夏バテ3
3回に渡ってお送りする「夏バテ」の
最後は「気虚タイプ」です。
中医学では「不足を補い、過剰は取り去る」
という治療の大原則があります。
「夏バテ」にお悩みの方は、
各3タイプの症状から、
「体を潤す水」が不足しているのか、
「湿気」が過剰なのか、
「エネルギーの元の気」が不足しているのかを
判断してみてください。
水が不足している人に
水と湿気を取り去るハトムギやとうもろこし、
冬瓜などの利水効果のある食材を選ぶと、
水分が益々不足して
体の中が空焚き状態となり、
症状を悪化させてしまいます。
やみくもに夏バテに効く食材を選ぶことは、
症状を軽減するどころか、
逆に重くしてしまいます。
自分の夏バテのタイプを知ることで
食材を効果的に使い、
辛い夏バテの症状を軽減していきましょう。
本日は「気虚タイプ 」です。
エネルギーの元である気が不足するタイプ
原因
暑さで気を消耗した上に、
汗と共に気が漏れ出ることで気が不足します。
気の不足により食欲低下となり
栄養不足で更に気が不足し、
元気が出なかったり
疲れやすくなったりします。
また気の不足は、
体を温める働きも低下させますので、
冷たい飲食の過食やエアコンが「寒邪」となり、
元々冷え性の方もそうでない方も、
夏なのに冷えが辛くなります。
元々体力不足で暑さにも弱いタイプが罹りやすいです。
症状
<元気が出ない・多汗・食欲不振・息切れ・疲れやすい・
夏痩せ・夏風邪・下痢・冷えなど>
食材
<気を補う食材:穀類・豆類・山芋・長芋・じゃがいも・さつまいも・
かぼちゃ・鶏肉・うなぎなど>
養生
疲れているからと肉類や脂っこい
いわゆるスタミナ料理を食べると、
エネルギーが足りない気虚タイプは、
消化に使う「気」が少ないので消化不良を起こし、
胃もたれや食後に疲労を感じます。
スタミナ料理は、
消化能力に見合っていれば滋養になりますが、
見合っていなければただの負担になりますので、
控えましょう。
甘いもの、味の濃いもの、冷たいもの、
刺し身や生野菜などの生ものは、
消化機能を低下させますので、
摂り過ぎに注意しましょう。
薄めの味付けで、煮込み料理や蒸し料理、
お粥やスープなどが良いでしょう。
繊維の多い野菜も
消化に時間が掛かって負担になりますから
摂り過ぎに注意しましょう。
気の不足は免疫力も低下させますので、
風邪などの感染症に罹りやすくなります。
気は皮膚表面を守る働きもしていますので、
不足するとアトピー性皮膚炎などを悪化させます。
激しい運動やサウナ、ホットヨガなどは
大量の発汗と共に気も消耗するので
控えましょう。