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足の浮腫みの経絡治療

2020.06.28 07:25

※経絡治療をされていない先生は本治法をとばして後は同じです。

 

肺は水の上源(蛇口)、腎は水の上源(蛇口)、脾は水液の運化(押し出す)、肝は気血水を疏泄(巡らせる)ということであるが、臨床的には肝虚脾実か腎虚脾実か脾虚が多い。

本治法

①始めに適応側の水泉の補法→➁主たる変動経絡の補法(いかなる証でも合水穴を選穴)→③必要に応じて相剋経と陽経の虚実を弁え補瀉→④最後に非適応側の水泉の補法。

補助療法

●宮脇奇経治療

左照海-右列缺と右申脈-左後谿に奇経テスターを貼って足の腫れが引くかどうかを確認する。下肢の周径を計測して前後の比較をして記録しておくとなおよい。変化すれば奇経灸。

標治法

※全部をする必要はありません。

●腎兪と膀胱兪に施灸(知熱灸・無熱灸)左右差を診て圧痛の強い側に5壮、反対側に3壮、左右差がなければ3壮-3壮。

●水泉に銀粒を貼付(※この場合金粒は逆効果)。※経絡治療をされていない先生は左右差を診て圧痛の(2 stars)弱い側に5壮、(2 stars)強い側に3壮、左右差がなければ3壮-3壮を行ってから銀粒を貼ってください。

●足の三焦(水)経を緩める。接触鍼でも置鍼でも可。中野はイトウメディカル社製異種金属圓鍼ユニット(銅×アルミ×チタン)によるトルネード鍼法(宮脇優輝日本はり医学会名誉会長考案|桑原浩榮アメリカはり協会会長命名)で行っています。

セルフケア

●奇経に金銀粒貼付(1日3時間毎日貼り替える)|自宅で施灸(台座灸かドライヤー灸)

●水泉に施灸(台座灸かドライヤー灸)

●大腿動脈(股動脈)を6呼吸間指圧し、末梢から体幹に向かってマッサージするように指導。

症例

■患者/主訴 50歳代女性。顔と足の浮腫み。

■証/適応側 肝虚脾実証、右適応側。

■本治法 先ず、右水泉に補法。次いで右曲泉に補法。次いで左陰陵泉に瀉法。次いで右豊隆に瀉法。最後に左水泉に補法して本治法終了。

■補助療法

●宮脇奇経治療 宮脇奇経腹診®より陰蹻脉と陽蹻脉と診断。テスターを貼ると改善するので左照海-右列缺と右申脈-左後谿に知熱灸で奇経灸。

■標治法

●腎兪と大腸兪に知熱灸。

■セルフケア 奇経に金銀粒貼付を指導。

■経過 症状軽減、経過良好、現在継続治療中。

おわりに

浮腫みは湿邪です。邪とは生気を妨害するあらゆる物の総称です。

水は流れている間は津液として全身の細胞・組織・器官・臓腑経絡・四肢百骸を潤し、養い、活力を与えてくれます。

流れが滞ると湿に転じます。生気を妨害するので邪、湿邪となります。

湿邪は蒸されると痰を生じるので合わさって『湿痰』という病理産物が生まれます。

病理産物は他にも、『気滞』『瘀血』などがありますが、これらは最終的に『邪熱』という最終形態に変貌を遂げ人体を蝕んでいきます。

そのなれの果てが癌です。

たかが浮腫みと安易に考えずに、体と頭に汗をかき心を尽くして臨床に当たってください。