『たんぽぽのメニュー』増田れい子 - ペンギン文庫
2020.07.01 23:00
1929年生まれの著者のハイカラで愛らしい人柄と、春夏秋冬それぞれの生き生きとした暮らしと食をめぐるエッセイ。寝起きに飲むカッフェ・オーレや、備長の炭火で焼く焼豆腐や、たっぷりの氷砂糖に浸かった花豆や。コロナ禍を自宅で過ごす中、考えること食べることを繰り返し、些細な行為に集中していた。もやしのヒゲを取り、えんどう豆のさやから豆を出す。いつの時代も食は人の心を溶かし気持ちを緩め、生きることなのだと実感した。
コラム筆者・移動本屋 ペンギン文庫
仙台を拠点に写真や美術、文芸、詩などの新刊書を中心としたラインナップで、 行く先々に合わせて本をセレクトし。 様々な土地で本屋を開く。 土地と土地を紡いで本と本屋の可能性を探す移動式本屋です。