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八丁堀のオッサン

V字回復は探査機「あかつき」に学べ

2020.06.08 19:14


 このところ、日没後の西の空にひときわ目を引く星があります。それは、金星です。晴れた日に目にする輝きは格別で、「宵の明星」の異名は伊達ではありません。世界各地で、愛と美の女神の象徴となったのも頷けます。  

 ただ、金星の大気圏の環境は過酷なようです。たとえば20世紀なかばに発見された「スーパーローテーション」は、秒速100メートルもの暴風が吹き続ける現象です。そのメカニズムを解明したという発表があったのは、1週間ほど前のことです。  

 この発見には、日本の探査機「あかつき」のデータが役に立ったといいます。2010年5月、「あかつき」は種子島宇宙センターから打ち上げられました。同年12月には金星の周回軌道に入る計画でしたが間もなく主力エンジンが故障し、計画は失敗したと一時はみなされていました。  

 しかし、別のエンジンを転用することで5年遅れながら周回軌道に入ることに成功したのです。それが、今回の成果に繋がっています。  

 コロナ禍の広がりで今、地球は大変な状況に見舞われています。だからこそ、コロナ禍に打ちのめされた経済を初めとして宇宙のかなたで奮闘する「あかつき」の奇跡と呼びたくなるような復活劇に学びたいものです。  

 今求められているのは「めげない」「挫けない」「諦めない」という気持ちを持ち続け、 知恵と工夫を怠らないことでしょう。経済の「V字回復」のためには、その3つの精神と 知恵の活用しかないでしょう。