第2編4章:「掃除と経済・その2(新規市場創出例:ペット市場)」 掃除学関連知識
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ペット市場調査
ペット飼育の現状
内閣府は2010年11月1日、動物愛護に関する世論調査の結果、ペットを飼っていると回答した人は34.3%。約三人に一人がペットを飼っている。
一般社団法人 ペットフード協会2016年全国犬猫飼育実態調査 結果では、 犬・猫 推計飼育頭数全国合計は、1,972万5千頭.で、犬:987万8千頭、猫:984万7千頭となっており、犬と猫の割合はほぼ同数であった。
飼育のきっかけ
ペットフード協会2016年全国犬猫飼育実態調査結果では、飼育のきっかけは、犬・猫ともに、次の結果であった。
1.生活に癒し・安らぎが欲しかったから 32.4%
2.以前飼っていたペットが亡くなったから 25.0%
3.家族や夫婦のコミュニケーションに役立つと思ったから 18.3%
つまり、ペットと暮らすということは、単に動物を飼うのではなく、コンパニオンペットとして家族が増えるということでもある。
ペットを飼う効用
ペットを飼う効用として、16歳未満の子供の場合、高齢者の場合、夫婦関係の場合、自分自身の場合、と4つのカテゴリーごとにアンケート結果をまとめたところ、犬又は猫の飼育者はペットを飼う前と比べて、情緒面、コミュニケーション、健康など、様々な効用があることが明らかになった。
(*ペットフード協会2016年全国犬猫飼育実態調査結果より)
ペットビジネス関連市場
矢野経済研究所が行っている、ペットビジネスに関する調査では、
2015 年度のペット関連総市場規模は前年度比101.5%の1 兆4,720 億円、
ペットビジネスに関する調査結果 2011と2015を比べてみても、市場規模は1000億円近く上がっており、特に、ペット用品市場よりも、ペット関連産業市場の増加が著しく、市場規模はおよそ3倍である。
ペット関連産業市場には、生体やペット美容室、ペット医療、ペット保険、ペットホテルなどの関連サービスが含まれる。
ペットと健康関連市場増加の傾向
矢野経済研究所の2011年の調査では、ペット市場拡大の鍵はペットの飼育可能なマンションの増加やペットホテルの普及、ペット入場が可能な商業施設があげられており、2015年の市場規模は1000億円ほど増加した。
2015年の調査では、ペットの飼育頭数が近年、頭打ち傾向とされる一方、ペットに対する支出は増加傾向にある。
なかでも、ペット保険市場の拡大にも象徴されるように、ペットの健康管理のための支出は近年増加傾向にあり、今後も飼い主の需要に応えるかたちで、ペットの健康維持・管理を目的とした商品およびサービスの充実が進んでいくとみられている。
ペットと掃除
今後のペット市場拡大を担う新たなキーワードとして、「掃除をラクにする」ことが求められてくるであろう。
掃除は、ペット及び飼い主の健康にも関わりが深く、ペットと暮らす上で避けては通れない問題でもある。
日本人の約3人に1人はペットを飼っている。そして、一般社団法人 ペットフード協会2016年全国犬猫飼育実態調査 結果では、飼育場所のほとんどは、室内という結果も出ている。
室内でペットを飼うということは、汚れの発生量が増えるので、掃除が大変となる。
また、ペットの排泄物や体臭など、臭いの問題も出てくるのである。
ペットと暮らす掃除の頻度
ペット保険大手のアニコム損害保険株式会社が2011年5月27日に発表した、契約者に対し、"ペットが暮らしている部屋の掃除"に関するアンケート調査を行った。
その結果、ペット飼育前に比べると、62.8%の家庭で掃除の頻度が増加。悩みは「抜け毛」と「臭い」が上位を占めた。
また、掃除の頻度を聞いたところ、毎日行う飼い主が45.3%と最も 多い結果となった。
ペットと暮らす・掃除がラクな家
ペットと健康的に暮らしていくためにも、掃除がラクな家は求められていると言える。
また、関連するペットホテルやショップ及び商業施設や動物病院なども、汚れやニオイ問題の改善を含む衛生性を考慮した掃除がラクな建物であることが望ましい。それらは、収益にも影響を及ぼすものでもある。
掃除問題
アニコム損害保険が行った調査では、掃除の頻度を聞いたところ、毎日行う飼い主が45.3%と最も多い結果であったが、それほどペットと暮らすということは、汚れが増えるということでもある。
そして、掃除をしないと思わぬトラブルが起こることもある。
ペットと暮らす掃除がラクなマンション
では、もう少しターゲットを絞り、集合住宅におけるペット問題に焦点を当てて、ビジネスモデルを考えてみる。
平成20年に行われた、国交省のマンション管理組合向け調査結果「トラブルの発生状況内訳」において第2位の「ペット飼育」が34.8%と高い数値になった。
いろいろな要因があると思われるが、今後マンション管理事業における「ペットと掃除」はその一つの要因として、重要であり、改善が求められている分野と言える。
ペット飼育可物件におけるトラブル
現在のペット飼育可の物件の多くは、ペットを飼っても良いという条件が付随しただけの物件といえる。
ペットを考慮した物件でも、敷地内にドッグランがあることや、散歩後の足を洗う専用設備があるなど、共用部に関する設備が主流のようだ。
しかし、私の会社に依頼されるペットと掃除問題の多くは、専有部つまり住まいの中での問題であり、飼い主の資産価値低下や近隣住人及び賃貸の場合オーナーとのトラブルを起こしていることもある。
掃除をしないことで起こりうる問題
健康被害
ペットの抜け毛やフードの食べかすなどは、カビや害虫の餌にもなる。
カビで起こりうる代表的な病気は、夏型過敏性肺炎などがある。
また、ダニは吸入性アレルギーのアレルゲンでもあるし、種類によっては人も刺す。
また、ゴキブリなどの繁殖を助けることにもなる。
資産価値低下
ある意味一番厄介な汚れは、目には見えない臭い問題と言える。
居住者の鼻は慣れてしまうので、感じにくくなるが、他人の家の臭いはきになるものだ。
悪臭のせいで、賃貸退去時のトラブルや、売れない貸せないなど資産としての価値が低下することもある。
近隣住人とのトラブル
害虫による近隣住人への被害や、臭いによる近所トラブルなどは、現実に起きている。
これらの対応には、時間とお金もかかり、さらに、近隣住人との信頼関係にはもっと多くの時間が必要になることもある。
*ペットの臭いによるトラブル例については、サービス > 各種調査・カウンセリングの下記ページを参照してください。
・消臭調査+作業 ケース1:「猫専用だった部屋を書斎にするので消臭作業+リフォーム!」
・消臭調査+作業 ケース2:「ペットの悪臭で近隣住人から苦情!裁判も考えている?!」
・消臭調査+作業 ケース3:「ペットの悪臭隠蔽? 悪徳不動産に騙された?!」
ペットと暮らす掃除問題対策
ペットと暮らすということは、確実に掃除が大変になるということでもある。
そこには、関連する様々なトラブルに発展する可能性があり、健康性や経済性などにも影響を及ぼす。
そのためにも、掃除に関するペット飼育に対応した建物の改善と、建物の使い方の改善が求められるのである。
しかし、今までにそれらに精通した専門家はいなく、改善対策はおろか、問題自体がクローズアップされることもなかった。
掃除をラクにする専門家
多数の掃除の国家資格取得、掃除理論、メディア企画、消臭カウンセリングを含む現場経験などの総合実績からしても、植木照夫は掃除とペットのパイオニア的存在でもあり、掃除理論を集約した掃除の方程式の発案者でもある。
また、掃除がラクになる法則も考案し、独自の掃除学を提唱している。
現時点で掃除をラクにする唯一の専門家と言えるのではないだろうか?
そんな私が提案する、ペットと暮らす掃除がラクな家を、企業コラボした場合のビジネスモデル例として紹介したいと思う。
掃除がラクな家のパッケージ化
ペットと掃除問題に早くから取り組み研究及び現場対応してきた実績をもとに、ペットと暮らす掃除がラクな家を商材として提案する。
新築及びリフォームを対象としてパッケージ化をし、各物件に適応していく。「健康住・宅掃除がラクな家の構想案」2008年度版と2009年度版では、ペットと暮らす掃除がラクな家についても執筆しており、「健康住宅掃除がラクな家の実験棟」では、その対策の1部も取り入れている。
パッケージ内容における具体的な技術的情報は、ブラックボックスとして、ここでの紹介は控える。
ペットと建築の潜在市場の例
ペットと建築の潜在市場の例として、賃貸物件におけるペットと暮らす掃除がラクな家のリフォームを行うとした場合、インターネットサイトより掲載物件No1と言われる「HOME`S」のホームページから、2017/6/12に検索したペット相談可の賃貸物件数は 全国で134,910件。
仮に、ペット対応リフォームのパッケージを、最低30万円からで全ての物件をリフォームした場合、HOME`S全国検索ペット可物件×リフォーム料金で計算すると、売上高は約400億円〜になる。
これは、賃貸物件における限定的な例であり、分譲物件や戸建てなどの持ち家は含まれていない数字だ。
さらに、商業施設やオフィスビルなどは含まれておらず、その潜在市場規模はもっと大きいことがわかる。
ペットと掃除のビジネスモデル例
ペットと掃除に関する市場が理解できたところで、具体的にどのように市場参入をしていくのかについて、漠然と説明しても分かりにくいと思うので、
具体的な企業名を例にあげて、ビジネスモデルを紹介したいと思う。
もしも企画だが、植木照夫と企業がコラボレーションした場合の、コンサル企画について次章の第4章—3で紹介する。
第4章 その3では、「ビジネスモデルケース:もしも三井不動産グループとコラボしたら」について解説したいと思う。
著者:植木照夫(クリーンプロデューサー、ベスト株式会社 代表取締役、掃除学研究所所長)