸人の背景なぞ知る由もない。
どの物語も短く、
心情を詳しく語らない。
その余白のおかげで、
読み手は自由に思い描ける。
イタリアの即興演劇
コンメディア・デッラルテや、
北欧神話を元にしていたり、
旅、夢、異国ロマン。