リービッヒの最小律(ドベネックの桶)
「リービッヒの最少律」 「ドベネックの桶」 をご存じでしょうか?
▪️「リービッヒの最少律」とは
植物の生育や収量は、必要とされる栄養素のうち、与えられた量の最も少ないものにのみ影響される(支配される)という説。
※ドイツの科学者 ユーステゥス・フォン・リービッヒが提唱
▪️「ドベネックの桶」とは
リービッヒの最少律の法則である植物の成長の仕組みを分かりやすく例えた図。
このドベネックの桶はいろいろなことに応用できます。
桶は何枚もの板を合わせて作られていますが、桶に水を溜める場合、どんなに水を入れても一番短い板のところまでしか水は溜まらず、それ以上は溢れると言う考え方です。
桶の中の水が植物の成長量、板が成長に必要な要素や養分を示しています。
たくさん摂れている養分の板は高くなりますが、不足している養分の板は低いまま、結局そこから水が漏れていってしまいます。
このように、植物の成長には、最も少ない要素によって作用し、栄養素をバランスよく満たすことによって作物は健全に育ち、栄養素を充分具備した作物になるということをリービッヒは示しました。
一つの板を高くするのではなく、バランスよくすべての板を高くすることが大事!
つまり、「すべての要素をバランスよく補給する」ということが肝心だという事です。
ちなみに、植物は(窒素・リン酸・カリウム)の3要素が必須であるとし、成長の度合いは3要素の中でもっとも与えられる量の少ない養分によってのみ影響され、その他2要素がいくら多くても成長への影響はないとリービッヒは言っています。
ただし、養分以外の環境(水・日光・大気など...)の条件も成長の要因として関係しています。
さらに現在では、それぞれの(要素・要因)が互いに補い合う場合があり、最小律は必ずしも定まるものではないとの修正もなされました。
▪️食に関して人間も植物と考え方は同じ
人の身体には、三大栄養素と言われるタンパク質・脂質・炭水化物のほか、ビタミン、ミネラル、などの栄養素が必要です。
栄養素をバランスよく摂取することで身体にうまく働くのであって、どれかの栄養素が不足していたり、また多すぎるのはよくないと理解できます。
だからこそ、必要な要素をバランスよく、必要量満たすことが大切なのです。
▪️身体の健康は心の健康も求められる
自身の力を発揮するために日々の(運動、食事、睡眠)に加えて環境や心(精神面)のバランスによって左右されると言うことです。
過剰なトレーニングや食事、睡眠不足は時として自身を傷つけてしまう可能性もある事を頭の片隅にでも置いておきましょう。
Wellness(目的)に合わせた身体造りをするためには基礎基本を大切にした土台造りが重要になってきます。今の皆さんの状態はどうでしょうか…。
この桶理論に当てはめてみると多方面での気付きにもなりわかりやすくなると思います。
自身の身体についてもそうですが、それぞれの持つ目的や会社、チームといった組織などにも当てはめて考えてみてください。
そのためにも自身を知り、その時何が求められるのかを意識しながら自分自身と向き合う時間にしてもらえたらと思います。
人の身体はこのような桶みたいに単純な構造はしてはいません。
短所より長所を伸ばすべきという考えもあるとは思いますが、最低限ウィークポイントを克服して、個性を磨いていくことが大切だと思います。