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腰痛って腕から?

2020.06.14 22:52

友人が、バカ貝取りの手伝いに行ってあまりにも取れすぎたと言って、腰を痛そうに歩いてきました。 今年はかなり、取れるらしく、高齢化した漁師がアルバイトとして頼んだそうです。


様子を見てみると、座るのにも大変そうで前屈も後屈も歩くのも辛そうにしていました。場所は海です。もちろん鍼も何も持っていません。


さて、どうしましょう。 


腕を使って腰に痛みが起こったと考え、腕の調整から入ることにしました。腕の緊張からくる腰の異常は普通に考えて当たり前のことですから、何も考えずに右手を触りました。 

肘を触ってみると、内側の小海の内側あたりに強烈な緊張があり、軽く触るとゾクゾクするような違和感と圧痛です。それと上腕ニ頭筋と三頭筋にも一部にスジのような緊張があり、腕全体がパンパンです。


そうなると回転の法則から手首の橈側や親指の先にも異常があらわれます。母指先と示指先も軽くつまむとかなり痛がります。

筋肉疲労で痛めた腰痛は、上腕が大きなカギです。腰腿点が手の甲にあるのも意味はわかりますが、そこだけで勝負できる状態は限られていますし、時間もかかります。 

もし、腰腿点を調整のポイントにするのなら、手からくる腰のイメージがしっかりできあがっていないと効果はでません。何度も言っているように穴が効くのではなく、イメージがしっかりできているかどうかで効果があります。


手で数回軽くなでると圧痛が一瞬でなくなります。空気を撫でるような感覚で十分です。それで手首の動きも肘の動きもよくなりました。これだけの刺激でも強烈な腰の痛みは軽減しますが、もう少し追いかけてみることにしました。

すると肩甲骨の下部、大胸筋、鎖骨中央から外側にかけての肩鎖関節の動きも悪いので、肩甲胸郭関節にも問題があります。これでは呼吸も不完全です。


軽くなでて、肩甲骨を後に軽く動かします。皮膚を揺らす程度で十分です。みるみるうちに上肢の緊張がとれ、固まっていた上肢が動き出しました。 この状態で腰を動かしてもらうと、あきらかに違いを感じたみたいです。

数分の出来事です。しかし、最後に残るのは、腰方形筋周囲です。腰方形筋は深部の筋肉なので直接触れることは常識的にも難しいと思います。そこで長い鍼を使って腰方形筋を狙ったりする訳ですが、本当にそんな手技が必要なのかは疑わしい。  


解剖の図を見てみるとわかりますが、腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋が異常緊張しているのだとわかります。なぜ腰方形筋のような深部の筋肉にアプローチすることばかりを考えるのか意味がサッパリわかりません。 

その前に表層に腹部の筋緊張があるでしょ? 

って思います。 


そもそも脊柱に近い筋肉ってそんなに動くのですか?

深層の筋肉の役割は、内圧を高めて、表層の筋肉に作用させることで力を出しているはずです。

つまみあげるように触ると圧痛があります。この圧痛は、側腹部から下腹部までつながっています。やはり腹部の筋群の異常緊張は見過ごせません。またこれらの筋肉は、肋骨と骨盤にくっついています。肋骨と骨盤の距離を縮めたりする訳ですから、当然、腰痛に関係するのは間違いないはずです。 


腰痛を起こすとお腹に無用な力が入るのを観察できますが、防禦姿勢なんだと考えると辻褄があいます。当然ですが、この緊張は大腿後側を通って膝の後内側にいき、下腿後側にも影響します。 それが足首の動きも変えてしまい歩行時に変な歩き方になってしまう訳です。


追いかければ更に様々なところが異常を起こしているのはわかりますが、数分の調整で前屈も後屈もできるようになった訳ですから、この刺激が間違いなかったと言えると思います。 鍼もない、時間もない、しかも不安定な船の上です。まともに検査することすらできない中で、そこまで仕上げられれば、まぁまぁかなと思います。  


大事なことは、組立です。刺激の方法ではありません。

ここまで調整するのに、本人には何の説明もしていません。圧痛を確認しただけです。効果のある方法は説明しなくても効果あります。効果のない方法は、もっともらしい説明がいくらあっても効果はでません。そのあたりは、身体はシビアです。


その当たり前のことに、どれだけの人が気づいているか?