国によって英語は違う
多くの日本人は、アメリカ英語のことを、英語と呼び、英語のことを British English と呼んでいると思います。
でも、イギリス人に British English と言うと 嫌がられます。 「英国の英語・・そんなものは無い!」と。
「日本の日本語」・・・確かに そんな言い方しませんね。 ずばり『日本語』ですよね。
一方でアメリカやオーストラリアで話される英語は、アメリカ英語とかオーストラリア英語と表現することがあります。アメリカ英語は、North American English(北米英語)と表現することもあります。カナダはほぼアメリカ合衆国と同じ、と考えていいと思います。
アメリカ英語を米語、と表記することはありますが、オーストラリア英語を「豪語」とは通常言わないですね。
前置きが長くなりましたが、この3者、実は、かなり違う部分があります。
モノの名前(普通名詞)は、国や地域によって大きく異なります。
アメリカ人の言うビスケットとイギリス人の言うビスケットでは意味が違いますし、水着や長靴、森、酒販店などの言葉は、アメリカ、イギリス、オーストラリアでは呼び名がそれぞれ異なります。
そんなことを教えてくれる動画を紹介します。
この3人の英語の”先生”たちが、この題材(=英語と一言で言うけど、国によって違う)で動画をコラボしようと思い立ったのも、そのような違いがあることを ある時まで知らなかったからです。知らなかった時期があったからこそ、「これは面白い!」と思って動画にするわけです。
彼女たちも、旅行で外国を訪れたり、英語が母国語でない人たちに英語を教えたりするようになってから、自分の常識が外国では通用しないことを知っていったのです。
上で 先生を ”先生”と表記したのは、『英会話レッスン』の世界では「自称、英語の”先生”」がゴマンといるからです。
自称 ”英語の先生”であっても、しかるべき認定・資格を保有していない人が大勢います。
なぜなら、英語を"話す" という行為は、英語Native だったら、誰でも出来るわけで、文法などを”教える”ことは出来なくても、英語で外人と会話をしたい人の相手になって英語で”話す”ことは出来ますし、自分の住む国や地域で使われている英単語や英語表現を紹介してあげることなら出来ます。
資格がなくても、カフェやオンラインで 簡単に gig が出来て、安易にお小遣い稼ぎが出来る・・ということで、”英語を教える” ことは、英語が話せる外国人にとっては、手っ取り早く収入を得る方法として大人気です。
今は コロナの問題もありますから、家にいながら当面の収入を得るために、1日数時間の空き時間を使って内職気分で英語を教えている人が増加中です。
今後は、コロナ失業者が更に増えることが予測されているので、こういうギグワーク (gig)をする人が 更に増えていく可能性が高いです。
現実的に考えると、社会的には、We'll get through this by thinking about "US" not "ME." の精神に則って、その人たちにお金を落としてあげることも必要だと思います。会話の練習相手としては、認定や資格はなくても、英語初級者・中級者にとっては、特に懸念すべき問題ないでしょうから。。
ただ、上で紹介した動画の例にあるように、「国によって 使う単語や英語表現が異なる」ということを知らない先生に教わると、せっかく覚えた表現が、他国の外人には通じない・・というちょっとザンネンな結果になることがあります。
より具体的に言うと、例えば、イギリス人やオーストラリア人からスラングを習っても、アメリカ人との会話の中では、「その言葉の意味が分からない」と怪訝な顔をされたり、「そういう風には言わない」と直されたりすることもあるのです。
上述の動画コンテンツ以外の例でいえば、オーストラリア人に ”Stop whinging." という表現を教わって、それをアメリカ人相手に使っても、解ってもらえないと思います。
このような理由から、留学等を考えていて Academic English をやりたい、という人には、留学を希望している国出身の Tutor に習うことを私は特にお勧めします。(あくまでも一個人の意見です)
(画像の下に記事が続きます)
これも私個人の見解ですが、お金を払って ビジネスや留学で使う英語を習うのであれば、最低でも TESOL、できれば TESOL と CELTA 両方を有している Tutor に教わるのがお勧めです。
もちろん、必ずしも、資格を持っていれば 優良な先生・・ということではありませんが、TESOL 保有者は経験の有無・長短は別として最低限、英語指導の方法を学んでいる人たちです。
TESOL より保有者数がずっと少ない CELTA は、それなりにハードルは高く、私が取得した当時は、クラスに12人くらいいましたが、そのうち、オーストラリア人1人と、オーストラリア国内でスペイン語の教師をしていた人は、卒業できる自信満々でしたが、最終的にCELTA の認定証をもらえなかったのを覚えています。卒業パーティーみたいのがあって、その人たちがいなかったので、「あれ、〇〇〇と△△△は来てないね」と言ったら他の人が「彼女たちは卒業できなかったんだよ」と教えてくれました。英語話者が、英語を教える認定をもらえなかったのです。
Language Coach は複数言語を話せる人の方がいい・・という考え方もあります。
複数言語を話せる人というのは、英語ではこう、〇〇〇語ではこう、というような感じで、豊富な言語知識を持った上で単語や文法を教えられたり出来るからです。
更に、学習者が、会話中に言葉が分からなくて無言になったり、言葉を探して「うー」とか「あー」とかばかりになってしまっても、語学習得の難しさを体験的に知っている人は、辛抱強くつきあってくれたりします。(勿論、モノリンガルの人にも 優しい人は沢山います)
ゲーテは言語に関して こんな言葉を残しています。
Those who know nothing of foreign languages know nothing of their own.
(外国語を知らない者は自分自身の言語について何も知らない。)