「囲碁と武将たち」~昌幸の棋譜解説編~
2020.07.30 09:50
そんなわけで前回紹介した真田昌幸の棋譜を解説してみようと思います。全部の棋譜は見づらいので100手まで掲載。
黒が息子の信之、白が昌幸です。信之の方がやや弱い感じがしますが、それでもなかなかのもので五段以上はありそうです。昌幸はそれよりはっきり強い感じがします。ただやや筋が悪い感じも受けます。田舎の強豪のイメージ(笑)
主なポイントの手
黒13は形の急所に見えるけどやや隙がある手。普通は15にブツカリ(下図)。
白14は黒の隙を咎める好手。白16は最強手だけどややしつこい感じ。私なら簡明に処理する。(下図。黒の形は黒△が緩く、隅は白Aの荒らしが残っている。やや白有利なワカレ)
白44からの打ち方が豪快で面白い。一見破れかぶれだがなんかうまく乱戦に持ち込み昌幸ペースの碁になった。白48のアテが俗筋なので、私なら簡明に筋良い手を選んでしまう(下図。白1、3が筋で、白3に石がくることで黒12と押さえると白13からシチョウ)。だがしかし・・・
当然黒は12に押さえないで黒五子を捨てる(下図。黒16にまわられると左下白が危うくなり、実戦よりいいかどうかは何とも言えない。)まあここまで読んで打ってるかは分からないが・・・
後の戦いは力勝負なので詳しい解説は割愛。
白82のツギが打てる人は強い。
白88一本でやめるのは一般的に筋悪だが、94の利きを作って白90まで足を進める発想。実戦的で筋が良いんだか悪いんだか良く分からない。
なんだかんだで白98と隅の白も生きて、うまいこと世渡りした。さすが世渡り上手。