接頭辞が教えてくれること
突然ですが・・・
花の名前を、10秒間でいくつ言えますか?
スマホのストップウォッチ機能を使って、実際にやってみるのも面白いですね。
よーい、スタート!
5秒経過・・
はい、終了!
いくつ、言えましたか?
「えーと、チューリップ、バラ、カーネーション、えーーーっと、それから・・・・・」
この辺りで 一旦 止まってしまった人が多いのではないでしょうか。
でも、質問を変えて、「季節の花・・という言葉を聞いた時、どんな花を思い浮かべますか?」と尋ねると、多くの方は、「サクラ、アジサイ、えーっと・・」 となるかと思います。
この様に相手の思考プロセスを一定の方向に誘導する質問、と言うのは、レッスンでも多く使いますし、みなさんも、職場などで使える会話技術の一つです。相手に何かを考えてもらいたい時、その焦点をハッキリさせることで、より質の高い回答(より期待に沿った回答、より多くの情報)を導くことが出来るのです。
と、ここまでは前振りでして、今日の話のフォーカスは、質問の技術ではなく、実は「花」の方です。
今の季節の花、と言えば、やはりアジサイではないでしょうか。
この花はアジサイと書くより、紫陽花と書く方が風流に思えます。
しかし、この「紫陽花」の漢字は、元々は中国で リラ (lilac) という、クラスターで咲く薄紫色の花を指す名称でした。
それを平安時代の学者が間違って(!)アジサイに充ててしまったようです。
たしかに、「紫陽花」という花の名前の漢字には「紫」という色の名前が入っていますが、よく見ると、その色のグラデーションは多様です。
「紫陽花」という当て字以外にも、アジサイは「七変化」「八仙花」、その他、万葉の時代からあまたの呼び名と漢字が使われてきました。
アジサイの あの美しい色合いの多彩さはどのように作られるのでしょう・・
「青っぽかったりピンクっぽかったりするのは、土壌のpH(酸性度)に因るものだ」・・と言い切っていた時代もあるようですが、更に研究が進み、今では、アントシアニンや その他の発色に影響する補助色素や、含有されるアルミニウムイオンの量なども影響していることが分かっています。
「七変化」「八仙花」などの名称は、開花からの日数によって色調が様々に変化することからつけられた名称かもしれません。
さて、アジサイの英語名は、ご存じでしょうか?
学名は、Hydrangea macrophylla です。
hydr- という接頭辞は 「水」、「液体」を表します。
macro という接頭辞は 「大」を表します。
-phill という接尾辞は 「葉」を表します。
みなさんも、接頭辞辞典で調べてみて下さい。
生徒さんには語源の調べ方もお伝えしてあります。
上記以外の ”部品”の持つ意味も、調べておくといいかもしれません。
語のパーツの意味を知っていれば、初見の単語でも何となく察しがつきます。
(画像の下に 記事が続きます)
ちなみに私たちが目で楽しんでいる(愛で楽しんでいる)アジサイの花は、実は”装飾花”と呼ばれるものです。
アジサイの花に、みなさんは どんな思い出がありますか?
私は、実家の庭にアジサイがあって、子供の頃は、アジサイの季節になると、押し花にして栞を作り、本に挟んで身近に楽しんだものです。
アジサイは、今では 品種も様々ありますが、私は 原種である ガクアジサイの素朴さに魅せられます。
アジサイの魅力や アジサイにまつわる思い出を、英語で誰かに伝えることが出来たら ステキだと思いませんか。
その第一歩として、この記事の内容を自分なりに咀嚼して、英文にしてみてはいかがでしょう。
塾生であれば、いつもの方法で、「宿題」として提出して頂ければと思います。
Enjoy!
<a href="https://www.photo-ac.com/profile/2361815">gariya</a>さんによる<a href="https://www.photo-ac.com/">写真AC</a>からの紫陽花の写真