ZIPANG-4 TOKIO 2020 世界一巨大な根をもつダイコン「桜島大根」の高精度ゲノム解読に成功! & 鹿児島県の見どころとは!
世界遺産 史跡名勝天然記念物「仙巖園」
仙巖園は欝蒼たる暖地性樹林におおわれた磯山を北に背負い、その急崖の下の扇状地を整理して築造されたものであり、南正面に錦江湾を隔てて桜島の全容を借景としています。建物の前面を広くとり、海浜に向って二段の地割、要所には石組、石灯篭等が置かれています。
万治2年島津光久の別館としてはじめられ、明治初年までの間に局部的な補修が行われましたが、雄大開豁な規模と地割とはよく保存され特異の意匠をもつ著名な大名庭であります。
花倉御仮屋は仙巖園の東約500メートルにあり、天保初年に島津家離舘として営まれ、いくばくもなくして廃せられたものでありますが、その庭園の滝、溪流の護岸、石槁等巨石を用いた豪宕な石組はいちじるしい改変を受けずに残され、江戸時代末期のものとしては特に優れた景観を伝えています。
国宝・重要文化財「霧島神宮」主祭神は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)
霧島神宮は霧島山の中腹の傾斜地に鎮座し、高千穂山頂に向かって社殿が配置されています。現在の社殿は鹿児島藩主によって、正徳五年に復興されたものであります。
本殿・弊殿・拝殿は大規模な複合社殿で、登廊下で達する一段高いところにあり、登廊下の下に勅使殿が建ち、この前方両側に門守神社が配置されています。また登廊下の途中から西に廊下が出て、神饌所につながっております。
本殿は正面五間、側面四間、入母屋造で、正面に一間の向拝をもつ大規模な建物で、組物や各所に用いられた彫刻には極彩色を施し、また小壁や天井に絵を描き、柱等軸部は漆塗とし、また向拝柱には龍の彫刻が施されています。
拝殿は入母屋造で、正面に千鳥破風、向拝一間をつけ、極彩色、漆塗。勅使殿は方一間、入母屋造で正面に唐破風造の向拝をつけるなど派手な意匠となっており、本殿・弊殿・拝殿、登廊下、勅使殿など同時期の建築が群を構成しています。
各建物は極彩色、漆塗・朱塗などとし、彫刻や絵画などで装飾した豪華な表現をしており、建物の質がよく、保存状況もよい。また各建物にみられる彫刻や絵様には時代の先取りの傾向が強くみとめられ、また本殿向拝柱の龍の彫刻の手法などに地方色がみられ、鹿児島地方の代表的な近世社寺建築であります。
知覧武家屋敷通り
領主島津久峯が、藩主の参勤交代に伴って江戸から戻る道中で接した京の文化を持ち帰ったとされます。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、また同時に国の「名勝」に指定された7つの庭園は、母ヶ岳を借景に、築山泉水式1つ、枯山水式6つの庭園。約270年前の当時(江戸時代)の感性を今に伝えています。
出水市出水麓(いずみしいずみふもと)
出水麓は薩摩藩が設けた外城のうち、最も古く、最大規模を有する旧武家屋敷地であります。丘を整地し道路を掘り下げて築いた武士の住宅地でありました。武家門、玉石垣、樹木などが良好な街路景観を織りなし、敷地内の歴史的建物とともに優れた歴史的風致を形成しています。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定。
指宿市「枚聞神社(ひらききじんじゃ)」二の鳥居(両部鳥居)から望んだ勅使殿
指宿市の枚聞神社は、860年従四位に位された大日孁貴命(おおひるめむちのみこと)ほか8柱を祀っています。古くから交通・航海の安全や、漁業守護の神として人々の厚い信仰を集めてきました。薩摩一の宮といわれるように島津藩主の崇敬も厚く、本殿は県の重要文化財にも指定されています。優雅なたたずまいの朱塗りの社殿は、周囲の木々の緑に映えて見事です。玉手筥あるいはあけずの箱と呼ばれる「松梅蒔絵櫛笥」は国の重要文化財に指定されています。そのほか、琉球から伝わった額や島津家に関係する古文書など、貴重な品々があります。
指宿市「枚聞神社(ひらききじんじゃ)」夜神楽
桜島(空撮)
霧島錦江国立公園の中央に位置し、周辺各所から眺望できる火山です。現在も噴火や降灰を繰り返しており、地球が持つ激しいエネルギーを体感することができます。
桜島大根 さつま料理〔きびなご、酒すし〕酒すしの桶よりも大きな桜島大根にビックリ!
桜島大根〜なぜ根が巨大化するのか近い将来にわかるかも?〜
かずさDNA研究所、農研機構野菜花き研究部門と東北大学は共同で、鹿児島県の伝統野菜
である桜島ダイコンの一品種「晩生桜島(おくてさくらじま)」の全ゲノム解析を行い、他のダイコン品種とゲノム構造を比較しました。
桜島ダイコンのなかでも「晩生桜島(おくてさくらじま)」は遅く成熟する品種で、大きなものになると重さは 20~30kg、根の直径も約40~50cm ほどになります。
同グループでは 2014 年に青首系ダイコンのゲノム解読を発表していますが、今回、一分子リアルタイムシークエンサーのロングリード技術という新しい方法で解析することにより、ゲノム全体を網羅する高精度なダイコンゲノム配列を決定することができました。
「晩生桜島」の全ゲノム配列が高精度に明らかになったことで、なぜ根が肥大するのかなど、ダイコンの色や形の多様性にかかわる遺伝子が明らかになる可能性があります。
研究成果は、国際学術雑誌DNA Researchにおいて公開されました。
1. 背景
ダイコンは古くから日本で栽培されており、江戸時代には100種以上の地方品種があったと言われています。しかしながら、1970 年代の青首ダイコンの流行などにより、地方品種の多くが失われつつあります。
ダイコン品種が多様化した背景を明らかにするためには、ダイコンの標準ゲノム*1配列情報が必要となります。2014 年に東北大学を中心とした研究グループ(かずさ DNA研究所も含まれる)が、2015 年に東京農業大学と中国の研究グループがそれぞれに青首系ダイコンのゲノム解読に成功し、また、2016年に韓国の研究グループが数種のダイコンのゲノム解読について発表しています。
しかし、いずれも主にショートリード技術*2を利用して解読されたゲノム配列で、シロイヌナズナの 3倍に相当する複雑なゲノム構造をもつダイコンのゲノム配列の連続性やゲノムの網羅性が十分ではありませんでした。
そこで今回は、農研機構の農業生物資源ジーンバンクに保存されている桜島ダイコンの品種のひとつである「晩生桜島(おくてさくらじま)」を対象にして、長い配列を連続して読み取れる一分子リアルタイムシークエンサーのロングリード技術*2 を利用してゲノム解読を行
いました。
ダイコンは品種によって根の形や大きさが変化に富み、その中でも桜島ダイコンは世界で一番大きな根をもつ日本独自のユニークな品種であることから、ゲノム配列を解読する品種として選びました。ゲノム配列の連続性や網羅性が飛躍的に改善され、今後はダイコンの標準ゲノム配列情報としての利用も期待されます。
2. 研究成果の概要と意義
① ロングリード技術により、従来のダイコンゲノム情報を大幅に上回る量と精度で、「晩生桜島(おくてさくらじま)」のゲノム配列を解読しました。2014年に公開した「青首大根」ゲノム情報に比べると、ゲノムカバー率は80%から100%へと向上し、塩基配列の連続性(繋がりの良さ)も27倍に向上しました。
② ddRAD-Seq 法*3(2016 年 3 月4 日にかずさ DNA 研究所よりプレスリリース)を利用して新たに作成した遺伝地図に沿ってゲノム配列を配置し、ダイコンの染色体(2n=18)に相当する配列情報を構築しました。そして桜島ダイコンのゲノム配列中に80,521個の遺伝子
*4 を見出し、青首系ダイコンの遺伝子と比較したところ、30,033 個が桜島ダイコンに新規に見つかった遺伝子でした。
③ ダイコンのゲノムでは、同じアブラナ科植物であるシロイヌナズナや、より類縁関係の近いハクサイとも遺伝子の並び方が大きく異なっていました。
④ 桜島ダイコンのゲノム配列データは、かずさDNA研究所の Plant GARDENデータベースにて公開しています。
3. 将来の波及効果
① ダイコンゲノムを高精度に解読できたことで、従来のダイコンのゲノム配列では見落とされていた情報が得られるようになり、ダイコンの標準ゲノム配列として利用される可能性があります。
② ブロッコリーやキャベツなど、他のアブラナ科作物の品種改良や進化研究に貢献するだけでなく、なぜ桜島大根の根が巨大化するのかの手がかりを得る情報基盤となることが期待されます。
本研究の一部は、「農研機構生研支援センターイノベーション創出強化研究推進事業 (29010B、平成 29年度〜令和元年度)」によって実施されました。
論文タイトル:Genome sequence and analysis of a Japanese radish (Raphanus sativus)cultivar named ‘Sakurajima Daikon' possessing giant root
著者:Kenta Shirasawa, Hideki Hirakawa, Nobuko Fukino, Hiroyasu Kitashiba, and Sachiko Isobe
掲載誌:DNA Research
DOI: 10.1093/dnares/dsaa010
用語解説
*1 ゲノム:生物をその生物たらしめるのに必須な最小限の染色体のひとまとまり、または DNA全体のことをいう。
*2 ショートリード技術とロングリード技術:ゲノム配列を解読するときに用いられるDNAの配列解読に用いる方法で、前者が、平均400~1000塩基対の読み取り断片になるシークエンシング反応を数百万サンプル分並行して行うことにより解読するのに対し、後者は、1万塩基対以上の長い配列を連続して読み取ることができることから、繰り返し配列が多い、似た配列があるなど、複雑なゲノム構造をもつ生物のゲノム配列を解読するのに適している。
*3 ddRAD-Seq 法:2種類の制限酵素*5でゲノムを切断し、両端が別々の制限酵素で切断された断片のみを次世代シーケンサーで解析するもので、ゲノム上の同じ領域(全ゲノムのうちの 0.1%〜1%)を再現性良く読むことができ、塩基配列の違いを容易に比較することができる。
*4 遺伝子:親から子へと遺伝する、あるいは細胞から細胞へと伝えられる形質を決定する因子であり、生物の体を作り動かすのに必要なタンパク質などを作るための設計図のことで、その本体はDNA である。
*5 制限酵素:特定のDNA配列を認識して特定の位置でDNAを切断する酵素。
ー新型コロナ菌肺炎のパンデミックに寄せてー
昨年、我国は皇室の御代替わりで年号も改まり、昨秋の奥ゆかしき即位式には深い歴史の重みに国民は改めて誇りをもち、2020オリンピック主催国日本は明るい兆しを求めて令和2年を迎えたばかりでした。その余韻も覚めやらぬ1月半ば、世相はいきなり急転直下…
目下、全世界が新型コロナ肺炎パンデミックに巻き込まれております。未だ対処方法も終息期も見出だせない状況下、各国で拡散し猛威を奮っております。
今、私達に出来ることはただ一つ。それはこの目に見えない新型コロナ菌に出逢わない事だそうです。その方法とは… "三密 " つまり密集、密閉、密接 を避ける事ですね。
当面は一人一人がその "三密 " を守りましょう。皆が心を合わせれば、コロナ菌は行き場を見失うのです。
どうか、世界各国が足並みを揃え、協力しあって一日も早く平和な日々が訪れますように。
編集局より
鎹八咫烏 記
伊勢「斎宮」明和町観光大使
石川県 いしかわ観光特使
協力(順不同・敬称略)
公益社団法人鹿児島県観光連盟
〒892-0821 鹿児島市名山町9番1号(鹿児島県産業会館内)TEL:099-223-5771
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