射場天体観測所(7)
5 1/2インチ F4.5 HELIARレンズ
「For Asteroids And Comets. このレンズを付けた写真儀目下作製中であります。月末より使用の予定です。之れと4 1/2インチ F4.5テッサーを以て、小惑星並びに彗星観測に専念します。従来の 3 1/2インチ F4は12インチ反射に架せます」
裏面にも続きがあり「このレンズは、ホクトレンデル会社にて二個丈け作ったものの1つで、他の一つはカイゼル・ウイルヘルム(ドイツ皇帝)が御所持の由であります。これで心行く迄銀河写真が撮りたいのでありますが、仲々作業に追われ困難と思います。測定器を以てすれど楽に秒迄測ることが出来得る計算であります。天候さへ良ければ60分露出にて15等迄は撮れると思います。16等も撮れるかも知れませんが、総じて13等以下の場合は測定器で拡大すると像がボケて測れなくなるのが普通です。完成の上はポーラーセクエンスを試みて性能試験をして見ます。之れを装備するため7インチ半屈折赤道儀は大改造をすることになっております」とありました。
HELIARにより撮影されたオリオン座周辺です。[1943年(昭和18)頃、廣瀬秀雄氏撮影]
「Part of Constellation Sgr(さそり座). 4 1/2インチ(114.3mm)F4.5(FL514.35mm)Tessar EXP 2h(露出2時間)Eastman #50(イーストマン#50乾板」
当時の神戸・須磨の夜空の暗さがよく分かります。
この写真儀の架台は、戦後東京天文台で流星写真のテスト機として活用されました。
(参考文献)
日本アマチュア天文史編纂会(1994)『続日本アマチュア天文史』,恒星社厚生閣:277-285
(写真は伊達英太郎氏天文写真帖より)