① 「ピエタ」 24歳で「ピエタ」を、36歳で「システィーナ礼拝堂の天井画」を、60歳で「最後の審判」を、そして、88歳で「ロンダニーニのピエタ」を、失明の中であっても、死の直前までも彫り続けた、まさに天才彫刻家である。 絵画でさえ、「彫る」ように描いた。浮き彫りのように、人物を描くことができたのである。ピエタとは、「慈悲」などの意味であり、ミケランジェロは、ピエタを題材として制作したのは、4体あるが、完成させたのは、「サン・ピエトロのピエタ」のみである。 「サン・ピエトロのピエタ」は、他の芸術家によっても同じ題材で数多く作られたピエタと比較しても、肩を並べるもののない傑作である。 この作品によって、ミケランジェロの名声は確立されたといっていい。 (2017.5放映分と同じ作品紹介のため、 コメント掲載は同文としました)
② 「民衆を導く自由の女神」 古い体質である画壇の主張(主流派)を覆し、勇気を持ってその信念を貫くドラクロアの画家としての、人としての生き方に感銘した。 新古典派のドミニク・アングルの作品も、以前に本番組で紹介されコメントを残している。(裸体美にこだわり続けたドミニクが、70代に入ってから描いた作品「泉」があったのを想起した そこでは、神話にある女性美ではなく生きた女性の美として描いたとしたが、短文で終わっている)
③ 「睡蓮」の連作 モネ、シスレー、モリゾ、ピサロらは、一貫して自由気まま、日光、色彩のアートを追求し、「最も純粋な」印象派と評価された。 印象派絵画の大きな特徴は、光の動き、変化の質感を、いかに絵画で表現するかに重きを置いている点である。 インスタレーションは、現代美術(コンテンポラリーアート)において、よく目にする言葉であるが、モネの時代から、それを先取りせんとするような、豊かな着想と絵画表現が生まれていたというのは、素晴らしいことと感じた。