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熱中症を鍼灸する!

2020.06.16 17:33

熱中症(古では暑気中り)は、暑さに体が蝕まれて発症する病です。

暑邪にやられたということです。

邪とは生気を妨害するあらゆる要素を指します。

病因は暑邪です。

ではなぜ、暑邪に蝕まれたのでしょうか?

一緒に解き明かしていきましょう。

内傷なければ外邪入らず

これは東洋医学の大原則です。

人は本来、生気が充実していれば、守りが強固で外邪の侵襲を許しません。

にもかかわらず、暑邪の侵襲を許してしまい、熱中症を発症するのでしょうか?

それは守りが強固でなくなるからです。

これを内傷とします。

素地として内傷があるから、外邪が入ってくるのです。

この内傷を奈良の上雅也先生は、“落差”と仰っています。

落差

もっとも分かりやすい現象が自然界に在ります。

気圧の落差です。

高気圧と低気圧。

気圧の乱高下によって発生するのがあの台風です。


人体における落差とは何でしょう?

私が思うに、気の張りと気の弛みです。

案外に平日よりも休日の方が調子が悪くなる人がいます。

仕事中は痛みを忘れているのに、就業後になると痛みを思い出す。

昼間は気にならないのに寝る前になると耳鳴りが聴こえる。

大事な案件や課題が一段落してホッとしたら倒れた。

無限に在りますが、こういうのが気の張りと弛みによる落差です。

他にも活動と休息、寒暖差、気分の高揚と鎮静などが思い浮かびます。

風邪

高気圧と低気圧の乱高下で台風が発生するように、気の張りと気の弛みによる落差が生じると人体にも台風が発生します。

これを風邪とします。

体内で生じた風邪なので内風とします。

内風が内側から隙間風を通す程の風穴を腠理にあけ、その隙間から四時の外邪を招き入れます。


寒涼の季節であれば寒邪を、梅雨時であれば湿邪を招き入れて発病します。


そして、夏場は暑邪を招き入れます。

そうして、熱中症を発症します。


これが熱中症の病因病理です。

予後の判定

爪を押して色が戻らないほど重症です。

治療前に
  1. 番茶に塩を入れて飲ませます。
  2. 涼しいところで少し横になって休んでもらいます。
本治法

脾虚証か腎虚証

  1. 兪土原穴を補います。
  2. 顔が赤ければ合水穴を補います。
  3. 適応側は本治法テスターによる時空弁証で判定します。
時空弁証について
補助療法|奇経治療

公孫-内関か内関-公孫と列缺-照海か照海-列缺の2グループを取ります。

主穴に5壮、従穴に3壮(無熱灸は✖4、ドライヤー灸は✖5)知熱灸します。

施灸後、金銀粒を貼付します。

標治法
モグサテスターについて
予防法
参考文献