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八丁堀のオッサン

米国映画の変貌

2020.06.21 20:47


「千夜一夜物語」の「アラジンと魔法のランプ」を原作に、1992年にアニメ化された作品の実写版となるディズニー映画「アラジン」が、興行成績首位を快走しているといいます。  

 絨毯に乗って空を舞う場面の名曲「ホール・ニュー・ワールド」は、日本でも老若男女にもお馴染みです。王女ジャスミンと貧しい青年アラジンの恋物語ですが、新作のヒロインは白馬の王子を待つのではなく自ら国を治めようとします。

 世相を反映し、ヒロイン像も変化しつつあるのでしょう。  

 先週のディズニーの発表には、驚きました。企画中の実写版「リトル・マーメイド」の主役アリエル役に、アフリカ系の歌手で19歳の女優ハリー・ベイリーさんを起用するというのです。

 アニメの人魚姫は、赤毛で青い瞳に明るい肌となります。主役を射止めベイリーさんは、「夢がかなった」とツイートしています。  

 この件で、ネット上には賛否さまざまな声が寄せられています。ディズニー映画では、かつてアメリカ先住民の女性が主役の「ポカホンタス」をめぐり、「描き方が白人男性の視点だ」との指摘もありました。  

 映画は、観客の夢を育むものです。だからこそ、虚構の中でも多様性を重んじるべきだという意図でしょう。そこに、米社会の断面を垣間見る気がします。