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骨格筋の形状による分類

2020.06.30 22:20

骨格筋の形状による分類


ここでは骨格筋の形状での分類と違いについてお話していきます。


筋肉の形は身体の部位によってサイズ、形状、筋繊維の走行方向が異なり、トレーニングの負荷・強度を設定する時に何を基準とするべきなのか、選択肢の1つに筋肉の形状がポイントとして挙げられます。

■ 起始(腱)、筋頭、筋腹、筋尾、停止(腱)から構成



筋肉は筋繊維の走行方向の違いや形状から分類分けする事が出来ます。

その中でも代表的な「縦走筋」「羽状筋」2つをご紹介します。



その他にも様々な形状の筋肉があります。

口の周りに同心円状に配列している「輪状筋」

のこぎりの歯のような形をしている「前鋸筋」

などもあります。

ご興味がある方は調べてみると面白いかもしれません。


1 縦走筋(longitudinal muscle)


◆ 筋線維が直線的に配列する筋の総称

・代表的な筋は「紡錘状筋」「平行筋」


● 紡錘状筋

・筋の基本形状、中央が膨らみ、両端が細い

・筋頭が複数存在する時「多筋頭」と呼ぶ

・筋腹が腱で分かれる時「多腹筋」と呼ぶ


● 平行筋

・ 筋が長軸方向に対して平行に配列

・筋長が長い


■ 紡錘筋(平行筋)の特徴

⭐︎ 素早いダイナミックな動きが得意


長い筋繊維が腱と同じ向きに走っています!

収縮距離が長いため、可動範囲が広く、効率よく腱に力を伝えることができます!


例えば、筋繊維が50%縮めば筋肉全体も50%縮みます。筋繊維の収縮距離と収縮速度がそのまま筋肉全体に反映されるため、スピード発揮に優れています。

 

 可動域全体を使い、しっかりと短縮と伸長をさせることが重要!重すぎる重量でのトレーニングは注意が必要です。

 

紡錘筋:上腕二頭筋、大胸筋、三角筋前部・後部、広背筋、僧帽筋、ハムストリングスなど…


2 羽状筋(pennate muscle)


 筋羽状筋はその名の通り鳥の羽のような筋繊維走行をしており、筋中央(腱膜)に向かって筋線維が斜めに傾いています。

代表的な筋は「単羽状筋」「両羽状筋」「多羽状筋」


 ● 単羽状筋

・ 斜走する筋が片側のみにある筋


● 両羽状筋

・ 斜走する筋が両側にある筋


● 多羽状筋

・ 多くの筋が横に並び一つの筋を作る


■ 羽状筋の特徴

⭐︎ 動きは鈍いが力自慢が得意


短い筋繊維が腱に対して斜めに走っています。

筋繊維走行が傾いているため、並列に並んでいて生理的断面積(機能的断面積)が大きくなり、より強い力を発揮することができます。


しかし縦走筋に比べると筋繊維は短く可動範囲(収縮範囲)が狭いぶん、収縮距離やスピードに反映されづらく筋肉の収縮効率が縦走筋に劣ります。

また、羽状筋は羽状角(筋繊維の傾き)の深さと力の発揮力が大きく関係しています。

 

比較的高重量のトレーニングに向いている筋肉とされています!


羽状筋:上腕三頭筋、大腿四頭筋、三角筋中部、ヒラメ筋など



特徴を活かしたトレーニング


「縦走筋」と「羽状筋」の違いが分かりましたか?


人の場合、四肢の屈筋に紡錘状筋が多く、伸筋に羽状筋が多いです。


上腕二頭筋が紡錘状筋で上腕三頭筋が羽状筋になります。


下肢は大腿四頭筋が羽状筋でハムストリングスも羽状筋なのですがハムストリングスは羽状角がかなり浅く紡錘状筋に近い形をしています。


例えば「腕のトレーニングをしよう」

そんな方は、筋肉の形状と働きや役割りを考える事でそれぞれの筋肉に有効なトレーニングが行えます。


・上腕二頭筋には 低重量高回数


・上腕三頭筋には 高重量低回数


あくまで筋肉の形状からみた負荷・強度の設定なので、他にも負荷・強度の設定をする要因はいくつかあります。関節や動きの問題、また期待する効果の目的によって負荷・強度の設定は変わってきます。負荷・強度を決定するための1つの材料だと思ってください。