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ファンデーションの色 - イエローオーカー

2020.06.12 04:00

英語の「オーカー(ocher)」は、フランス語では「オークル」といい、女性にはファンデーションの色としておなじみですが、

これらは黄色い土「黄土」のことで、「黄土」から作られた顔料の色を「イエローオーカー」といいます。


土は古くから顔料として使われており、多くが色の名前として、今も用いられています。

「ローシェンナ」や「バーントシェンナ」は、イタリア トスカナ地方で採掘される赤みの土の色のことで、

「ローアンバー」や「バーントアンバー」は、同じくイタリアの、ウンブリア地方の黄みよりの土の色のことです。

洋画に使われる油絵の具ではおなじみの色名ですね。

「ロー」には、「そのまま」という意味があり、土の色がそのまま顔料の色になっている様子を表しています。

また、「バーント」は「焼いた」という意味のとおり、土を焼いて顔料の色を濃くしたもののことだそう。


日本では、日本画の代表的な顔料である「黄土色」の他に、

赤い土の色のことを「赭(そお)」や、赤土に含まれる酸化鉄から作られる顔料「代赭(たいしゃ)」などがあります。


洋の東西を問わず、古くから土は顔料として用いられているようですが、

「そもそも顔料って?染料と何が違うの?」という疑問は、「今さら聞けない」のあるあるかもしれません。

もともとはどちらも"色のついた粉末"ですが、溶剤に溶ける着色剤が「染料」、溶けない着色剤が「顔料」です。

「染料」から作られたインクは、紙に染み込んで着色し、「顔料」から作られたインクは、紙の表面にくっつく(定着する)ことで着色します。


プリンターや、ボールペン、サインペンのインクにも、「染料インク」のものと「顔料インク」のものがあります。お手持ちのプリンターや筆記具には、どちらのインクが使われていますか?

 それぞれに色再現や耐久性などに特徴がありますので、用途に応じてチョイスするのも良いですね。

(SATOMI)