動物愛護管理法改正
昨年成立した法改正が2020年の6月から施行されました。
今回かなり大がかりな改正でしたので、行政機関に問い合わせの上、当犬舎に関係する部分を確認整理してみました。(間違っているところも有るかもしれません)
今回の法改正に於いては、動物取扱業者への規制と動物取扱責任者資格取得要件の強化、また多頭飼育や、飼養管理を行う者を限定せずに、不適正飼養に起因して動物が衰弱する等、虐待のおそれがあると認められる場合には都道府県知事等による立入検査が出来るようになりました。
これは動物取扱業者に限らないという事で一般家庭にも同じです。
大きなところでは罰則の強化です。
動物を殺傷した場合は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金
動物を遺棄・虐待した場合は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
動物取扱業者には登録の欠格の要件が強化されました。
いずれもとても重い罰則です。
動物取扱業にスポットを当ててみますと、特に大きな規制が二つありました。
これまでも販売する動物には対面での確認と説明を行う義務がありましたが、その部分について、これまでは、移動販売のような形、動物を輸送して遠隔地での代理業者による説明等が法の抜け穴として認められて来ましたが、6月からは動物取扱業者の事業所以外で対面しての説明と確認は禁止とされました。
この部分については、必ず譲受者が動物取扱業者の事業所、つまり現地まで行かなければならないという事で、違法に販売をすれば罰則も有り、これからの動物取扱業者は交通の利便性や立地条件まで考える必要も有るのかもしれません。
動物取扱業の登録では、その前段階として動物取扱責任者資格の取得がありますが、こちらも厳しくなりました。
これまでは、下記の要件のうちどれかを満たせば取得できました。
1.当道府県の指定する一定の資格を持つこと
2.営もうとする第一種動物取扱業の種別と同一種別での半年以上の実務経験があること
3.営もうとする第一種動物取扱業の種別に係る知識及び技術について1年間以上教育する
学校法人やその他の教育機関を卒業していること
今年の6月からは1.3.のどちらかを必須2.を必須とする要件になりました。
既に2.の要件での実務経験による登録を受けている動物取扱責任者は、猶予期間内に1.または3.の要件を満たさなければならないという事です。
具体的には実務経験を資格要件としている動物取扱責任者は、令和5年5月31日までの猶予期間内に1.の資格等を取得し、要件を満たさなければなりません。
当犬舎でも、例として移転に伴う廃業の後の再取得、再登録の場合はどうなるのだろうかという疑問があり、実際に行政機関に問い合わせを行いました。
過去の登録の有無に関わらず、今年の6月以降に新しく登録を受ける場合には、1.3.のどちらか且つ、2.の要件を満たさなければならないという事です。
1.については各都道府県によって資格の指定があり異なるようです。
2.については、業として行われていない飼育は実務経験としては認められない。
つまり一般家庭で飼っていただけでは期間に関係なく認められないという事です。
勤務の形態は常勤で有る事、これはパートやアルバイトは認められない方向性のようです。
また、実務経験の従事証明書だけではなく、勤務実績や給与明細等の提出を求められる事もあるようです。
動物取扱責任者としての実務経験は再登録の際には有効であるが、実際に過去の登録の有無や、その期間等についても確認調査が入るとの事でした。
条件としてはかなり厳しいですが、罰則も含め、それだけ悪質な動物取扱業者や経験や知識が乏しく適正な運営を行えない業者が多く、結果として不幸な動物が多くいる、今回の法改正はそこに踏み込んだものだと思われます。
当犬舎は法改正後の要件も満たしておりますので、特に問題はありません。
2022年にはマイクロチップの装着義務も施行となり犬を取り巻く環境も大きく変わろうとしています。