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いつか、夢で。

2020.06.13 05:54

ベットの中で抱き締めたのは多分間違いなくあなた。


マルーン5の流れる六畳のマンションで、そう外は雨なんかが降っていて。


そう、あなたは「なんだ雨降ってるんじゃん」とか言ったりしてさ。


ちょっとだけ、嫌な顔をするんだけどまんざらそうでもないの。


あなたは枕に目一杯顔を埋めて苦しそうなんだけど、極めて規則正しい寝息をたてている。


髪、少し伸びたかな?なんて世界で一番近いところであなたの寝顔を眺めたり。


通った鼻筋とか、長い睫毛だとか、少し薄い唇なんかを誰より近くで眺める。


折角の休みなんだしどこか出かけない?なんて、私たち二人には愚問。


一緒に過ごして、目覚めたら決めたらいい。


何だか幸せでくすぐったい。


ああ、こんな気持ちなんて言うんだっけ?

 

会社のあなたは雨なんか気にしないし、休日の朝を私と迎えたりしない。


そもそも。


ベットであなたが抱き締めるのはこの先、永遠にさくらさんだけ。

 

「城ヶ崎、こないだは出産祝いありがとな。さくら本当お前にはかなわない、って笑ってわ。」


「あら、まださくらさんなんて呼んでんの?」


「いや、大野が大野とは呼ばないだろ?」


「何言ってんの、名前で呼びなさいよ。」


まったくどんな天然チャンなのよ。


横恋慕なんてみっともない、私はあなたの大切な彼女も大切なの。


「じゃあ営業出てくるわ。」


「せいぜい頑張って来るのよ。」


あんな甘ちょろい男。


だから言わないの。


そんな夢を見たなんて、誰にもいわない。