母校Akademie für Tiernaturheilkunde
こんにちは、ドイツ仕込みの動物自然療法士・ティアハイルプラクティカーの野原です。
つい先日、少し遠出して奈良へ行ってきました!
いつも通り鹿さん達が自由に闊歩してたのですが、まさかの自然分娩後の鹿親子に遭遇( ゚Д゚)
お母さんがちょうど胎盤を食べているところでした。
動物の生命力と母の強さを目の当たりにした、とても貴重な経験でした。
本当は写真なんか撮らずそっとしておいてあげるのが一番なんですが💦邪魔してごめんなさ~い!
さて、本日は私の母校、Akademie für Tiernaturheilkunde校についてご紹介したいと思います。
私の学校は、
Akademie für Tiernaturheilkunde(動物自然療法アカデミー)
略すとATNとなるのですが、同時に
Akademie für Alternative Tiermedizin(動物代替医療アカデミー)
略すとATMという名前も持っています。
施設は一緒だけどATNとATMで学ぶことが異なるって感じですかね。
私はATM、つまりAlternative Tiermedizin(動物への代替医療)の分野で学んでいました。
本拠地はドイツ北部にある町Bad Bramstedtにあり、ドイツ国内外各地でセミナー等が開催されるうえ、科目によってはオンライン受講も可能なため、世界各国に生徒がいるそうです(ただし、言語は基本的にドイツ語のみ)。
この学校は私立学校(Weiterbildung:直訳すると「更なる教育」。つまり、社会に出てからもう一度勉強し直す職業訓練校的なところ)なので大学ではありません。
ここが私のビザ更新のとき、とてもネックになりました・・・。
が!2017年に職業訓練施設として、国から公認されました🎉
なので今はもしかすると、ヨーロッパ圏外からの生徒もビザが取りやすくなっているかもしれません(うらやましい・・・)。
さて、この学校、ある獣医さんが1985年に、先程述べたBad Bramstedtという小さな町で創立しました。
ベルリンに住んでいた私から言わせると、本っっっ当に何もない町・・・(笑)
私の知る限り、町中にスーパーが2軒しかない。
中華料理屋があり中華系の方は少し住んでいましたが、全体的にいわゆる「外国人」はあまり多くなさそうでして、滞在中特に嫌な経験をしたわけではありませんが、ベルリンに慣れていた私はなんとな~く肩身が狭かったです^^;
(ATM校の中庭にはハーブ園があり、馬舎もあります。)
以下、ATM/ATN校の概要です。
〇ATM(自然療法系)だと以下のものをコースとして学べます。
・ホメオパシー療法
・鍼療法
・ハーブ療法
・理学療法
もちろん全て、動物対象です。
対象となる動物によってもコースが選べます。
・犬猫コース
・馬コース
・犬猫&馬コース
の3種類。
私は犬猫コースでした。
〇ATN系だと以下のものがあるようです(一部のみ)。
・ドッグトレーナー
・犬の施設マネージメント
・犬の栄養学
・犬/猫の心理学 等
私がティアハイルプラクティカーの勉強をしようと思ったとき、いろいろな学校を検討しましたが、Fernstudium(通信教育/自宅学習)が中心のところが多かったように思います。
うちの学校も、
・出席型
・自宅学習型
・上記両方を好きなように使い分けできるマルチ型
の3つの形を提供しています。
先程ご紹介しましたWeiterbildungは、仕事をしながら並行して勉強することが多いため、自宅学習型が好まれるようですね。
私も自宅学習型でした。
なぜなら!!
一番の理由は、
ドイツ語は「聞く」より「読む」方が得意だったし、何度も見返しができるから^^;
勉強を始めたときはまだまだドイツ語で何かを学べるレベルではなかったので、
「授業でなんたらこーたらなんぞ、絶対無理だー!」
と思ってました。
今思い返してみても、悪い選択ではなかったかな。
それぞれ長所短所はありますが、この勉強スタイルでなんとか今までやってこれました^^;
ちなみに、通いと自宅学習の長所短所を私なりに考えてみました。
●通いコース
長所:
授業がどんどん進んでいくので、いやでも勉強できる。
クラスメイトや先生と直接コミュニケーションがとれる。
分からないところを直接先生に質問できる。
短所:
「やらされる」感が嫌いな人、自分のペースでやりたい人には向いてないかも。
通学時間と交通費がかかる(うちの学校の場合、基本的にBad Bramstedt暮らしになります(スイス校などもありますが)。小さな町なので住居やバイト先が大変そうだと思いました・・・)。
●自宅学習コース
長所:
自分のタイミング、自分のペースで進めることができる。
テキストやビデオを何度でも繰り返し見ることができる(私がこちらを選んだのは主にこの理由)。
自宅なのでリラックスしながら臨める。
短所:
進むも進まないも自己責任なので、放置してしまったらいつまで経っても進まない。
小テスト等がない分、目標が定め辛い。
すぐに質問できる相手がいない(うちの学校はオンライン質問ツールはありますが)。
ざっと思い当たったのはこんなところです。
私の場合、ドイツ語で医療分野の勉強ということで、最初は教科書1ページ読むのに1時間以上かかっていました。
病理学の教科書1分野だけでも100ページ程度はあるので、到底終わる気がしない。
ドイツ語が分からない。
何言ってるのか、何伝えたいのかわからない・・・。
いやー、地獄でしたね^^;
動物保護や福祉についてはドイツに行くまでにも追っかけていましたが、動物医療に関してはほぼ知識ゼロでした。
ドイツ語での勉強の前に日本語で動物看護学や生理病理学を勉強していたら、理解の速度が全然違っただろうなと感じています。
それでもある程度すると、専門用語にもやっとこさ慣れ、分からない単語はあるものの、比較的さくっと文章を読めるようになりました。
「慣れ」って大事です。
(最初はカリキュラム読むだけでもすごく時間がかかりました(笑))
慣れてきた頃に気づいたのが、自宅学習の落とし穴。
先程短所に書きましたが、
自分のペースでできる = 自分が管理しないといけない
ちょろいようで難しい。
一番の敵は自分だということに気づきましたよ、本気で(苦笑)
実際私の場合、半月~1ヶ月くらい何一つ手をつけなかった時期があります。
理由は、本当に気分が全く乗らなかったから。どーーーん。
いや、もちろん他にやることがいっぱいあったからってのもありますが、最優先事項が勉強ゆえ、怠けてたと言ってしまってよいですね、うん。
でも、なんにもしなくても誰も何も言わないんですよね。
これは私が勝手に勉強してることであって、ものにするにもしないにも、私次第でしたから。
ちなみにドイツ語でSelbstdisziplinというらしいです、自己管理、自己鍛錬って。
ある友人が言ってました。
彼女はSelbstdisziplinがないから、私みたいな勉強の仕方はできないと。
・・・私もどちらかと言うとない方なんですが^^;
中学高校のとき、小テストをとてもおっくうがっていましたが、ようやっとそのありがたみが分かりました(笑)
料金的な話をすると、私のコース(Tierheilpraktiker/犬猫対象/自宅学習)は一番お値段も優しかったと思います。
当然ですが、学ぶ分野が多くなるほど、対象動物が増えるほど、先生の出動回数が増えるほど料金も上がっていきます。
ATM校はコースの種類も多く、例えば私のTierheilpraktikerコース終了後は、より専門的に各自然療法(ホメオパシーやハーブ、鍼)を学びたければそのコースに進む形になっていました。
正直、専門性は高ければ高いほど施術の精度は上がります。
ですが、私はビザやお金の関係もあっていろいろ考えた結果、それ以上のコースは受けずに日本へ帰国しました。
そのことがややネックではありましたが、全く同じコースを学んでいたスペイン人の友人が去年ドイツで自身の診療所を開業しました✨
とても勇気づけられました。
ティアハイルプラクティカーという職業、ドイツ人がドイツで開業したとしてもそれ一本で食べていくのは厳しい世界だと言われています。
ライスワークとライフワークのバランスとりは難しいものの、自然療法や代替療法という選択肢を提供すること、そしてそれを通じてその対象動物、はたまたそのご家族が喜んでくださることを考えると、とても素敵な職業だし、もっと多くの方に知ってほしいと思います。
ドイツ動物自然療法、ご興味ある方は是非お問い合わせください。
本日もご訪問、ありがとうございました!