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アクテムラ

2022.01.30 14:36

http://www.twmu.ac.jp/IOR/diagnosis/ra/medication/biologics/actemra.html【アクテムラ】

「アクテムラ」は日本で開発された唯一の国産生物学的製剤で、最先端のバイオテクノロジー技術によって国内で製造されています。国内では約1万名以上の患者様に投与されており( 2011年4月現在)、海外では2009年1月にヨーロッパで、2010年1月にはアメリカでも承認を取得し、使用が開始されています。

「アクテムラ」は他の生物学的製剤とは異なり、インターロイキン6(IL-6)というサイトカインの働きを抑える「抗ヒトインターロイキン6モノクローナル抗体製剤」です。IL-6は炎症に関与するサイトカインで関節リウマチでは体内で過剰に作られ、炎症に由来する様々な症状を引き起こしています。「アクテムラ」はIL-6が結合する受容体に結合して、IL-6が受容体に結合するのをブロックすることで炎症に由来する様々な症状を抑え、関節破壊の進行を抑制し、日常生活動作を改善します。

「アクテムラ」の効果には個人差がありますが、現在までの経験ではほとんどの患者さんで一定以上の効果が認められています。ただし「アクテムラ」は関節リウマチを根治させる薬剤ではありませんので、長期間にわたり投与を継続する必要があると考えられています。

「アクテムラ」は他の生物学的製剤同様に免疫機能を抑制させることで炎症を抑える効果を発揮するため、感染症にかかりやすくなることがあります。通常、感染症にかかると発熱や血液検査で炎症マーカー(CRPや血沈などの炎症を評価する指標)が上昇しますが、「アクテムラ」は炎症を強力に抑制するため、炎症がわかりにくくなります。軽いかぜだと思って放置していると重症化することも考えられますので、かぜの症状(発熱、息苦しさ、のどの痛み、咳、たん、鼻水など)を感じた場合は、例え軽度でも次の診療日を待たず、すぐに主治医、看護師、薬剤師にお申し出ください。

「アクテムラ」は点滴でも皮下注射でも投与可能な生物学的製剤です。 皮下注射は2週間に1度の間隔で、 点滴は4週間に1度の間隔での投与となり、1回の点滴時間は1時間程度です。点滴投与の場合、体重1kg当たり8mgを投与しますので体重に応じて使用する薬の量が変わります。80mgバイアルで約1万8千円、200mgバイアルで約4万4千円、400mgバイアルで約8万8千円です。皮下注射は体重による増減はなく1本約3万8千円です。約3割負担の場合、1ヶ月あたり2万〜4万円程度となり、これに再診料・検査料・処方箋料などが加わります。体重によっては標準使用量で最も安価な生物学的製剤となります。

文責 猪狩勝則

2013年7月10日改筆


https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200408170000_969.html

【アクテムラ、新型コロナウイルス肺炎を対象とした国内第III相臨床試験の実施について】

2020年04月08日

中外製薬株式会社(本社:東京、代表取締役会長 CEO:小坂 達朗)は、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ®点滴静注用80 mg、同200 mg、同400 mg」[一般名:トシリズマブ(遺伝子組換え)](以下、アクテムラ)について、新型コロナウイルス肺炎(以下、COVID-19肺炎)を対象とした国内第III相臨床試験を実施しますのでお知らせいたします。

 本日、日本国内における重症COVID-19肺炎の入院患者を対象とするアクテムラの第III相臨床試験の実施に向け、独立行政法人医薬品医療機器総合機構に治験届を提出しました。今後試験の詳細を確定の上、速やかな患者登録の開始を目指します。

 海外では、米国、カナダおよび欧州を含む世界における重症COVID-19肺炎の入院患者約330例を対象として、アクテムラと標準的な医療措置を併用した場合の安全性および有効性を、プラセボと標準的な医療措置の併用と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験(COVACTA試験)の実施をロシュ社が発表しています。

【ご参考】

ロシュ社、重症COVID-19肺炎による入院患者を対象にActemra/RoActemraの第III相臨床試験を開始(2020年3月24日プレスリリース)

https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200324170000_961.html

アクテムラ、重症COVID-19肺炎による入院患者を対象とした臨床試験の実施につき、ジェネンテック社がFDAの承認を取得(2020年3月24日プレスリリース)

https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20200324170001_962.html

アクテムラについて

 アクテムラは、炎症性サイトカインの一種であるIL-6の作用を阻害する働きを持つ、当社創製の国産初の抗体医薬品です。国内では2005年6月に販売を開始し、点滴静注製剤では関節リウマチをはじめ6つの適応症(キャッスルマン病、関節リウマチ、全身型若年性特発性関節炎(sJIA)、多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎(pJIA)、腫瘍特異的T細胞輸注療法に伴うサイトカイン放出症候群、成人スチル病)、皮下注製剤では3つの適応症(関節リウマチ、高安動脈炎、巨細胞性動脈炎)で承認を取得しています。現在、世界110か国以上で承認されています。

上記本文中に記載された製品名は、法律により保護されています。


https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14543

【中外製薬:重症の新型コロナ肺炎患者対象に「アクテムラ」国内治験実施[新薬開発・販売 FRONTLINE]】

中外製薬は4月8日、新型コロナウイルス肺炎(COVID-19肺炎)治療薬としての承認取得に向け、抗IL-6受容体抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ)の国内治験(国内第Ⅲ相臨床試験)を実施すると発表した。治験の対象は国内の重症COVID-19肺炎の入院患者。中外製薬は「今後試験の詳細を確定の上、速やかな患者登録の開始を目指す」としている。

アクテムラは中外製薬が創製した国産初の抗体医薬品。炎症性サイトカインの一種IL-6の作用を阻害する働きを持ち、国内では関節リウマチ、キャッスルマン病などの治療薬として承認されている。海外では、重症COVID-19肺炎患者約330例を対象に「アクテムラと標準的な医療措置の併用」の安全性・有効性を評価する第Ⅲ相臨床試験の開始を親会社のロシュ(スイス)が発表している。

重症COVID-19肺炎へのアクテムラの効果についてはノーベル医学生理学賞受賞者の本庶佑京大特別教授も期待を寄せており、4月6日と16日に発表したCOVID-19対策の緊急提言で、重症肺炎時の炎症反応暴走時へのトシリズマブ(アクテムラ)の使用や効果検証を求めている。