「宇田川源流」 ちょっと日本の与党の政治情勢を見てみれば弱者連合が出てきていることに気づくのではないか
「宇田川源流」 ちょっと日本の与党の政治情勢を見てみれば弱者連合が出てきていることに気づくのではないか
最近日本の政治に関しての投稿をしていなかったようだ。まあ、日本の政治に関しては、あまりしっかりと見ていなくても、そんなに大きな違いはないので、どうでもいいといえばそれまでである。実際に、「政策論争」がしっかりとなされていれば、それは見ていなければならない。
政策が二つあって、その折衷案ができるというような場合でも、どことどこを妥協するのかによって、全く政策そのものが変わってくるし、また、一つの法律や予算を変えれば、当然に、他の法律や予算も変えなければあらない。日本の場合はすでに4万を超える法律があるのであり、どの法律も様々な法体系のなかの系統に属し、そのうえで、相互に関連するようになって、網の目を狭くしているのである。よって、審議されている内容が変化し法案が変われば、他の影響の出る法律や政策が出てくることになる。政策を中心に考える場合は、その政策が「社会主義的」なのか「保守的」なのかということも見ながら、審議の行方を注視しなければならない。
しかし、現在の日本の政治は「政策」ではなく「政局」で遊んでいるだけのことであり、なおかつ、政治ジャーナリストといわれる人も、まともに政策を語れる人が少ない。これではだれがやっても同じになるし、また単なる印象操作と同じになってしまう。当然に選挙も、それが国政選挙であっても地方選挙であっても、単純に固定票と浮動票による人気投票にしかならず、話にならないのである。
まあ、それでも、弾にジャーナリストのまねごとをするのであれば、政局に関することも書かなければならないので、ある程度の知識はしっかりとあるが、これも、現在のマスコミの人々は「思い込みと自分のエゴ」でしか話をしていない。思い込みは先入観でしかなく、それも、秘書官などの前の肩書の所属などからの類推でしかないし、また、自分のエゴは単純に希望的観測を振り回しているだけで、まともに取材をしているとは到底思えないような内容ばかりである。まあ、それで「政治ジャーナリスト」を名乗れるのであるから、ある意味で楽な商売なのかもしれない。
石破氏と二階氏関係アピール
自民党の二階俊博幹事長は11日、石破茂元幹事長ら党内の「ポスト安倍」候補と、相次ぎ顔を合わせた。安倍晋三首相の求心力低下がささやかれる中、「次」を見据えた動きとみられる。党内は実力者の動向に目を凝らしている。
二階氏は、党本部で開かれた議員連盟の会合で、石破氏と同席。政局的な発言はなかったものの、9月に予定される石破派パーティーで二階氏の講演が決まった直後だけに、両氏の接近を印象付けた。
石破氏はこの後の石破派会合で、8日にも二階氏と面会したことを紹介。「『政策集団としての役割をきちんと果たすんだ』と幹事長も言っていた。われわれは率先してその役割を果たしたい」と述べ、二階氏との良好な関係をアピールした。
二階氏はまた、下村博文選対委員長や稲田朋美幹事長代行を中心とする議連の会合にも参加。この議連は「ポスト安倍」レースをにらんだ動きと目されており、二階氏は「思い切って前進するように頑張ってください」とエールを送った。
新型コロナウイルス対策をめぐる不手際や、賭けマージャンによる黒川弘務前東京高検検事長の辞職などで、首相の政権基盤は揺らいでいる。二階氏としては、次の内閣改造・党役員人事や、その先の党総裁選に向け、「先手を打つ」(関係者)ことで存在感を高める思惑が透ける。
一方、首相の「意中の人」とされる岸田文雄政調会長に対し、二階氏は反りが合わないとされる。二階氏周辺は「世論調査で人気がない岸田氏を、二階氏は評価していない」と明かす。
岸田氏が主宰する「新国際秩序創造戦略本部」も11日、党本部で会合を開いたが、二階氏は出席しなかった。 【時事通信社】
2020年06月11日 18時47分 時事通信
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12145-691677/
いつもは野党批判で終わってしまうのであるが、久しぶりに与党の中の話をしてみることにしよう。
それにしても、日本のマスコミの報道はあまりにも「思い込みと自分のエゴ」が強すぎる。ちなみに、3年前の総選挙以降、毎年2回から3回「選挙だ」といわれてきたが、全くその気配もない。解散総選挙というのは、少なくとも日本国憲法上首相だけに許された大権であり、それ以外の人が憶測で語るようなものではないが、政治ジャーナリストの皆さんや新聞や週刊誌の皆さんからすると、何とも軽い、連続ドラマの予告編くらいのものでしかないように見える。まあ、逆に言えば、それだけ「取材もしていない」し「選挙の大変さもよくわかっていない」ということである。単純に国会の中の雰囲気しか知らないから、間違ったことを書いていても全く恥ずかしいとも思わないし、また、言論が無責任なので全く関係ないようである。
さて、そのマスコミが書いているのが「ポスト安倍」である。少なくとも安倍首相本人は、「4選はしない」といっているので、来年の9月で人気がくることになる。もちろん、例えば憲法改正をして、数カ月でその結果が出るというときになれば、または、米中で戦争が始まるなど国際的な大きな変動があった場合などは、様々な問題が出てくるのであろうがしかし、そうでなければ、つまり、平時であれば、来年に向けて「ポスト安倍」の問題になることは間違いがない。
安倍首相は岸田文雄政調会長を後任といっているが、コロナウイルスの件でそのような雰囲気はなくなってしまっており、自民党内において、ポスト安倍の策動は水面下で行われている。
その中で、石破元幹事長と、二階幹事長とが接近しているという話を聞く。石破氏は、毎回安倍の対抗馬として総裁選に出ているものの敗北しており、また、自民党にいながら自民党の政治を内部で言うわけではなくマスコミで批判する手法に対して、自民党の人々はかなり嫌気がさしているが、ある意味で「中道保守層の安倍首相に批判的な人々」の受け皿的な存在になっている。そこに、元野党で小沢一郎などと一緒にいた経験のある二階幹事長が接近した形である。まあ、小沢と一緒にいたということや自民党から見れば出戻りの外様であるということで、政策的にも近しいものがあるのであろう。
さて、題名で見てわかるようにこれが「弱者連合」であるということはすでにわかると思う。「中道保守層」の多くは、宮澤喜一内閣の時に、小沢一郎と出て民主党政権になった時に、新生党(懐かしい)や民主党に出て行ってしまっている。自民津支持層で中道保守そうなのは、民主党政権以降に自民党員になった人か、あるいは古くからいながら宏池会(語弊はあるが岸田派)か清和会(語弊はあるが安倍派)である。つまり、「中道保守で安倍首相に批判的な人々」というのは、地方議員の後援会か民主党政権移行の自民党員以外には、ほとんど野党保守層または無党派層となってしまっている。自民党の総裁選でしかないので、自民党員が主流であるにもかかわらず、そのように数の少ない党員の僧を狙って受け皿になっても、マスコミが騒ぐだけで実質的な票数にはカウントされないのである。
一方二階幹事長にそれだけの力があればよいが、実際に二階幹事長は高齢で病気がち、現在選挙があっても全国行脚できるような状況ではない。金だけで動かすつもりかもしれないが、実際には、小沢一郎がそれで失敗していることに学んでいないとしか言いようがないのである。
このように考えれば、「マスコミと無責任な政治ジャーナリストの幻影」に取りつかれた人々でしかなく、そのことが総裁選の票数にかかわるとは思えないのである。
このように見てゆかなければならない。まだ小泉進次郎が人気があるうちならば、その人気に頼ることもできたが、環境大臣になって馬脚を現した状態ではうまくゆかないのである。
上記の政局記事を読んで、そのように背景の票数などが見えてくる人は、政治のセンスのある人、そうでない人は、少なくとも直前まで総裁選については語らない方が恥は書かないかもしれない。