植物ラテン語事典
2020.06.10 07:35
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yarrowヤロウの和名はセイヨウノコギリソウ。学名はAchillea millefolium。Achilleaアキレア=攻撃から身を守る指揮をしたギリシャの戦士アキレウスに由来。millefoliumミレフォリウム=千枚の葉。たくさんの葉の意。
薬草のハーバリストとして勉強をするなら学名を学ぶことが欠かせません。昔、学びはじめの頃は、英名、和名、イタリア語、フランス語それぞれの名称を調べておぼえるのに時間を使って楽しんでいましたが、今はネットで検索すればパッと答えがでてくる時代。そっけないけれど便利になりました。学名も簡単に検索できるようになりましたが、これは別。そのラテン語には植物の性質や秘密が記されているので、植物を扱うものにとってとても素晴らしい道具なのです。
植物が医薬の原料だったのはつい200年ほど前までのこと。医師や薬剤師が植物を正確に区別するために18世紀の植物学者カール・リンネがラテン語の植物命名法(二名法)を導入しました。植物学のラテン語の学名は、世界共通の言葉です。言語が違う本でも翻訳された本でも、ハーブ名が一致せず探しにくいときにも学名を知っていればすぐにわかるので私も何度もたすかりました。とても重要な知識のひとつだと実感しています。
大槻真一郎先生の『医薬・薬学ラテン語』でずいぶん学ぶことができましたが、文字びっしりなので本読み苦手の人にはすすめられずでしたが、昨年、きれいな本をみつけました。英国王立協会リンドリー博物館所蔵の美しい植物図版とはじめてでもわかりやすい内容の植物ラテン語事典。学名を学びたい方におすすめです。
『植物ラテン語事典 ヴィジュアル版』ロレイン・ハリソン著/原書房
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