BOOK「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」著者:イルセ・サン
BOOK「鈍感な世界に生きる 敏感な人たち」著者:イルセ・サン、訳:枇谷玲子(ひだに れいこ)
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自分自身へ
➡︎「私は今相手に、何を望んでいるのだろうか?」
相手へ
➡︎「あなたは今私に何を望んでいるの?」
自分の望みや要求、また自分がいかにほかの人に頼っているかを認識することは、自らの怒りと距離を置き、健全な傷つきやすさ、共感力を身につけ、よい人間関係を築くひとつの方法とも言えます。
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「するべき」と道徳化するよりも、願いに基づいた言葉として発することで、あなたが、感情がすっかり変わったと感じられるよう私は願っています。
できることならあなた自身や他の人に対し、あなたがよく下すジャッジのひとつを例にとり、それを「だったらいいのに」、または、「〜して欲しかった」にかえてみてください。そうしてあなたの自己認識にどんな変化が起こるか感じてください。悲しみでなく、平穏が訪れるはずです。繊細な神経を持つ人にとって、そのほうが怒りを感じるよりずっとよいでしょう。
怒りみ乗り越えて、悲しみを受け入れる
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第3章 「鈍感な人たち」とうまく付きあうには
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法1
➡︎周囲の人に自分がHSPであることを伝える
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法2
➡︎自分の限界点を、はっきり伝えておく
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「気を悪くしたら申し訳ないんだけど、もう少ししたら帰ってもらえないかなあ?あともうちょっとしたら、私は疲れ果ててしまって、あなたの言葉にちゃんと耳を傾けてられなくなりそうなの」
「ここに、もっと長くいられたらいいんだけど、疲れて来ちゃった。もうすぐ家に帰らないと、明日の仕事に支障が出そう」
「素晴らしい会話を途中で遮るのは気がとがめるんだけど、あまり疲れてしまわないうちに切り上げたほうが、お互いにとっていいと思うんだ」
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法3
➡︎休憩や散会の時間を事前に約束しておく
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法4
➡︎自分のできることは限られている、という事実を受け入れる
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法5
➡︎言葉の洪水に溺れないように、会話中に休憩をとる
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法6
➡︎片方が一方的に話さずに、「対話」となるよう心がける
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法 7
➡︎「対話」を成立させるには、互いに「反応し合う」ことを意識する
会話の相手に望む反応
①受け止める
・あなたは私のことを、どう思う
・私があなたをどう思っているか知りたい?
②共感する
・あなたが私だったら、どんな風に思う?
・私があなただったら、、に違いないわ。
③影響を知る
・私がそう言った時、あなたは何を考え、どう感じた?
・あなたが言ったことが、私にどう影響するか知りたい?
④話を広げる
・私が話すから、途中で質問してくれると嬉しいな。
・あなたが話している途中、質問してもいい?
・それとも遮られずに話し続けたい?
⑤ちゃんと聞いていることを示す
・私が今何ていったか、行ってみて?
・あなたが言ったことを私が言うわ。
・正しく聞けたか、確認しましょう。
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法8
➡︎時と場合に応じて「深い会話」と「表面的な会話」を使い分ける
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◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法9
➡︎4つのステップで、会話を深めていく
ステップ1
世間話と表面的な話をする
ステップ2
興味のあることについて話す
ステップ3
信頼する
ステップ4
直接聞いてみる
・お互いどう思っているか話したいんだけど、あなたはどう?
・あなたとの関係についてどう思っているか話したいんだけど、聞きたい?
・あなたが私のことをどう思っているか教えてくれる?
います、会話がどの段階にあるのかを意識できるようになれば、なぜ退屈なのか、どうしたら会話を楽しくさせられるのかが、わかるようになります。
とくに、HSP同士は言葉を交わさず、黙っていても親密で深い関係性を築けることが多いのです。
◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法10
➡︎HSPの理解者を、パートナーに選ぶ
◉「鈍感な人たち」とうまく付きあう方法11
➡︎子育ては無理をしない
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第4章
「敏感な自分」とうまく付きあう方法
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法1
➡︎HSPの能力を楽しむ機会をつくる
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あなたの人生にHSPの利点を楽しむ機会が確保できていないのなら、それは非常にもったいないことです。
敏感さから最大限の喜びを引き出すには、敏感であることを楽しむ機会を確保することです。
・自然を慈しむ(いつくしむ)
・クリエイティブでいる
・ほかに何もせずに哲学的な考えをめぐらす時間を持つ
・体にいいことをする
(走ったり、ダンスしたり、マッサージに行ったり、泳いだり、お風呂から足湯に入ったり)
・あなたの知覚に快楽を与える
(自分用にいい香りの花を買ったり、美味しいものを食べたり、見ると嬉しくなるものをまわりに置いたり、好きな音楽を聴いたり)
・動物と過ごす
・日記か詩か本を書く
・芸術鑑賞をする、または自分で芸術作品をつくる
・深くて質の高い人間関係を築く
HSPの多くは、日記や音楽を通して自己表現することに大きな喜びを覚えます。
また、HSPの多くが、水に惹かれます。
飲むのにも、お風呂のお湯に入れるのにも、泳ぐのにも、よい効果があるのです。
足湯の後は、オイルマッサージをします。リラックスできて心地よいですし、就寝前にやるとよく眠れます。
自分の体に触れることで、心の恐怖心は減り、過度に刺激を感じることも減っていきます。ナーバスになっているときは特に、足をマッサージするとよいでしょうか。
ほかにも自分の体に触れるのに、いい方法はたくさんあります。
走ったり、ダンスしたり、リラクゼーション電力エクササイズしたり、理想の体に近づけるために体を鍛えたり、自分が心地よいと思えそうなものにトライしてみてください。
体の動きにあわせて呼吸しながらエクササイズすると、特に効果があります。
私は刺激を受けすぎて、人と関わるのが難しいときは、運動に時間を費やすことにしています。ときどきリビングの床の上で簡単な運動をすることもあります。そうすることで自分の体とよい関係が築けますし、時間を無駄にすることが減ります。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法2
➡︎五感から過度に刺激を受けないための対策をとる
刺激は内と外の両側から入ってきます。
思考や夢など自分の内側からの刺激は、コントロールが難しいです。
一方、外からの刺激の80%は視覚から入ってくるので、サ刺激の大部分は目を閉じることで、すぐに自分でシャットアウトできます。
目から入ってくる情報は、黒いサングラス、帽子、大きな傘を使うことで減らせます。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法3
➡︎過度な刺激を受けたら、じっと自分の内側に集中する
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横になってうつらうつらするのではなく、静かに座って、できる限り何もしないことで、自分の中に入ってくる情報を選別することができます。
このように自分自身を取り戻すために何もせずに栄養を吸収する時間を、私は「滋養の時間」と呼んでいます。
この時間は必ずしも心地よくありませんし、効果が実感できるのは、次の日になってからかもしれません。
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大切なのは、何にも注意を向けず、意識を休ませることです。新しい情報ができる限り入ってこないようにすることで、エネルギーを自分の内側に集中させ、すでに入り込んでしまった情報を整理できます。その間、ほとんど何もしてないと感じるかもしれませんが、あなたの内側では、実にたくさんのことが行われているのです。
エネルギーを一新した後のあなたは、力強くなっていることでしょう。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法4
➡︎自分自身へ愛情を向けて、自分を守る
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法5
➡︎自分自身に思いやりを持つ
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私はときどきクライアントに、自分自身にハグをするか、肩を優しく叩く練習をするよう言います。大抵の人は、抵抗感を示します。でも実際やってみると、自分がいかに愛情をこめて触れられることに飢えていたかを感じ、泣き出す人もいます。ひとしきり泣き終えると、気分がよくなります。その人はこれからの人生に生かせる新しい何かを学んだのです。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法6
➡︎自分自身と和解する
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自分自身と和解するというのは、自分が他の人にとって「ちょっと面倒な存在」であることを自覚し、そうした自分を受け入れることでもあります。
自分を厄介者と見なすのは、つらいことに違いありません。高い基準を自分に課し、常に周囲への気遣いを欠かさない人には、特にそうです。
HSPの他人は、ときにほかの人に自制を求めざるを得ない状況に直面しますが、それは非常に心を痛めることなのです。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法7
➡︎心理セラピーを受けてみる
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HSPへの心理セラピーの最終目標は、多くの場合、自己愛を高めることにあります。HSPの人の多くは自尊心が低く、自分自身に高度な要求をしすぎることで、自信のなさを補おうとします。しかし、要求が高度であるがゆえに、繰り返し失敗を味わい、このことが自尊心に負の影響を及ぼします。そうした悪循環をたちきるのです。
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◉ 「敏感な自分」とうまく付きあう方法8
➡︎自分らしくいることの、喜びを感じる
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古い傷を癒すことはできますし、子ども時代にかけていた愛を自分自身に与えることもできます。それができるようになったとき、ほかの人からの愛を受け取る最良の条件がそろったと言えます。
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◉おわりに HSPへの贈りもの