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テマヒマ

危機

2020.06.27 23:26

おはようございます。


暮らし、味わう。


民藝と発酵をモノサシに

食を通して暮らしの豊かさを提案する

古民家セレクトショップ&カフェ テマヒマ

プロデューサー、バイヤーの太田 準です。


昨日の惨事に続いて、今日のブログタイトル

が危機。テマヒマ大丈夫か!?って感じです

が。。。安泰とは全く言えませんがどうにか

こうにかやってます、という感じです。


このブログでも何度か登場している哲学者で

明治大学准教授の鞍田崇さんが昨年11月に立

教大学で行った「危機の時代の民藝」と題し

た講演(をまとめた小冊子)の中から少しご紹介

したいと思います。


危機(crisis)はギリシャ語を語源としていて、

分かれ目、新しい転換期を表している。柳宗

悦が、民衆的工藝、略して民藝という言葉を

生み出した時代は、伝統的な手仕事や、生活

文化に根ざした手仕事がまさに危機的状況、

つまり「民藝の危機」にあった。そして今、

物が要らない時代、そんな時代に何を作るのかを問われてる状況で「民藝の危機」は更に

進んでいるものの、時代そのものが危機的な

中、民藝から何を得るのか、何を見ようとし

ているのか、「危機の民藝」を考える必要が

ある。いまなぜ民藝か、をテーマに研究して

きた鞍田さんは、広がりから深まりへの転換

であり、見る民藝ではなく聴く民藝と言って

もよいのではないかと述べています。

タイトル画像のルビンの壺。図と地。図を認

識するのには背景の地を感受しなければなら

ない、地を地のままに受け取ろうとすること

が問われている、まさに柳宗悦が重視した「

直観」。この点には忸怩たる思いがあって、

お客様に図ではなく地でモノを見て、選んで

、買って頂くお手伝い補助線として、作り手

のこと、作られ方をご説明していくと、それ

は図の方を浮かび上がらせる結果、直観を邪

魔することになるのではないか?と。鞍田さ

んがこの講演のシメで花人の川瀬俊郎さんの

言葉を紹介しているのですが、人が作るもの

だからどこかに「褒めて欲しい」という心根

が見えてしまう、近代の表現は、問いも答え

「我」にある、「我」を消すことは難しい

。僕自身は作り手ではなく配り手ではあり

すが、作り手に注文を入れたり、買い付け

たりする時点でセレクトするという「我」が

入りますし、自分が好いと思うものをお客様

にオススメするのはそれへの共感を求めると

ころもあるわけで、あくまで直観の「お手伝

い」ぐらいであらねばなぁと思ったり。


サードプレイス的な場であり、文化が生まれ

る場でありたい、とテマヒマの「場」という

ことへのこだわりを何度か書いたこともあり

ましたが、この講演の中で鞍田さんが取り上

げた日本文化の本質を表現してるなぁという

言葉を最後に引用の引用させて頂きたいと思

います。


「降ってきた雪を握りしめると、それが掌の

なかで水となって消えてしまう。掌のなかに

は、その冷たい清らかな思いだけか残る。内

容は残らないが、ある思いだけは残る」(折口信夫)


「美しいものではあっても、美しいとは言わ

ない。そう表現してはならないところにこの

文化の本質がある。生活そのものとして、その流れる場の瞬間瞬間にしかないもの。そし

て美的価値だとか、凝視される対象になった

とたん、その実体を喪失してしまうような、

そこに私がつきとめたい生命の感動を見とる

のだ」(岡本太郎)

テマヒマ創業のために作成した企画書の中で

縦の思考と横の思考という切り口で、崩れた

バランスを取り戻すということを書いていま

した。このコロナ危機によって地域だったり

ココロのつながりの重要性が言われたり横の

思考が強まる部分はあるものの、効率化、合

理化、デジタル化など多くは縦の思考が強ま

る傾向にあってコロナ後の社会や世界が明るいとは思えません。


コロナ危機にあって危機対応に追われていた

、日々のやりくりに四苦八苦していた面は否

めませんが、この危機にあって、この危機だ

からこそ、テマヒマとしてのあり方、テマヒ

マとして目指すべきことを改めて考えなけれ

ばなりませんね。

こちらの冊子、鞍田さん以外のパートもまた

ゆっくりじっくり読みたいと思います。


昨日はお天気もなんとかもってランチタイム

後いったん途切れましたがカフェタイムもお

客様にお越し頂きありがとうございました。

今日も11時オープンで皆様のお越しをお待ち

しております。ランチのご予約状況ですが、

11時半が3名、12時が4名となっています。

それでは、好いモノ、好いコト、好いトキを

テマヒマで。今日も好い一日を!