女性のその手

あなたという女性は

その手で

何に触れようとしてきたのでしょうか

何に触れたいと

思われてきたのでしょうか

一人の女性に出逢いました

パンを創っている女性です

想像してみたんです

彼女の手

彼女の手は

今パンを創り出しています

でも

昔は

小さな子供の手

その小さな子供の手は

タンポポを掴み

シロツメクサをブーケにする

さくらんぼを撫で

その手で握りしめてみては

ボールを追いかけて

その手で

掴む

そんな

小さな子供の手は

鉛筆を持つ手に変わり

髪を撫でる手になって

いつしか

誰かの

手を握る

涙をぬぐう

手となって

寒い夜に体をこする

手となった

大人になった

その手は

お子さんを抱きあげ

その手で

お子さんの

小さな

ずっと小さな手を包み込む

そんな手が彼女の手

そして

いつしか

パンを創りたい

そう

心から願った

彼女の

意思に沿いながら

パンを創る手になる

でも

彼女のこの手は

パンだけのものではありません

彼女の生きてきた

全てを持っている手

その手が

創り出すパン

それはね

きっと

彼女そのものなんです

彼女の手が

見たもの

彼女の手が

触れたもの

彼女の手が

怯えたもの

彼女の手が

感じた

彼女

彼女への

ありったけの愛を持っている

彼女の手

その愛をも伝える手

愛って

そうやって

周りに

伝わっていくんです

伝わっているから

それを

欲しいと求める方々が居る

パンが好きだから

本当に

彼女の愛が好きだから

あなたは

愛の存在でしかないということ

あなたが思う以上

あなたが信じる以上に

愛の存在でしかない

どうか

感じてみて下さい