涙が出ます・・・
うさぎさんの涙が出て、眼頭の毛が濡れてしまったこと、ありませんか?
うさぎさんは、残念ながら野生の世界では、捕食される動物です・・・
なので、天敵に襲われないか見張るために
・瞬きの回数をできるだけ少なくしている
・眼を開けて寝ることがある
といった対策をしています。
しかし、そんなことをしていたら眼が乾燥して傷ついてしまいますよね?
そこで
→うさぎさんの涙は脂の成分が多く、少し白く濁っている
→涙の分泌量が多い
といった特徴で、眼の保護をしています。
もともと、涙の量が多いうさぎさんですが、
眼頭に涙が異常にあふれていることがあります。そして脱毛し、皮膚炎を起こしてしまっていることがあります。
その原因は何でしょうか?
①傷つきやすい
・うさぎさんの目は左右についています。人やサルなどの動物では、両目が正面についているため、両目が感知できる視野が重なっている箇所が広く、距離感を認識できます。
一方うさぎでは、広い視野を確保できる変わりに、距離感を認識するのが難しいです。
・他の動物に比べ眼球は少し飛び出しています。障害物による外傷を受けやすいです。
→診察では、傷のチェックができます。
これはワンちゃんですが、やり方は一緒です。
フルオレセイン染色という方法で、傷の検査をします。
眼にオレンジ色の染色液を入れ、その染色液が角膜に沈着している場所が傷のある箇所です。
②鼻涙管が閉塞している
鼻涙管とは、涙点から鼻にかけて存在する管です。
私たちも、涙が出たときに、鼻がずるずるした経験、ありますよね。
かわいくない絵ですが、うさぎさんです。
ブルーの管(矢印)が鼻涙管です。
閉塞してしまう理由は以下のことが考えられます。
・鼻涙管にゴミ(目ヤニなど)がたまる
・鼻涙管に炎症が起き、狭窄する
・歯が鼻涙管を圧迫する(赤丸のところがよく発症する部分です)
鼻涙管にゴミがたまっているケースでは鼻涙管洗浄を行います。
涙点から細い管を入れて生理食塩水で洗浄します。
涙点は、うさぎさんの下まぶたの内側に存在します。
※おうちでは危険なのでしないようにしてください。病院で処置します。
歯が鼻涙管を圧迫して物理的閉塞をしているケースでは、なかなか涙を止めるのは難しいです。
しかし、これ以上の悪化を防ぐために『牧草をよく食べる』ことが大事です!
〇おうちでできること
涙が出ているケースでは、皮膚の悪化を防ぐために、こまめに拭いてあげて下さいね。