結婚しようとしている人のDV歴がデータベース化?
あなたは、どこまで知りたい・知られてOKですか?
こんにちは、コームナタ編集長のakiです。
今日はこちらの記事を取り上げます。イギリスの新聞、ガーディアン紙から。
「Chinese city launches domestic violence database for couples considering marriage
(中国の街が結婚を考えようとしているカップルに向けてDV(ドメスティック・バイオレンス, 家庭内暴力)のデータベースを立ち上げる)」
結婚するまでの恋愛では相手の見えないこともあります。結婚して、いざ同居してみたら、実は暴力をふるう人だった、ということはDV事件においてよくあることです。また、今般のコロナウイルス感染症の拡大によって多くの人が家にいなければならないこの状況下では、DVのリスクも高まります。特に、中国は世界に先駆けてロックダウンに入ったため、この問題への意識も高まっているはずです。
そのなかで、中国浙江省にある義烏(ぎう)市が、結婚しようとしている相手にDV歴があるかどうかをデータベース化したものをカップルに提供することを明らかにしました。
データベースを使用する本人と結婚をする相手の個人情報を入力すると、過去の履歴が照合できるようになります。また、虚偽の申告をした際には、法律上の刑罰が科されるのだそうです。
このデータベース、ガーディアン紙は「結婚する前に知ることができる」という好意的な論調になっています。たしかに、DVは繰り返し行う人が多く、以前にDVを行った人が再びDVを行う可能性はかなり高いかもしれません。そういった意味ではこのデータベースは非常に有用です。
しかし、これは犯罪歴を公開されるということです。DVを一度してしまい、もうこれっきり何とかしてやり直したいと思っている人にとっては、一度の失敗でもう一生信用されないかもしれないという懸念があります。それは、犯罪を犯した人をもう一度社会で受け入れていくというよりは、社会からどんどんつまみ出していくようにも思えます。
完璧な人はいないという前提に立てば、一回の失敗ですら永遠に行政のデータベースの中に保存され、それを将来結婚しようとする人がいつでも閲覧できる状態にすることが、本当に社会の利益になるのかということは考える必要があります。
今日もお読みいただきありがとうございました。